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Trademark Appeal Case

称呼類似:ヌとムの聴別

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成11年審判第8489号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、後掲に示すとおり、欧文字と記号で「I・n・e」と表した構成からなり、第8類「手動利器」を指定商品として、平成8年6月12日に登録出願された商標登録願(平成8年商標登録願第63372号)について商標法第10条第1項の規定に基づく分割出願として、平成9年12月3日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原審において、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するものとして、その拒絶の理由に引用した登録第2474972号商標は、後掲に示すとおり、欧文字と記号で「I・M・E」と表した構成からなり、平成1年8月23日に登録出願、第13類「手動利器、手動工具、金具」を指定商品として、同4年11月30日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断

本願商標と引用商標は、上記のとおり各欧文字3字を中黒点を介して羅列した構成よりなるところ、いずれも特定の意味合いを有しない造語商標からなるものと認められる。

しかして、本願商標の指定商品である「手動利器」の分野をはじめ、各種産業分野において商号あるいは何らかの意味合いを有する熟語の頭文字をもって、欧文字3字を略称、略語として採択、使用すること少なくないものであり、このような場合、称呼を特定する役割を果たすべき係る格別の事情があれば別として、アルファベット一文字一文字の読みに従って発音される場合が多いというのが取引の経験則上相当である。

そうすると、本願商標に接する取引者、需要者は、その構成文字に従って、「アイ、エヌ、イー」の称呼をもって取引に資するものというのが自然である。

この点、請求人は、本願商標は1995年に服飾業界において使用を開始した当初から、「インエ」と称呼するとし、現在に至るまで「インエ」商標として使用し、当初はファッション雑誌において「I・n・e」に「インエ」を併記して宣伝広告に努める等、本願商標は被服等を中心として、関連する各種商品に使用されてきた結果、取引者、消費者において「I・n・e」と表記された商標は「インエ」と読むという認識が浸透している(甲第1号証及び同第2号証)旨述べているが、これら被服等のいわゆるファッション関連商品と本願商標の指定商品である「手動利器」とは、生産部門、販売部門、その他用途等を異にする異種、別個の商品といえるものであるから、本願商標を指定商品に使用した場合、これに接する取引者等が直ちに上述の請求人主張の如き事情を考慮し、常に「インエ」の称呼のみをもって取引に資するものとは俄に認め難いところであって、採用するに由ない主張というほかない。

他方、引用商標は「I・M・E」の欧文字部分に相応して「アイ、エム、イー」の称呼をもって取引に資するものと認め得るものである。

そこで、本願商標と引用商標から生じる「アイ、エヌ、イー」と「アイ、エム、イー」の各称呼を対比すると、両称呼は、長音を除き5音により構成され、第4音において「ヌ」と「ム」の音に差異を有するものである。そして、該差異音「ヌ」と「ム」は、母音を共通にするばかりでなく、子音もともに通鼻音であり、かつ、比較的聴別され難い中間に位置することによりすれば、両称呼を全体として一連に称呼した場合には、その語調、語感が相似たものとなって、互いに紛らわしいものといわなければならない。

そうすると、本願商標と引用商標とは称呼において互いに相紛らわしく、また、観念においては比較すべくもないところであり、このほか外観の差異を考慮するとしても、なお両者はその出所について混同を生ずるおそれのある、類似の商標というのが相当であり、また、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品中に内包されるものと認められる。

してみれば、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものといわざるを得ないから、この理由をもって本願を拒絶した原査定は妥当であって取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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