Trademark Appeal Case
VirtualCampusの記述性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成11年審判第5959号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「VirtualCampus」の欧文字(標準文字)よりなり、平成9年8月6日登録出願、第9類「配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,金銭登録機,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,電気計算機,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン,郵便切手のはり付けチェック装置」及び第41類「電子計算機のプログラムに関する知識の教授,その他の技芸・スポーツ又は知識の教授」を指定商品・役務とするものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、通信回線を使用してコンピュータ上の仮想の大学の意味合いを認識させる『VirtualCampus』の文字を書してなるものであり、例えば、日本経済新聞の1994年7月8日夕刊に郵政相の諮問機関である電気通信審議会が5月に答申した『21世紀の知的社会への改革に向けて』の中で『バーチャルキャンバス(仮想大学)を』『光ファイバーを全国の家庭に張り巡らし、マルチメディアの情報家電を買いそろえれば、茶の間にいながらにして大学講義の受講もできる。』答申内容を紹介し、また、同新聞の1996年10月28日朝刊に慶応大学と米ケースウエスタンリザーブ大学は通信回線を使った遠隔授業を実施するとして『バーチャルキャンパス』の語を使用している事実からすれば、これを本願の指定商品・役務中、第9類『電気通信機械器具、電子計算機』及び第41類『知識の教授』に使用するときは、単に商品の品質・役務の質(内容、用途)を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品・役務以外の商品・役務に使用するときは商品・役務の品質・質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨の理由で本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)本願商標は、前記したとおり、「VirtualCampus」の欧文字よりなるところ、その構成中の「Virtual」の文字は、「実質上の、虚像の」などの意味を有する簡易な英語であって、また、「Campus」の文字は、「大学などの構内、大学」などの意味を有する英語であり、両語ともそれぞれの表音である「バーチャル」及び「キャンパス」の外来語とともに日常一般に親しまれているものである。
一方、外来語である「バーチャル」の語は、「バーチャルリアリティー」(コンピュータの作り出す仮想の空間を現実であるかのように知覚させること、仮想現実空間などの意味)、「バーチャルカンパニー」(コンピュータネットワーク上の会社の意味)、「バーチャルショップ(モール)」(電子商取引におけるショッピングセンター(店舗)の意味)のように、バーチャルの語と対象となる語を結合させて、それがコンピュータネットワークにより構築される仮想の対象(物)であることをあらわすために一般的に使用されているものである。
このような事実・実情の下、本願商標の指定商品・役務に係る取引者、需要者が、本願商標に接するときには、それが「Virtual」の語と「Campus」の語とを結合してなるものであって、「コンピュータネットワーク上の仮想大学」のごとき意味合いを容易に想起するとみても差し支えないと判断される。
(2)原査定が提示した新聞記事以外においても、「バーチャルキャンパス」の語について、例えば、役務「知識の教授」及び商品「映像情報を記録したCD−ROM」など本願指定商品・役務業界に関連する新聞記事データベース情報、及び、いわゆるインターネット情報によれば、以下の事実が認められるところである。
(ア)「森ビル、インターネット上の仮想都市プロジェクトへ本格始動」との見出しのもと「.........そのほか世界美術館とのオンライン化や慶応大学、カリフォルニア大学バークレー校との
バーチャルキャンパス
構想、.........」との記事中に(日刊工業新聞1995年12月7日付)に使用されていること。
(イ)「ネットの世界で学園生活 通信制だけの私大、来月開講」との見出しのもと「私大では全国で初めて通信制のみの『人間総合科学大学』が来月岩槻市に開講する。時間や場所に拘束されずテキスト学習ができるのに加え、パソコンのインターネット・ホームページで教授や学友らとリアルタイムで交流できる『
バーチャル(仮想)キャンパス
』を解説する。」との記事中(朝日新聞東京地方版2000年3月21日付)に使用されていること。
(ウ)「卒業アルバムはCD−ROM 群大社会情報学部」との見出しのもと「群馬大学社会情報学部の有志が、三月下旬の卒業式を前に、CD−ROM版『2001年卒業アルバム』を自主制作している。.........『学生紹介』『教授紹介』『
バーチャルキャンパス
』の三項目からなる。.........『
バーチャルキャンパス
』は、パソコン上で食堂や図書室、売店、講義棟を回り、学生時代の想いでの場所を振り返ることができる。.........一枚三千円で販売するという」との記事中(朝日新聞東京版2000年9月27日付)に使用されていること。
(エ)「立教
バーチャルキャンパス
(V−Campus)は、インターネットとイントラネットの技術を利用してつくる『もうひとつのキャンパス』です。
学生と教職員、そして卒業生に対して、快適なインターネット接続環境と、最新のイントラネット技術を使った『立教大学のネットワーク』を提供します」との表示が用いられていること(インターネットアドレス http://www.rikkyo.ne.jp/info/)。
(オ)「
バーチャルキャンパス
(SVC: SANNO
Virtual Campus
)について
タームペーパーの具体的作成方法やフェーズごとの締切期限などについては、
バーチャルキャンパス
の『経営情報学特講』のページで知らせます。講義計画の変更その他の連絡にもSVCを使用しますから、履修者は、少なくとも週に1度はSVCのページを見るようにしてください。現在のところ、タームペーパーについては、次のような日程で進めていくことを予定しています。」との表示が用いられていること(産業能率大学 インターネット表示 http://signweb.mi.sanno.ac.jp/vcampus/00/NetManage1/gaiyou.htm)。
(3)上記(1)及び(2)を総合して考察すれば、本願商標に接する取引者、需要者は、それが「コンピュータシステムなどを通して授業や施設に接することができる仮想の大学」である旨を認識・理解するとみるのが相当である。
そうすると、本願商標をその指定商品中の、コンピュータ上でバーチャルキャンパス(仮想大学)を実現するために必要な機器類、すなわち、当該「バーチャル対応の電気通信機械器具,同電子応用機械器具及びその部品」について使用した場合は、その商品の品質、用途等を表示したものと理解されるに止まり、また、これを前記「バーチャル方式による大学における知識の教授」について使用した場合は、「コンピュータシステム(通信回線)などを通して提供を受ける大学における知識の教授」であること、すなわち、役務の質・内容等を表示したものと理解されるに止まり、それをもって自他商品又は役務の識別標識とは認識し得ないものといわなければならない。
そして、本願商標を前記バーチャル対応のものでない「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」及びバーチャル方式でない「大学における知識の教授」について使用するときは、その商品の品質又は役務の質ついて誤認を生じさせるおそれがあるといわなければならない。
(4)請求人は、「本願商標は、言葉のうえから『通信回線を利用したコンピュータ上の仮想の大学』のような意味を連想させるかも知れないが、コンピュータ上の仮想大学とは何か、架空の教育機関なのか、あるいはコンピュータ上の仮想空間について学ぶフォーラムのようなものなのか判然とせず、特定の商品又は役務の品質の表示として認識されることはないというべきである。」、「日本経済新聞に、本願商標の片仮名表記と同様の使用例2例が掲載された事実があるとしても、これのみをもって、前記態様を有する本願商標が商品又は役務の品質表示であるとすることは妥当でない。商標の構成要素は、必ずしも常に創作されるものではなく、むしろ既存の言葉を『商標として』採用し使用することによってその機能が発揮されるものである。」旨述べている。
しかしながら、(「VirtualCampus(バーチャルキャンパス)」の語が一般に親しまれた成語とはいえないとしても、本願商標は取引者、需要者に商品の品質・役務の質等を表示したものと認識されるとしたこと前示(3)のとおりである。そうとすれば、商標「VirtualCampus(バーチャルキャンパス)」は、前述した商品又は役務を流通・取引過程に置く場合に必要な表示といえ、何人も使用をする必要があり、かつ、何人もその使用を欲するものであるから、「VirtualCampus」の文字よりなる本願商標は、一私人の独占に適するものとは必ずしもいえず、自他商品・役務の識別標識としての機能があるものと認めることはできないから、この点に関する請求人の主張は採用できない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同第4条第1項第16号に該当するとした原査定の認定・判断は妥当なものであって、これを取り消す限りではない。
よって、結論のとおり審決する。
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