Trademark Appeal Case
FLEA MARKETの識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成10年審判第15733号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「FLEA MARKET」の文字を書してなり、第41類願書記載の役務を指定役務として、平成4年9月30日に登録出願され、その後、指定役務については、平成7年4月27日付け、同9年3月5日付け及び同10年10月5日付けの手続補正書によって、最終的に「映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,ファッションショーの企画又は運営,日本の伝統の祭りの企画又は運営,パーティーの企画又は運営,博覧会の企画及び運営,フォトコンテストの企画又は運営,文化イベントの企画又は運営,パレードの企画又は運営,ヘアーショーの企画・運営又は開催,記念レセプションの企画又は運営,朗読会の企画又は運営,鉄道開通記念事業の企画又は運営,会社の運動会の企画又は運営,ドッヂボールの興行の企画又は運営,シンポジウムの企画又は運営,メーデーの企画又は運営,おしゃべりマンガショーの企画又は運営,放送番組の制作,映像機器・音声機器等の機器であって放送番組の制作ならびに音楽の演奏等のイベントのために使用されるものの操作,楽器の貸与」と補正されたものである。
2 当審における拒絶理由
本願商標は、「FLEA MARKET」の欧文字を横書きしてなるところ、該文字は「蚤(のみ)の市」の意味を有する英語であることが各種の英和辞典に記載されており、「FLEA MARKET」の読みを片仮名で表記した「フリーマーケット」の語は、例えば、株式会社岩波書店発行「広辞苑 第5版」(2366頁)によれば、「〔flea market〕蚤の市。」の記載が認められ、また、株式会社集英社発行「imidas1999」(698頁)によれば、「元来は、フランスで開かれていた『のみの市』(flea market)がルーツ。『物は使える限り大切に』という省資源・省エネルギーの思想と、環境保全まで含めた考え方で不用品を公園などに持ち寄って売買したり、交換して再利用を図る市民たちの運動。・・・わが国では74年に日本フリーマッケット協会が大阪市内で開催したのが最初。年々、人気を呼び、その後さまざまな形で全国各地に広がっている。」などの記載が認められる。
ところで、地球規模で環境問題や自然保護が提唱されている現状下において、資源を再利用し、自然環境の保全を大切にするという考え方が一般社会に浸透し、それに伴い、家庭の不用品を再利用しようとする動きが活発になり、公共団体、市民団体等が主催する「フリーマーケット」と称するリサイクル運動が盛んになっているところである。
例えば、1985年12月10日付け日本経済新聞(地方経済面15頁、首都圏)には、「リサイクル運動市民の会、世田谷で不用品市−23区展開へ実験。」の見出しで「家庭にある不用品の再利用運動を進めているリサイクル運動市民の会は15日、東京・世田谷区で同区の協力を得て、フリーマーケットを開く。これまで毎月1回、東京・代々木公園でフリーマーケットを開いてきたが、来年から2、3年の間に都内各区の協力を得て、23区全域で展開することにしており、世田谷区での開催はその最初の実験。・・・代々木公園でのフリ一マーケットは5年目に入るが、現在参加登録会員は5800人にものぼり『月1回では全員が参加しきれない』のが実情という。」なる記事が掲載されている。また、1986年6月27日付付け同紙(地方経済面22面、新潟)には、「各地で人気のフリーマーケットが新潟市に登場する。・・・フリーマーケットとは、主催者のもとへ素人が売りたい物を持ち寄り市を特定の日に立てるもの。・・・フリーマーケットへの出品の仕方は(1)商品委託(2)一坪ショップ出店の2種類がある。商品委託は、・・・当日、午前中に会場へ持ち込み価格の5%の委託料を払い、売れれば、さらに、10%の手数料を支払う仕組み。一坪ショップは・・・申込金500円のほかに出店料1500円を払えばいい。」などと記載された記事が認められる。その他、公共団体、市民団体等が主催する「フリーマーケット」に関する多数の新聞報道がなされているところである。
上記事実よりすると、「フリーマーケット」は、わが国において、1970年代中頃に開催されたのをきっかけに、環境保護、保全への配慮の機運が高まるとともに、1980年代には、日本各地で開催されるようになり、今日では「家庭の不用品や手作りの品などを再利用するため、売買したり、交換する市」なる意味を有するものとして、一般需要者の間に広く知られているものということができる。
そして、「フリーマーケット」を含む催し物が実施されていることは、例えば、1998年4月6日付け朝日新聞(大阪地方版,広島版)に「広島市中心部にある十の商店街が合同で企画した『ひろしま春まつり』が五日、・・・開かれ、約十万人が訪れた。この日はメーンイベントのパレード『花道中』や、花茶の振る舞いなどで商店街は終日華やかな雰囲気に包まれた。・・・中央通り一帯にフリーマーケット約二十店舗が出店、古着やアクセサリーなどが売られた。」、また、2000年3月25日付け読売新聞(大阪朝刊、34頁)に「舞鶴で8月『まち遊びフェスティバル』 企画・運営のスタッフを募集=京都」の見出しで「同イベントは今年で六回目。昨夏はスタッフ約百五十人が参加。熱気球の乗船、巨大な『人生ゲーム』、ファッションショー、約百五十店舗のフリーマーケットなどを開き、約三万名が詰めかけた。」と報道されていることより認められる。
そうであるとすれば、「FLEA MARKET」の文字よりなる本願商標を、平成10年10月5日付け提出の手続補正書により補正された本願指定役務中「各種催し物の企画又は運営」に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、「フリーマーケットを内容に含む催し物の企画又は運営」を表したものと認識するにとどまり、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものといわなければならない。
したがって、本願商標は、これをその指定役務中「フリーマーケットを内容に含む催し物の企画又は運営」について使用しても、単に役務の質(内容)を表示するにすぎないものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。
3 当審の判断等
当審において、上記2の新たな拒絶理由を平成12年12月14日付けで通知し、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、請求人(出願人)からは何らの応答もない。
そして、上記の拒絶の理由は妥当なものと認められる。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、これを登録すべきものとすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。