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Trademark Appeal Case

ソフトウェア使用と指定商品

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成9年審判第20005号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第2173891号商標(以下、「本件商標」という。)は、昭和60年4月30日に登録出願され、「IPEX」の文字を横書きしてなり、第11類「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)電気材料」を指定商品として、平成1年9月29日に設定登録されたものである。

2 請求人の主張

請求人は、本件商標の指定商品中「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)」についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を概略次のように述べている。

(1)本件商標は、商標権者、専用使用権者、通常使用権者のいずれもが、継続して3年以上日本国内において、上記の指定商品について使用していないものである。

よって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、上記した指定商品についての商標登録は取り消されるべきである。

(2)答弁書に対する弁駁

被請求人は、乙第1号証において標章「IPEX」を「画像処理のためのシステム」の広告に使用しているとしているが、この乙第1号証を詳細に検討すると、標章「IPEX」は、その広告に掲載された「画像処理のためのシステム」を構成する有体物としての「高性能画像処理専用装置」そのものを表示する標章として使用されているのではなく、その「画像処理のためのシステム」の一部を構成する「画像処理ソフトウェア」の一つ、即ちコンピュータプログラムである「アプリケーションパッケージ」を表示する標章として使用されている。

このことは、乙第2号証の「ソフトウェア総合カタログ」の記載から一層明らかである。

即ち、この「ソフトウェア総合カタログ」には、その上欄に「プログラム名」「型名」「適用・OS」「使用料」「機能概要」等の各欄が記載され、その第696頁の第2行にはプログラム名として「IPEX」という標章が記載されている。

従って、この乙第2号証の「ソフトウェア総合カタログ」の記載からも明らかなように、「IPEX」は無体物であるコンピュータプログラムそのものを表示する標章として使用されているに過ぎず、通常の取引社会において流通する有体物、即ち商品について使用されているものではないことは明白である。よって、被請求人が主張するように乙各号証の記載から本件審判の取消請求に係る指定商品のーつである「電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)」についての本件商標の使用が証明されたとは到底認められない。

以上のとおり、本件商標が本件取消請求に係る指定商品の一つである上記商品について使用されているとする被請求人の主張は全く根拠がないことが明白である。

3 被請求人の答弁

被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とするとの審決を求めると答弁し、その理由を概略次のように述べ、証拠方法として乙第1号証及び同第2号証(被請求人が書証に付した甲第1号証及び甲第2号証の表示は乙第1号証及び乙第2号証の誤りと認める。)を提出した。

(1)本件商標は、乙第1号証に示すとおり被請求人により、画像処理のためのシステム(電子応用機械器具)に係る商標として使用されている。

なお、乙第1号証の発行年月日は1989年4月であるが、乙第2号証(平成9年3月発行)に示すとおり、乙第1号証に示す「IPEX」商品は現在でも販売されているものである。

(2)弁駁に対する答弁

本件指定商品の分野においては、ソフトウェアがフロッピーディスク、CD−ROM、磁気テープ等に記録されて取引されていることは常識というべきことである。また、特許庁において、コンピュータプログラム自体は商品でないとしながらも、コンピュータプログラムは使用にあたって通常、磁気ディスク・磁気テープ等の有体物たる媒体に固定されることより、現実の取引対象たる媒体を商品として「コンピュータプログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ」等を指定商品とした登録が多数認められている。「コンピュータプログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ」は「電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)」に含まれる商品である。被請求人の提出した乙第1号証は商品に関する広告、乙第2号証は定価表に標章を付して頒布する行為であり、商標法第2条第3項第7号の「使用」に該当し、本件商標が、被請求人により、その指定商品のうち「電子応用機械器具」に使用されていることは明らかである。したがって、本件商標は、指定商品中の「電子応用機械器具」に使用されていることが明らかであるから、商標法第50条第1項の規定に該当するものではない。

4 当審の判断

そこで判断するに、被請求人より提出された乙第1号証及び同第2号証についてみるに、乙第1号証は、被請求人発行の「富士通画像情報システム」と題する商品カタログであり、同じく乙第2号証は、日本電子計算機株式会社発行の「ソフトウェア総合カタログ」である。

乙第1号証カタログは電子応用機械器具に属する商品と認められる「画像情報システム」についての説明カタログであって、該カタログ第3頁(「幅広いユーザ層に対応するソフトウェアサポート」中)及び同第16頁(「ソフトウェア体系」の表現中)において、「IPEX」の文字が使用されているものである。更に、乙第2号証において、「IPEX」の文字が付されている商品は、被請求人に係るソフトウェアプログラム名の一つであることが認められる。

そして、「IPEX」の文字の付された商品は、「画像情報システム」において使用されることを前提としたプログラムのためのソフトウェアと解されるものである。

一方、この種業界において、ソフトウェアが磁気テープ、フロッピーディスク等の磁気媒体に記録されて取引されており、該商品は、電子応用機械器具の範疇に属する「電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路、磁気ディスク、磁気テープ」とみるのが相当である。

ところで、被請求人発行の上記カタログ(乙第1号証)は、被請求人も認めているとおり本件審判請求の登録日より10年近くも前に発行されたものであるが、乙第2号証によれば、該カタログに表示されている「IPEX」の文字の付されている商品が、本件審判請求の登録前3年以内である平成9年1月31日にも引き続き販売されていたことが認められる。

また、該カタログに使用されている「IPEX」の文字は、本件商標と社会通念上同一性を有する商標と認められるものである。

してみれば、本件商標は、被請求人によって、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、その請求に係る指定商品中の電子応用機械器具に属する「電子計算機用プログラムを記憶させた磁気テープ」に使用されていたものといわなければならない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、これを取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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