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Trademark Appeal Case

反復商標の類否判断

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年異議第90766号
審判種別異議
結論other

結論テキスト

登録第4088714号商標の登録を取消す。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4088714号商標(以下、「本件商標」という。)は、別紙(1)に示すとおり、「LION&LION」の文字よりなり、平成2年3月22日に登録出願、(旧)第13類「手動利器、手動工具、金具」を指定商品として、同9年12月5日に設定の登録がされたものである。

2 引用商標

登録異議の申立があった結果、本件商標を商標法第4条第1項第11号に該当するものとして、取消理由に引用した登録商標は、以下の(イ)、(口)及び(ハ)に示す3商標である。また、引用に係る各登録商標の商標権は現に有効に存続するものである。

(イ)別紙(2)に示す構成よりなり、昭和25年7月28日に登録出願、(旧々)第8類「剃刀、剃刀刃、その他鉋、鋏、庖丁、小刀」を指定商品として、同28年10月8日に設定の登録がされた登録第432661号商標(以下、「引用A商標」という。)

(口)別紙(3)に示す構成よりなり、昭和27年9月19日に登録出願、(旧々)第8類「木螺旋及び其の他の尖刃器」を指定商品として、同29年9月22日に設定の登録がされた登録第451938号商標(以下、「引用B商標」という。)

(ハ)別紙(4)に示す構成よりなり、昭和33年9月22日に登録出願、(旧々)第64類「木螺旋及び其の他の尖刃器」を指定商品として、同34年12月16日に設定の登録がされた登録第545999号商標(以下、「引用C商標」という。)

3 当審の判断

本件商標は、その構成別紙(1)に示すとおり、「LION&LION」の文字よりなるところ、該構成は、「ライオン」(Lion)の意味合いをもって世上親しまれている平易な英語である「LION」の文字(語)を、同じく英語の「and」の略記号として一般に親しまれている「&」記号を介して等しく左右に配置してなるものである。

ところで、一般に、英語の接続詞「and」の文字(語)は、「○○と○○,○○および○○,そして,また,かつ」等の意味合いをもって前後の語,句,節を対等に繋ぐ場合に用いられることがよく知られているところ、これ以外にも、例えば、「for weeks and weeks(何週間も何週間も)」、「walked and walked(歩きに歩いた)」、「again and again(何度も何度も)」、[colder and colder(しだいに寒く)」等の如く、「and」の前後に同じ綴りの語を繋いで一定の事柄、状態を繰り返し強調する意味合いで表現する用例のあることもまた理解されているところである。

しかして、「LION」の文字(語)を「&」記号を介し連結して表現された本件商標の構成全体からは、成語として特定の意味合いを表現し得るとする特段の事情はなく、また、前述「and」の用例よりして、これに接する取引者、需要者は、固有名称として日常一般に親しまれている「LION」の文字(語)を単に反復し又は羅列した程度のものと認識し把握するとみるのが自然である。そして、「LION」の文字(語)の有する「ライオン」(Lion)の意味合いを専ら強調したものとして認識し理解するとみるのが相当であり、それ以上に固有の事物、事象等を想起し得るまでの創意性は感得することができないものといわなければならない。

してみれば、本件商標は、全体として「ライオン」(Lion)の観念の域を出ないものであって、その観念をもって印象づけられるものといわなければならない。

他方、引用A商標、引用B商標及び引用C商標は、その構成別紙の(2)、(3)及び(4)にそれぞれ示すとおり、「LION」の文字ないしは同文字とライオンの絵図との結合よりなるものであるから、引用各商標からは、ともに、「ライオン」(Lion)の観念を生ずることが明らかである。

そうとすれば、本件商標と引用各商標とは、「ライオン」(Lion)の観念を同じくする点において互いに紛らわしく、また、両者はこの観念と同時的に派生する「ライオン」の称呼を同じくし、かつ、いずれの場合も構成中に「LION」の文字を共有する点において外観上も近似した印象を与えるものである。

そうすると、本件商標は、観念、称呼及び外観の各点より総合判断するに、引用各商標と紛れ得る類似の商標というべきであり、かつ、本件商標は、その指定商品中に、引用A、引用B及び引用Cに係る引用各商標の指定商品と同一又は類似の商品を包含するものであるから、結局、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものといわなければならない。

商標権者は、意見書において、本件商標は、「2頭のライオ」ないしは「ダブルライオン」と観念され、称呼も「ライオンエンドライオン」であるから、「1頭のライオン」を観念し、「ライオン」と称呼される引用各商標とは十分識別し得るものであり外観も相違するとして、本件商標は引用各商標とは類似するものではない旨述べ、判決例(東京高裁平1(行ケ)146号)を引用するとともに、乙第1号証乃至乙第7号証(他類の審査例,登録例)を提出している。

しかしながら、本件商標が成語として特定の意味合いを表現し得るものでなく、また、「ライオン」(Lion)の意味合い以上に固有の事物、事象等を想起し得るものでなく、全体として、その観念の域を出ないものであること、前記認定のとおりであって、本件商標より「2頭のライオン」ないしは「ダブルライオン」の観念が生ずるということはできない。また、商標権者の引用する他類の審査例又は登録例は、本件商標とは指定商品を異にする点で本件商標とは事案を異にし、商品の取引事情も自ずと相違するから、それら事例をもって、本件商標の登録の適否を判断する基準とするのは必ずしも適切でなく、したがって、その主張は採用の限りでない。さらに、引用の判決例については、商標自体(固有名詞と形容詞)と指定商品等において本件商標とは事案を異にするから、それをもって、直ちに本件商標の登録の適否を判断する基準とすることはできない。その他、商標権者の主張を認めるに足りる証左は見出せない。

以上によれば、本件商標の登録は、前記法条の規定に違反してされたものといわざるを得ないから、同法第43条の3第2項により、取り消すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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