Trademark Appeal Case
トピアリーツリーの識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成11年審判第11827号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「トピアリーツリー」の片仮名文字を標準文字で書してなり、平成9年11月7日に登録出願され、第20類「植物の茎支持具」を指定商品とするものである。
2 原査定の理由
原査定は、「この商標登録出願に係る商標は、『刈り込み等を施して、動物や建造物などの姿に造形した木』という意味合いを認識させる『トピアリーツリー』の文字を普通に用いられる方法で書してなるところ、トピアリーの造形には、刈り込みだけでなく、枠の中で植物を育てる方法もあることから、これをその指定商品中『トピアリー用の植物の茎支持具』に使用するときは、単に商品の用途、品質を表示したにすぎないものと認める。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」と認定判断して、本願を拒絶したものである。
3 請求人の主張の主旨
本願商標「トピアリーツリー」の語は造語であって、単に「刈り込み等を施して、動物や建造物などの姿に造形した木」との意味のみを有するものではなく、当業界においても、「トピアリーツリー」の語が、「枠の中で植物を育てる方法」あるいは「トピアツリー用の植物の茎支持具」といった意味合いで使用されている事実は存しない。本願商標は「トピアリーツリー」の一連の文字よりなるものであって、その構成態様においては、同一書体、同大同間隔であり、全体としても語呂が良く、よどみなく一連に称呼されるものであって、一連の造語と認識され、「トピアリーツリー」とのみ称呼されるものと判断するのが相当である。よって、本願商標は、その指定商品に使用しても、単に商品の品質、用途等を表示するものではなく、自他商品の識別標識としての機能を果たすものであり、かつ、前記商品以外の商品に使用しても、商品の品質について誤認を生じさせるおそれはない。したがって、本願商標は商標法第3条第1項第3号及び商標法第4条第1項第16号に該当しない。
4 当審の判断
本願商標は、「トピアリーツリー」の文字よりなるところ、この文字中「トピアリー」は、「装飾的刈り込み」の意を有する語である。
そして、近年において、西欧風整枝法が我が国においても普及し、植物を人工的に刈り込み形作る造形物を指して「トピアリー」というなど、整枝法に関連して普通に使用されているものである。また「ツリー」は、「木」を意味する外来語として、広く知られており、本願商標はこの2語を結合してなるものといえる。
また、「トピアリーツリー」の語は、「庭木を動物の形に似せて刈り込む装飾的な盆栽;香り付きのドライフラワーを球状や円すい状に形作り、枝にさした木」という意味で、本願指定商品の業界で、普通に知られているものである。
そして、植物の茎が脆弱でしなやかな場合には、その芯になるように副わせて、人工的に形作り、「副木」の役目をする、針金を巻いたりして、整形・形成用に用いられるトピアリーツリー用の茎支持具が市販されているところである。
そうとすると、本願商標が、その指定商品「植物の茎支持具」に含まれている「トピアリーツリーに使用する茎支持具」に使用された場合には、これより「トピアリーツリー用の(植物の)茎支持具」という意味が直ちに認識されるものと認められる。
そして、このように認識される本願商標は、取引者・需要者に、商品の品質表示として理解されるに止まるものと認められ、自他商品の識別機能を有し得ないものというのが相当であり、かつ、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわざるを得ない。
そして以上のことは、例えば、(株)学習研究社発行「グランド現代百科事典」第21巻418頁「トピアリー」の項目に「庭木整枝法の一つ。単一の樹木に人手を加え、動物形、天体形、工作物形(塔・鳥居形など)など種々の形に刈り込んで、庭園や公園の装飾の意味で単植とするもの。」とあり、読売新聞1992年7月15日付朝刊東京版の29頁に「[トレンド最前線]1年楽しめる鉢植え ドライフラワーが香る」と題する記事中に、「ドライフラワーの鉢植え『トピアリーツリー』が売れている。新宿の『伊勢丹』では二年前から売り場に出したところ、昨年から需要が急増し、いままではいろんな花に、それぞれ色や形の変化を加えたもの三十種類に増やすほど。インテリヤや贈答用に好まれているという。『トピアリーツリー』というのは、もともと庭木を動物の形に似せて刈り込む『西洋盆栽』を意味するが、いま出回っているのは、香り付きのドライフラワーを球状や円すい状に形作り、枝にさしてある。直径約十センチの球では、指先ほどのバラ数百個が使われている。『見てかわいらしく、身の回りを花や香りで心地よく、と好まれているようです』と製造元の『ミスプロテア』。花の色は少しずつ薄れていくが、日光や湿気を避ければ、生花と違って一年ほど楽しめる。そこが忙しい女性たちに好まれる人気の秘密かもしれない。」との記載があり、毎日新聞1996年11月18日付神奈川版の「[まちかど]マツボックリでクリスマスツリー 手作りを楽しむ−箱根町」と題する記事中に、「箱根町立『森のふれあい館』でマツボックリを使ったクリスマスツリー作りが人気を集めている。ニスを塗っただけのものと、グリーンのペンキを塗った2種類のマツボックリにビーズやリボン、雪を模した綿を貼り付けてミニツリーができ上がる。約30分で作れる手軽さもあって、家族連れや若いカップルでにぎわっている。12月25日までの午前9時から午後3時まで。入館料のほか1個300円の材料費が必要。12月1、15日はクリスマスリースを、8日(いずれも午後1〜3時)はトピアスツリー作りも行われれる。」との記載があり、インターネットのホームページ上のURL:http://www.jta.gr.jp/whattopia/whattopia.htmlの日本トピアリー協会(〒421−0534静岡県榛原郡相良町堀野新田155−1在「日本トピアリー協会事務局本部」(ホームページ作成管理委託:静岡県磐田郡豊田町森下1005−7在、有限会社チップス)(東京都台東区西浅草3−20−14在、日本トピアリー協会東京事務局))のサイトには、「トピアリーとは、それは『植物を人工的にまた立体的に形づくる造形物』のことです。もともと“刈り込む”という意味で、幾何学形や動物の形に刈り込んだ樹木を指しました。造形の美しさ、楽しさに癒しの効果も加わり、新しい園芸文化として人気が高まっています。トピアリーの歴史は大変古く、それは古代ローマ時代にまでさかのぼることができます。奴隷の庭師が生垣に主人と自分のイニシャルを刈り込んだのが最初といわれています。トピアリー独自の技法が本格的に普及したのは16世紀以降のヨーロッパと言われています。円錐や球体の幾何学的な形に樹木を刈り込んだトピアリーガーデンが王宮や貴族の館で流行しました。これらは庭師が職人技を駆使し何年もかけてつくりあげたものです。そしてその美しさで今では世界中の愛好者の間に広がっています。また、近年ではフレーム等を使ったトピアリー技術が開発され比較的短時間でも作れる様になり、欧米では小型のトピアリーを一般家庭で楽しんでいます。」との記載があり、インターネットのホームページ上のURL:http://homepage1.nifty.com:80/aboc/topia.htmlのリース工房アボ(販売者名「山田真由美」)(〒981−0133宮城県宮城郡利府町青葉台2ー1−195在)のサイトには、「シーモスのトピアツリー:高さ23cm:大好評の花のトピアリーです。ホワンとしたモスの中に、かわいい花が咲きました。¥3000」との記載があり、インターネットのホームページ上のURL:http://member.nifty.ne.jp/posy/2000/9910−1.htmlの「ポジー花の教室」(徳島市南内町1−6熊川興産ビル2階在)のサイトには、「トピアリーツリー:刈り込んだ植木のようなアレンジ。土台をしっかり作らないと倒れてしまいます。球形にしたオアシスを枝先につけ、足元はモスでカバーしています。ドライフラワーや木の実で作れば一年中楽しめます。」との記載があることからも明らかである。
してみれば、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものとして拒絶した原査定は、妥当なものであって取消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。