結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成10年審判第31035号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
1.本件商標
本件登録第1617183号の2商標(以下「本件商標」という。)は、「SPRlNGER」の文字を横書きしてなり、第12類「輸送機械器具、その部品及び附属品」を指定商品として、昭和44年10月15日登録出願、同58年9月29日に設定登録された登録第1617183号商標より、指定商品中「自転車(但し、自転車のタイヤ、チューブを除く)」について、平成7年3月6日付けで分割されたものであり、現に有効に存続しているものである。
2.請求人の主張
請求人は、「本件商標の指定商品中『自動二輪車』の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求める。」旨主張し、その理由及び答弁に対する弁駁を次の通り述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出している。
(1) 請求の理由
請求人の調査では、被請求人は、取消を求めた商品について、過去3年以上にわたって、我が国において本件商標を使用していないことが判明した。
よって、本件商標は、商標法第50条の規定に該当し、その登録に係る指定商品中の上記の商品について登録を取消されるべきである。
(2) 答弁に対する弁駁として
(イ)商品カタログにある「SPRINGER/スプリンガー」の表記は「自動二輪車」について使用されているのではなく、その自動二輪車のフロントフォーク部分を説明するのに使用されているに過ぎない。よって、本件商標が「自動二輪車」に使用されていないことは明らかである。
実際に、自動二輪車自体に「SPRINGER」は表示されていない。自動二輪車自体の写真を甲第2号証として提出する。
また、被請求人が提出した商品カタログは、本件商標が独立して販売される商標法上の商品である「フロントフォーク」自体の商標としては使用されていないことは明らかである。これに反論があるのであれば、本件商標が本件審判請求登録日前に、単体で販売されている「フロントフォーク」に使用されていた証拠を提出されたい。
(ロ)商品カタログがいつ、何部、誰により作成され、いつ、何部、誰に配付されたかの証明がない。
(ハ)叙上の通り、被請求人が提出した証拠はいずれも、本件商標が本件審判請求登録日前3年以内に使用されていた事実を証明するには不十分のものであるから、本件商標はただちに取り消されるべきである。
3.被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を下記の通り述べ、証拠方法として乙第1号証及び乙第2号証を提出している。
(1)答弁の理由
本件商標「SPRINGER」は、その通常使用権者である(乙第1号証)本田技研工業株式会社が、平成10年2月に日本国内のホンダ車販売店に頒布した自動二輪車「STEED」のカタログ(乙第2号証)に、その自動二輪車のセカンドネームとして使用している。使用に係る商標「SPRINGER」の文字は、本件商標の書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標であるから、本件商標の使用にあたること言うまでもない(商標法50条)。
上記のとおり、本件商標は、本件審判請求予告登録日である平成10年11月11日の前3年以内の日である同年2月に、通常使用権者本田技研工業株式会社が、日本国内において、本件審判請求に係る指定商品「自動二輪車」に関する広告に付して頒布したものであるから、本件審判請求は成り立たない。
(2)平成11年8月16日の弁駁に対する答弁として
請求人は、乙第2号証の商品カタログにある「SPRINGER」「スプリンガー」の表記は自動二輪車のフロントフォーク部分の説明するに使用されているにすぎず、自動二輪車について使用されているのではない旨述べるので、この点について答弁する。
乙第2号証のカタログ4枚目には、半頁をさいて自動二輪車の写真が掲載され、その上段に、特殊な装飾文字の「SPRINGER」が全体楕円形状に大きく書されている。そして(a)「SPRINGER」の文字を研究社発行の「NEWENGLISH‐JAPANESE DICTIONARY」(乙第3号証)でひいてみると、「1、飛ぶ人〔物〕、はねる人〔物〕、2〔建築〕a(アーチの)迫り元、3〔動物〕a springbok b サカマタ、シャチ c English springer span iel、4 a春に川を遡るタイセイヨウサケ b 若鶏」の語意が記載されており、自動二輪車やそのフロントフォーク部分の構造や機能等を示す意は全く記載されていない。また、日本において、「SPRINGER」が自動二輪車やそのフロントフオーク部分の構造や機能等を表す文字として使用されている事実は全くない。このように、「SPRINGER」の文字には自動二輪車やそのフロントフォーク部分の構造、機能を示す意は全くないこと(b)同カタログに表示されている「SPRINGER」の文字の表示位置(頁最上段の最も見易い位置で、自動二輪車の写真のすぐ上)、文字の大きさ、書体の特殊さ、装飾度よりして、「SPRINGER」の文字は明らかにその下段の写真の自動二輪車の名前として使用されていることよりすれば、何人もこれを自動二輪車の商標として看取するものである。
たしかに、下半分の説明文中に「スプリンガーフロントフオークを備えた強烈な顔立ち。」の記載があることよりすれば、「スプリンガ−」はフロントフオークの名称でもある。しかし、フロントフオーク自体は補修部品として以外は単独で取り引きされる商品ではないのだから、フロントフオークの商標とするだけであれば特殊なロゴ文字を考案したり、そのための商標登録出願をしたり(乙第4号証)、カタログに大きく広告宣伝したりはしない。通常使用権者が特殊なロゴ文字を考案し、そのための商標登録出願をし、カタログに大きく広告宣伝するのはそれを自動二輪車の商標として使用したいからであり、実際の使用態様も前記のとおり自動二輪車の商標として使用している。以上のとおり、「SPRINGER」はフロントフオークの名称であるとともに、かかるフロントフオークを備えた自動二輪車のセカンドネームとして使用しているのだから、本件商標は通常使用権者が取消審判に係る指定商品「自動二輪車」に使用しているものである。
また、請求人は本件商標はフロントフォーク自体の商標としては使用されていない旨述べでいるが、本件取消審判請求に係る指定商品は「自動二輪車」であってフロントフォークではないのだから、これに対しては答弁しないこととする。
最後に、請求人は、乙第2号証の商品カタログがいつ、誰によって作成され、いつ、何部、誰に配布されたのか証明がないなどと述べているが、同カタログは、1998年2月に、通常使用権者が初版で2万部作成し、全国のホンダ二輪車販売店に頒布したものであり、その体裁、内容よりすれば、それが真正なものであって、現実に二輪車販売店に頒布したものであることは明らかであり、その末尾右下隅の記載よりして1998年2月頃頒布されたものであることも明らかである。
4. 当審の判断
よって判断するに、被請求人が本件商標を使用した証拠として提出している乙第1号証及び同第2号証をみるに、乙第1号証は、平成9年8月20日付けで請求人と通常使用権者(本田技研工業株式会社)との間で交わされた本件商標に関する使用許諾契約書と認められるものである。
一方、乙2号証のオートバイのカタログ(4枚目の上部)には、「STEED」の商標の付されたオートバイの写真及び「スプリンガーフロントフォークを備えた強烈な顔立ち。」等の説明文とは別に、圧倒的顕著に、かつレタリング化した「SPRINGER」の文字が表されているものである。
そうとすれば、該「SPRINGER」の文字はその表され方及びオートバイの写真との関係から、フロントフォークに止まらずオートバイの商標とみても何ら不自然ではない。
また、乙第2号証のオートバイのカタログの裏表紙右下には「本田技研工業株式会社」と共に「本カタログは1998年2月現在のものです」と記載されていることよりすれば、該オートバイのカタログは通常使用権者である「本田技研工業株式会社」によって、1998年2月頃に使用されていたものとみるのが相当である。
そして、上記オートバイのカタログに使用されている「SPRINGER」の商標は、本件商標と社会通念上同一性を有する商標と認められるものである。
してみれば、本件商標は、通常使用権者(本田技研工業株式会社)によって、本件審判請求の登録前3年以内に、日本国内において、取消請求に係る商品「自動二輪車」について使用されていたものといわなければならない。
したがって、本件商標の取消請求に係る商品についての登録は、商標法第50条の規定により取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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