Trademark Appeal Case
論点抽出失敗
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2000−1526(T2000−1526/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「SMALL BUSINESS BANKING」の文字を標準文字で書してなり、平成10年8月17日に登録出願、指定役務については、当審において、平成12年8月18日付の手続補正書をもって、第36類「資金の貸付け」と補正したものである。
2 原査定の理由
原査定は、「この商標登録出願に係る商標は、『SMALL BUSINESS BANKING』の欧文字を書してなるところ、その構成中の『SMALL BUSINESS』は、該指定役務に係る取引き界のみならず、広く一般において、『中小企業』を意味する言葉として使用されている『スモールビジネス』に通じることから、これを本願指定役務に使用しても、全体として『中小企業向け銀行業』との意味合いを理解させるに止まり、単に役務の提供の質及び内容を表すにすぎないものと認められる。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」と認定判断して、本願を拒絶したものである。
3 請求人の主張
本願商標の構成中「SMALL BUSINESS」は単に「中小企業」のみを意味を表示したものではなく、「小さな規模の仕事や事業」等の広範な意味を有し、この「SMALL BUSINESS」に「BANKING」が結合した場合に、これが「SMALL BUSINESS」向けの「BANKING」であるとの意味合いを生ずるものでなく、小さいの意味を有する形容詞の「SMALL」と「仕事、事業、あるいは企業」などの広い意味を有する「BUSINESS」と「BANKING」とが一体に結合された商標であり、またそのように認識されない場合には、「BANKING」は役務を表示する語として識別力が無く、「SMALL BUSINESS」が要部となるもので、この語から「中小企業向け」という意味合いが生ずるものでもない。また、銀行業務においては、「SMALL BUSINSESS」の文字は、本件請求人によってはじめて使用され現在に至っているもので周知なものであり、したがって、本願指定役務の取引業界においては、「スモールビジネス(ローン)」は、本件請求人の役務であると広く認識されているものであって、その英語表記である「SMALL BUSINESS」も充分に自他役務識別力を有するものである。
4 当審の判断
本願商標は、「SMALL BUSINESS BANKING」の文字を表してなるものであるが、「SMALL BUSINESS BANKING」は、「中小企業向け金融業務」を意味する英語であり、これが外来語となった「スモールビジネスバンキング」が普通に使用されていることは、例えば、日本金融通信社1997年9月12日付国際面の「米国証券業界、間接金融分野へ積極参入。96年度は中小企業に500億ドル」と題する記事中に「米経済の活力源とされるスモールビジネス・バンキングに対する証券会社の侵食が始まっている。証券白書によると、ベンチャー企業や営業経歴の浅い中小企業へ、『証券業界は96年度に総額499億ドルの資金を提供した』と発表。(中略)銀行がリテール・バンキングやスモール・ビジネス融資で地盤沈下を続ける背景に『さまざまな銀行規制がある』と指摘されている。そこで、連邦準備制度理事会は8月21日、議会で現在審議中の銀行制度改革法案を待たず、銀行界の証券業務の最大の足かせとされる証券子会社とファイアーウオールの撤廃を決めた。これに対し証券業界は、『銀行のみを優先する』と規制撤廃に猛反発している。『新しい環境で、顧客と市場の新しいニーズにこたえられる環境が整った』と歓迎する米国の銀行は、従来の貯蓄商品に投資商品を加えてフル装備での新しいバンキング・サービスを展開することが迫られているようだ。」とあることにも明らかである。 そして、「BANKING」の文字は、「金融業務;銀行業務」を意味する英語として親しまれており、前半部分に融資先等を表す語を組み合わせて、「プライベートバンキング」「ホームバンキング」「ユニバーサルバンキング」「リテールバンキング」等の語も広く親しまれており、これらの事情からも、「スモールビジネスバンキング」の語自体、「中小企業向け金融業務」の意味合いで一般に理解され知られているものと認められる。
そして、本願の指定役務中には、「資金の貸付け及び手形の割引」が含まれているところ、中小企業金融公庫法(昭和28年法律138号)に基づいて設立された中小企業金融公庫(英名:Small Busness Finance Corporation)(東京都千代田区大手町1−9−3)、中小企業総合事業団法(平成11年法律19号)に基づいて設立された中小企業総合事業団(東京都千代田区大手町1−8−2)、法人「商工組合中央金庫」(商工組合中央金庫法に基づく中小企業金融機関)(東京都中央区八重洲2−10−17)等々の中小企業向けの金融機関が存在している。
以上の実情を勘案すると、片仮名文字を英文字表記してなる「SMALL BUSINESS BANKING」よりなる本願商標をその指定役務に使用するときは、需要者は、「中小企業向け金融業務」を行っていることを表わすものと理解するに止まると認められるから、単に提供する指定役務の質及び内容を表すものといわなければならない。
なお、請求人は、本願商標を小規模企業(中小企業主、個人事業主)向け金融(短期期限付低利無担保融資)の本願指定役務中「資金の貸付け」に使用し、本願指定役務の取引業界においては、「スモールビジネス(ローン)」は、周知であり、需要者は、請求人の商標「SMALL BUSINESS」に接した際は、前記片仮名文字の英語表記であるから、容易に請求人の商標として認識され、自他識別力を有し、登録されるべきものである旨主張し、甲第1号証ないし甲第12号証を提出している。
そこで、甲1号証ないし甲12号証についてみるに、「スモールビジネスローン」の文字が多数見い出せるが、「スモールビジネスローン」の文字の意は、「中小企業向けローン」を表すものであって、その構成中「スモールビジネス」の文字部分は、そのローンの種類たる需要者(融資先)を指称する文字部分に止まるものにすぎないものというべきであって、商標としての使用とは認められず、且つ、請求人の商標である「SMALL BUSINESS BANKING」(若しくはその片仮名表記)の欧文字の商標が、本件指定役務について永年に亘り広く使用している事実及びその使用の結果として、それらの役務の取引者・需要者により「SMALL BUSINESS BANING」(若しくはその片仮名表記)の商標が、本件請求人の業務に係る役務を識別するために、充分認識されている名称として知られているものと認めるに足りない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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