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Trademark Appeal Case

「サイバーバンク」の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年審判第8914号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「サイバーバンク」の片仮名文字と「CYBER BANK」の欧文字とを二段に横書きしてなり、第42類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成7年8月30日に登録出願され、その後、指定役務については、同10年2月25日付け手続補正書により「宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,飲食物の提供,美容,理容,入浴施設の提供,写真の撮影,オフセット印刷,グラビア印刷,スクリーン印刷,石版印刷,凸版印刷,気象情報の提供,求人情報の提供,結婚又は交際を希望する者への異性の紹介,婚礼(結婚披露を含む。)のための施設の提供,葬儀の執行,墓地又は納骨堂の提供,一般廃棄物の収集及び処分,産業廃棄物の収集及び処分,庭園又は花壇の手入れ,庭園樹の植樹,肥料の散布,雑草の防除,有害動物の防除(農業・園芸又は林業に関するものに限る。),建築物の設計,測量,地質の調査,デザインの考案,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機のプログラム設計・作成又は保守の助言,電子計算機システム開発,電子計算機システムに関する助言,電子計算機システム利用状況の調査及び分析,電子計算機導入及び利用に関する助言,各種情報及びデータの電子計算機を用いて行う情報処理,電子計算機による計算処理,電子計算機に関する調査・分析及び試験又は研究,電子計算機のプログラムに関する調査・分析及び試験又は研究,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)の操作に関するマニュアルの作成及びデーターベース化,通信ネットワークの設計・作成又は保守,通信ネットワークの利用に関する調査・分析及び助言,通信ネットワークの利用に関する試験又は研究,電子応用機械器具の設計・作成又は保守,電子応用機械器具の試験又は研究,医薬品・化粧品又は食品の試験・検査又は研究,建築又は都市計画に関する研究,公害の防止に関する試験又は研究,電気に関する試験又は研究,土木に関する試験又は研究,農業・畜産又は水産に関する試験・検査又は研究,著作権の利用に関する契約の代理又は媒介,通訳,翻訳,施設の警備,身辺の警備,個人の身元又は行動に関する調査,あん摩・マッサージ及び指圧,きゅう,柔道整復,はり,医業,健康診断,歯科医業,調剤,栄養の指導,体力の診断,家畜の診療,保育所における乳幼児の保育,老人の養護,編機の貸与,ミシンの貸与,衣服の貸与,植木の貸与,計測器の貸与,コンバインの貸与,祭壇の貸与,自動販売機の貸与,消火器の貸与,超音波診断装置の貸与,展示施設の貸与,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)の貸与,布団の貸与,ルームクーラーの貸与」に補正されたものである。

2 原審における拒絶理由

原査定において、「本願商標は、『電子商取引の際の決済業務等を行うインターネット上に開設された銀行支店』を意味する語として用いられている『サイバーバンク』『CYBER BANK』の文字よりなるものであるから、これをその指定役務中『電子計算機の設計・作成又は保守,電子計算機システムの開発,通信ネットワークの設計』等に使用しても需要者に対し、上記システムを造るための役務であるという、役務の質を表示するものとして理解させるに止まり、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定して、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、「サイバーバンク」の片仮名文字と「CYBER BANK」の欧文字とを二段に横書きしてなるところ、その構成中、前半の「サイバー」の文字と「CYBER」の文字は、「コンピューター(ネットワーク)に関する」等の意味を有する語として、後半の「バンク」の文字及び「BANK」の文字は、「銀行」等の意味を有する語として一般に親しまれて使用されているものである。

そして、「サイバー」及び「cyber」の文字は、(a)「インターネットなどの情報通信ネットワークを利用して、仮想のビジネス空間を構築し、さまざまなサービスを提供するビジネス。」を表す「サイバービジネス(cyberbusiness)」、(b)「コンピューターネットワークの中に成立する仮想空間、情報宇宙。」を表す「サイバースペース(cyberspace)」、(c)「インターネット上で、デジタルマネーで買い物をすること。」を表す「サイバーショッピング(cybershopping)」等の複合語を構成するものとして一般に親しまれているものである。

そうとすれば、本願商標は、上記の意味を有する「サイバー」及び「CYBER」の文字と「バンク」及び「BANK」の文字とを上段及び下段でそれぞれ結合したものと容易に認識、理解されるものであり、全体として「コンピューターネットワーク上で手続きできる仮想銀行」の意味合いを容易に看取させるものである。

現に、「サイバーバンク」の文字が上記の意味合いを指す語として使用されていることは、例えば、1996年11月13日付け共同通信において「ネット上で少額決済も可能 相次ぐ代金決済サービス」の見出しのもと「・・・が八月から始めたサイバーバンクは、入会すると金額に応じプリペイド式のポイント(サイバーチップ)を発行。利用者がネット上の加盟店で買い物をする際、手持ちのサイバーチップのやり取りで決済するため少額決済も可能だ。」、1996年12月23日付け日経産業新聞(3頁)において「やることは固まりつつある。『サイバーコミュニティー(電脳社会)を形成し、電子商取引(EC)のビジネス化の研究を進めること』。ECには決済に銀行などがからむが、『手軽にどんな企業も仮想空間上で取引できるようなサイバーバンクも必要』と話す。」、1998年1月30日付け毎日新聞(西部朝刊、経済面)において「98年九州経済白書要旨」の見出しのもと「情報通信ネットワーク内で取引や相互交流を実現するサイバービジネスはほかに不動産やホテル、銀行などサービス分野にも広がっている。九州・山口の金融機関でホームページを開設しているのは19件で、サイバーバンクへの対応が進んでいる。」などと報道されていることより認められるところである。

してみれば、「サイバーバンク」の文字と「CYBER BANK」の文字からなる本願商標をその指定役務中「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守、電子計算機システム開発、電子計算機システム利用状況の調査及び分析、通信ネットワークの設計・作成又は保守」等に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「コンピューターネットワーク上で手続きできる仮想銀行に関する電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守、同電子計算機システム開発、同電子計算機システム利用状況の調査及び分析、同通信ネットワークの設計・作成又は保守」なる意味合いをもって、役務の質(内容)を表示したものと理解するにとどまり、自他役務の識別標識としての機能を有するものとは認識しないものとみるのが相当である。

したがって、本願商標を商標法第3条第1項第3号に該当するとした原査定は、妥当なものであり、これを取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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