Trademark Appeal Case
自然栽培の記述性と識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成10年審判第17836号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「自然栽培」の文字を横書きしてなり、第32類「清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,乳清飲料」を指定商品として、平成8年9月13日に登録出願されたものであるが、その後、指定商品については、平成10年11月6日付差出しの手続補正書をもって、「果実飲料,飲料用野菜ジュース」と補正されたものである。
2 原査定の理由
原査定は、「この商標登録出願に係る商標は、『自然に近い状態で栽培されたもの』のような意味合いを認識させる『自然栽培』の文字を普通に用いられる方法で表示してなるものであるから、これをその指定商品に使用しても、『自然に近い状態で栽培されたものを原材料として使用した商品』であることを理解させるに止まり、単に商品の品質を表示するにすぎないものと認める。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」と認定、判断して、その出願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記のとおり、「自然栽培」の文字を普通に用いられる方法で書してなるものであるところ、該文字は、全体として「自然環境にまかせて行う栽培」の意味合いを容易に理解させるといい得るものである。
そして、「自然栽培」の語は、新聞記事などにおいても、例えば、「作る側も自然栽培による旬のものを買ってもらいたいと思っている。有機や無農薬農業に加えて、露地、自然栽培による野菜も食卓に一品加えてもらいたい。」(読売新聞、1993年2月24日東京版朝刊)、「温州ミカン、伊予かんなど2ヘクタールを栽培する中核農家で、・・・ハウス栽培が広がる中でも、『重油で空気を汚したくない』と自然栽培にこだわってきた。」(毎日新聞、1997年8月23日大阪版夕刊)、「加藤さん方のユズは農薬を一切使わない自然栽培。色と香りが非常によく、ビタミンCやミネラルが豊富でユズ湯、ユズの砂糖漬け、ユズ酒、漬物の香味料として食卓で人気を集めている。」(毎日新聞、1999年11月19日宮城版)、「観光客と農業を結びつけた『リンゴ狩り農園』は、スタートから約10年で軌道に乗った。・・・自然栽培を志向し、化学肥料の使用を抑え、わらや樹皮たい肥を多く施した。」(毎日新聞、2000年5月31日長野版)等の如く、なるべく自然環境にまかせて行う栽培方法を称するものとして、普通に使用されているのが実情である。
してみれば、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者は、「自然環境にまかせた栽培方法により生産された果実や野菜を原材料として使用したもの」であることを表示したと把握するに止まり、自他商品を識別するための標識とは認識し得ないものと判断するのが相当である。
また、請求人は、「本願商標は、商標法第3条第2項に該当する。」旨主張し、証拠方法として、甲第1号証ないし同第31号証(枝番を含む。)を提出したが、各甲号証中の商品には、いずれも「全農」「全農直販」の文字が併記されていて、これらが自他商品の識別機能を果たしていると認められる等、本願商標それ自体が使用をされた結果需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるに至っているとするには十分とはいえないものであるから、先の認定を覆すに足りない。
したがって、本願商標は、その指定商品に使用するときは、単に商品の品質、原材料を表示するにすぎないものといわざるを得ないから、結局、本願商標を商標法第3条第1項第3号に該当するとして、その出願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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