Trademark Appeal Case
記述的複合語の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成11年審判第18408号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「アロマスティック」の文字を横書きしてなり、第5類「アルコールの気化熱を利用して爽快感が得られる薬剤、天然ハーブの香りで清涼感が得られる薬剤、その他の薬剤」を指定商品として、平成10年7月29日に登録出願されたものである。
2 原査定の理由
原査定は、『本願商標は、”芳香”等の意味を有する「アロマ」の語と”棒状のもの”等の意味を有する「スティック」の語を「アロマスティック」と書してなるものであるところ、本願指定商品中には「芳香を有する棒状のアルコールの気化熱を利用して爽快感が得られる薬剤・天然ハーブの香りで清涼感が得られる薬剤・その他の薬剤」が含まれることに鑑みると、本願商標全体として ”芳香を有する棒状のもの”との意味あいを認識させるものと認める。よって、この様な商標を本願指定商品中、上記商品に使用するときは、単に商品の品質、形状を表示するにすぎないものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品(役務)以外の商品(役務)に使用するときは商品(役務)の品質(質)の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。』旨認定、判断して、本願を拒絶したものである。
3 請求人の主張
本願商標は、「アロマスティック」の片仮名文字を横書きしてなり、該文字は、同書、同大、等間隔に一連に書してなり、その音数も「促音を含む(イッ)の音を2音としても、全体で8音の比較的適正な音数である。
そして、これよりは、よどみなく「アロマスティック」と一連の称呼のみ生じる、特定の観念を有しない商標よりなる。
もっとも、原審は、”芳香”等意味を有する「アロマ」の語と”棒状のもの”等を意味する「スティック」の語を「アロマスティック」と書してなるから、”芳香を有する棒状のもの”に使用するときは、上記法条にてらし拒絶するとしたものである。
しかしながら、商標の構成中「アロマ」の語は「芳香」の意を有する語であることは否定しない。また、「スティック」の語が「棒状」の意を有する語であることも否定しないが、それぞれ「アロマ」(芳香)と「スティック」(棒状)の2語がそれぞれ「アロマ」の語が「アロマート」「アロマラマ」としてよく使用され、「スティック」の語が(杖を表す語)としてよく知られているとしても、この2語を組み合わせた「アロマスティック」の文字全体からは、「アルコールの気化熱を利用して爽快感が得られる薬剤,天然ハープの香りで清涼感が得られる薬剤及びその他の薬剤」の商品として具体的にどの様な商品かを直ちに想起しがたいものである。
また、「アルコールの気化熱を利用して爽快感が得られる薬剤,天然ハーブの香りで清涼感が得られる薬剤」について「アロマスティック」の文字として品質(質)を表す語として使用されている事実は見当たらない。
したがって、本願商標を構成する「アロマスティック」の文字は、特段の意味が看取できなし、一連の一種の造語とみざるを得ないものである。
結局、本願指定商品について使用しても自他商品の識別標識の機能を有し、かつ、商品の品質について誤認を生じるおそれもないものであるから、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものではない。
4 当審の判断
本願商標は、「アロマスティック」の文字を横書きしてなるところ、「アロマ(AROMA)」には、「芳香、香料」の語義が、また、「スティック(STICK)」には、「棒状のもの」の語義がある(「広辞苑」新村 出編者、株式会社岩波書店、1998年11月11日第五版第一刷発行参照)。
ところで、昨今は、「アロマセラピー」、「アロマコロジー」等、「アロマ」についての関心が高まっているところであって、各種の香料、薬草、化学成分などを使い、神経、呼吸器、循環器、消化器など各系統に刺激を与え治療する芳香療法も盛んに行われているところであって、そのもととなる香料もギャレ(ポプリ)、オイル、パウダー、スプレー、サシェ・ハンガー、お香、キャンドル等いろいろの種類があって、お香にもスティック、コーン、コイル等の形状のものが販売されている。
例えば、東京都中央区銀座4−9−1所在の「ESTEBAN」の東京店のカタログには、「パープルボックス スティック42本入」、「アンバー スティック 32本入」、また、大阪市東成区中道1−5−13所在の「玉初堂」のカタログには、「スティック レギュラーセット 45本入」、「スティック エコノミー 60本入」のようにジャスミン、ラベンダー、ティーローズ、バイオレット、ミント等の調合された線香と同じ様な棒状の形をしたものが掲載されている。
そうすると、「アロマスティック」の文字よりなる本願商標は、その指定商品中、「天然ハーブの香りで清涼感が得られる薬剤」に使用するときには、これに接する取引者、需要者をして、「棒の形状をした香料を利用した天然ハーブの香りで清涼感が得られる薬剤」の如き意味合いを理解、認識させるものと判断するのが相当であるから、商品の品質、形状を表示するに止まり、商品の自他識別の標識としての機能を果たし得ないものであって、全体として商品の品質を普通に用いられる方法により表示した標章のみからなるものといわなければならない。
請求人は、過去の審決例を挙げて種々主張しているが、本査定時における「アロマスティック」という語の持つ意味、指定商品との関係、組み合わせた語句との関係等を無視して一般的に比較することはできないと言わざるを得ず、既審決例等があることをもって、本願商標の識別力についての前示認定判断を覆すことはできない。
したがって、本願商標について商標法第3条第1項第3号に該当し、棒の形状をした香料を利用した薬剤以外の商品に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当するとした原査定は、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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