Trademark Appeal Case
王室名商標と国際信義
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成9年審判第6905号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「KING GEROGE」の文字と「キングジョージ」の文字を二段に横書きしてなり、第3類「せっけん類,化粧水,クリーム,頭髪用化粧品,その他の化粧品」を指定商品として、平成6年12月7日に登録出願されたものである。
2 原査定の理由
原査定は、『本願商標は、「KING GEROGE」及び「キングジョージ」の文字を二段に書してなるところ、世界の中の王室にあってイギリス国における王室の存在と、同王室には「GEORGE」の名前を持った国王が数代にわたり存していたこととは我が国においても広く知られたところであから、本願商標に接する者は、これより直ちに上記イギリス国の王室の歴代の国王(George1世等)を想起せしめるというのが相当であり、してみると、このようなものを一私人である出願人が自己の商標として採択・使用することはイギリス国の王室の尊厳、そして国際間の信義則を保つ観点から穏当とはいえない。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。』と認定、判断して、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
商標法は公正な競争を図り、取引秩序を維持することを目的とする競業秩序を維持する面を持っているものであるが、商標法第4条第1項第7号は「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標は、商標登録を受けることができない」旨を規定しており、その趣旨は商標の構成自体が公序良俗に反する場合だけでなく、一般に国際信義に反する場合も含まれると解される。
本願商標は、「KING GEROGE」の文字と「キングジョージ」の文字を二段に横書きしてなるところ、「KING」と「キング」の文字は、「王」を意味するものであり、「GEROGE」と「ジョージ」の文字は、「ジョージ(男の子の名)」を意味するものであって、「KING GEORGE」と「キングジョージ」の文字全体として、「ジョージ王」の如き意味合いを想起するとみるのが相当である。
しかして、イギリス国では、「GEORGE I」(ジョージ1世)より「GEORGE VI」(ジョージ6世)まで、過去に国王が在位したことよりすれば、イギリス国の「ジョージ国王」を理解、認識させるものと認められる。
しかも、同イギリス国王の名は、「GEORGE I」(ジョージ1世)より「GEORGE VI」(ジョージ6世)まで、名前として使用されており、「GEORGE VI」は、西暦1936年から1952年まで在位したものであって、将来、「GEORGE VII」が在位しないということはできない。
請求人は、国王の名は、「GEORGE I」、「GEORGE VI」等のように、何世を最後に冠することで人格が特定できるものである旨主張するが、現在のイギリス国女王である「Elizabeth II」も、過去に「Elizabeth I」が在位していたにも拘わらず、わが国においては、「エリザベス女王」と呼ばれていることからすれば、「GEORGE VII」が在位したときには、「ジョージ国王」と呼ばれることも決して少なくないものと認められるので請求人の主張は、採用できない。
そうすると、「KING GEORGE」と「キングジョージ」の文字は、イギリス国王の名前であって、イギリス国を代表する地位にある者であり、同国民のシンボルともいうべき存在の者でもある。
そうすれば、「KING GEORGE」と「キングジョージ」の文字よりなる本願商標は、イギリス国王を想起させるものであり、本願商標を一個人である出願人が、私的独占使用の目的を以て採択し、これを商標として登録することは、わが国のイギリス国に対する国際信義にも反するものというべきである。
なお、他の類で登録された事例は、いずれも商標権の存続期間が満了になり、商標権の原簿が閉鎖(登録第2285965号商標については、平成12年11月30日が期間満了であるが、更新の申請が提出されていない。)されているものである。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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