Trademark Appeal Case
記述的表示の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2000−1525(T2000−1525/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「SMALL BUSINESS」の文字を標準文字で書してなり、平成10年8月17日に登録出願、指定役務については、当審において、平成12年8月18日付けの手続補正書をもって、第36類「資金の貸付け」と補正したものである。
2 原査定の理由
原査定は、「この商標登録出願に係る商標は、『SMALL BUSINESS』の欧文字を書してなるところ、この語は、『中小企業』を意味する言葉として、該指定役務に係る取引き業界のみならず、広く一般に使用されている「スモールビジネス」に通じることから、これを本願指定役務に使用しても、需要者が何人にかかる役務であることを認識することができないものと認められる。」旨認定判断して、商標法第3条第1項第6号に該当するとして、本願を拒絶したものである。
3 請求人の主張
本願商標は単に「中小企業」のみを意味を表示したものではなく、「小さな規模の仕事や事業」等の広範な意味を有し、銀行業務においては、「SMALL BUSINSESS」の文字は、本願請求人によってはじめて使用され現在に至っているもので周知なものであり、したがって、本願指定役務の取引業界においては、「スモールビジネス(ローン)」は、本件請求人の役務であると広く認識されているものであって、その英語表記である「SMALL BUSINESS」も充分に自他役務識別力を有するものである。
4 当審の判断
本願商標は、「SMALL BUSINESS」の文字を表してなるものであるが、「SMALL BUSINESS」は、「中小企業」を意味する英語であり、これが外来語となった「スモールビジネス」が普通に使用されていることは、1998年10月20日付日本経済新聞の「インタビュー反転の経営(4)市民バンク代表片岡勝氏−地域起業(新しい会社))」と題する記事中に「女性も子育てや介護をしながら、旅行会社、設計事務所などのスモールビジネスが可能になった。市民バンクが融資する起業家はほとんどが女性だ。『融資を始めた当初、千件の問い合わせがあり、九割が女性だった。担保をとらず作文の提出だけで融資しているが、貸し倒れもない。金利、担保、保証人と三つとも取る従来の銀行融資は世界の非常識だ。市民バンクのノウハウを生かして、これからも大量に出る女性の事業を支えたい』」とあり、また、1987年10月16日付日本経済新聞の「スモールビジネス、小さくても元気不況下で成長維持−61年度1000社日経調査。」と題する記事中に「日本経済新聞社が行った『スモールビジネス千社調査』によると、六十一年度の中小・ベンチャー企業を合わせたスモールビジネス(SB)の経常利益は前年度比八・二%減のマイナスとなったが、売上高は同五・八%増となった。今回の調査対象は全国のSB五千七十九社」とあることからも認められる。
そして、本願の指定役務は、「資金の貸付け」であるところ、中小企業金融公庫法(昭和28年法律138号)に基づいて設立された中小企業金融公庫(英名:Small Busness Finance Corporation)(東京都千代田区大手町1−9−3)、中小企業総合事業団法(平成11年法律19号)に基づいて設立された中小企業総合事業団(東京都千代田区大手町1−8−2)、法人「商工組合中央金庫」(商工組合中央金庫法に基づく中小企業金融機関)(東京都中央区八重洲2−10−17)等々中小企業向けの金融機関が存在している。
以上の実情を勘案すると、「SMALL BUSINESS」の文字よりなる本願商標をその指定役務に使用するときは、需要者は、「中小企業(スモールビジネス)向け」に役務を提供していることを端的に表示した文字と理解するに止まり、自他役務を識別する標識とは認識できないとみるのが相当である。
なお、請求人は、本願商標を小規模企業(中小企業主、個人事業主)向け金融(短期期限付低利無担保融資)の本願指定役務中「資金の貸付け」に使用し、本願指定役務の取引業界においては、「スモールビジネス(ローン)」は、周知であり、需要者は、請求人の商標「SMALL BUSINESS」に接した際は、前記片仮名文字の英語表記であるから、容易に請求人の商標として認識され、自他識別力を有し、登録されるべきものである旨主張し、甲第1号証ないし甲第12号証を提出している。
そこで、甲1号証ないし甲12号証についてみるに、「スモールビジネスローン」の文字が多数見い出せるが、「スモールビジネスローン」の文字の意は、「中小企業向けローン」を表すものであって、その構成中「スモールビジネス」の文字部分は、そのローンの種類たる需要者(融資先)を指称する文字部分に止まるものにすぎないものというべきであって、商標としての使用とは認められず、且つ、請求人の商標である「SMALL BUSINESS」(若しくはその片仮名表記)の欧文字の商標が、本件指定役務について永年に亘り広く使用している事実及びその使用の結果として、それらの役務の取引者需要者により「SMALL BUSINESS」(若しくはその片仮名表記)の商標が、本件請求人の業務に係る役務を識別する商標として知られているものと認めるに足りない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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