sokuhyo

Trademark Appeal Case

商標の差別的表現と公序良俗

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年審判第9728号
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第14類「貴金属製食器類,身飾品,時計」を指定商品として平成8年9月19日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、黒人がストローでコップの中のものを飲んでいる図形よりなるところ、近年、人種差別撤廃をめざす情勢になっていることより、これを営利を目的とする商標として採択し使用することは、差別的若しくは不快な印象をあたえるおそれがあるものと認める。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。」旨認定判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、別掲のとおり、図形と文字からなるところ、その構成中の図形部分は、その上部の正方形内にシルクハットを被り、蝶ネクタイを付けた人とおぼしきものが手前に置かれたコップに入った飲料をストローで飲んでいる図形を描いてなるものであり、また、その構成中の下部に黒く塗りつぶした長方形内に白抜きで「カルピス」の文字を書してなるものである。

そして、請求人提出の甲第5号証(三島海雲著「初恋五十年」)、同第7号証(日刊工業新聞記事)、同第8号証(朝日新聞記事)同第9号証(徳島新聞記事)、同第10号証(北海道新聞記事)、同第11号証(愛媛新聞記事)、同第12号証(神奈川新聞記事)、同第13号証(朝日新聞記事)、同第14号証(報知新聞記事)、同第15号証(読売新聞記事)、同第16号証(荒俣宏著「広告図鑑の伝説」)、同第17号証(「STYLING 1987年3月号」)及び審判請求の趣旨によれば、本願商標の構成中の図形部分は、大正6年にカルピス食品工業の創立者である故三島海雲が、第1次世界大戦で窮乏していた欧州の美術家を救済しようと、独、仏、伊でポスター募集を行い、1942点の応募作品の中から、ドイツのミュンヘンのオットーデュンケルという図案家の作品を、大正12年に採用、爾来65年間もの長きに亘って、「初恋の味」の文句とともに乳酸飲料に使用してきたものである。

してみれば、上記事情を併せ考慮すれば、本願商標の構成中の図形部分は、請求人が乳酸飲料に長年に亘り使用していたものであり、かつ、全体として涼しげな印象を与えるものであるから、その指定商品について使用しても、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあるものとは認められない。

したがって、本件図形について、黒人を不快ならしめるものであって、人種的偏見と差別を助長するものであり、穏当を欠くと認定し、その上で、本願商標は商標法第4条第1項第7号に該当するものとし、本願を拒絶した原査定は、取消さざるを得ない。

その他、本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。