Trademark Appeal Case
サイバーマネーの識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成10年審判第8913号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「サイバーマネー」の片仮名文字と「CYBER MONEY」の欧文字とを二段に横書きしてなり、第42類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成7年8月30日に登録出願され、その後、指定役務については、同10年2月25日付け手続補正書により「宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,飲食物の提供,美容,理容,入浴施設の提供,写真の撮影,オフセット印刷,グラビア印刷,スクリーン印刷,石版印刷,凸版印刷,気象情報の提供,求人情報の提供,結婚又は交際を希望する者への異性の紹介,婚礼(結婚披露を含む。)のための施設の提供,葬儀の執行,墓地又は納骨堂の提供,一般廃棄物の収集及び処分,産業廃棄物の収集及び処分,庭園又は花壇の手入れ,庭園樹の植樹,肥料の散布,雑草の防除,有害動物の防除(農業・園芸又は林業に関するものに限る。),建築物の設計,測量,地質の調査,デザインの考案,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機のプログラム設計・作成又は保守の助言,電子計算機システム開発,電子計算機システムに関する助言,電子計算機システム利用状況の調査及び分析,電子計算機導入及び利用に関する助言,各種情報及びデータの電子計算機を用いて行う情報処理,電子計算機による計算処理,電子計算機に関する調査・分析及び試験又は研究,電子計算機のプログラムに関する調査・分析及び試験又は研究,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)の操作に関するマニュアルの作成及びデーターベース化,通信ネットワークの設計・作成又は保守,通信ネットワークの利用に関する調査・分析及び助言,通信ネットワークの利用に関する試験又は研究,電子応用機械器具の設計・作成又は保守,電子応用機械器具の試験又は研究,医薬品・化粧品又は食品の試験・検査又は研究,建築又は都市計画に関する研究,公害の防止に関する試験又は研究,電気に関する試験又は研究,土木に関する試験又は研究,農業・畜産又は水産に関する試験・検査又は研究,著作権の利用に関する契約の代理又は媒介,通訳,翻訳,施設の警備,身辺の警備,個人の身元又は行動に関する調査,あん摩・マッサージ及び指圧,きゅう,柔道整復,はり,医業,健康診断,歯科医業,調剤,栄養の指導,体力の診断,家畜の診療,保育所における乳幼児の保育,老人の養護,編機の貸与,ミシンの貸与,衣服の貸与,植木の貸与,計測器の貸与,コンバインの貸与,祭壇の貸与,自動販売機の貸与,消火器の貸与,超音波診断装置の貸与,展示施設の貸与,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)の貸与,布団の貸与,ルームクーラーの貸与」に補正されているものである。
2 原審における拒絶理由
原査定において、「本願商標は、『インターネット上で行われる代金の決済のための電子マネー』を意味する『サイバーマネー』『CYBERMONEY』の文字よりなるものであるから、これをその指定役務中『電子計算機の設計・作成又は保守,電子計算機システムの開発,通信ネットワークの設計』等に使用しても需要者に対し、上記システムを造るための役務であるという、役務の質を表示するものとして理解させるに止まり、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定して、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、「サイバーマネー」の片仮名文字と「CYBER MONEY」の欧文字とを二段に横書きしてなるところ、その構成中、前半の「サイバー」の文字と「CYBER」の文字は、「コンピューター(ネットワーク)に関する」等の意味を有する語として、後半の「マネー」の文字及び「MONEY」の文字は、「通貨、貨幣」等の意味を有する語として一般に親しまれて使用されているものである。
そして、「サイバー」及び「cyber」の文字は、(a)「インターネットなどの情報通信ネットワークを利用して、仮想のビジネス空間を構築し、さまざまなサービスを提供するビジネス。」を表す「サイバービジネス(cyberbusiness)」、(b)「コンピューターネットワークの中に成立する仮想空間、情報宇宙。」を表す「サイバースペース(cyberspace)」、(c)「インターネット上で、デジタルマネーで買い物をすること。」を表す「サイバーショッピング(cybershopping)」等の複合語を構成するものとして一般に親しまれているものである。
そうとすれば、本願商標は、上記の意味を有する「サイバー」及び「CYBER」の文字と「マネー」及び「MONEY」の文字とを結合したものと容易に認識、理解されるものであり、全体として「コンピューターネットワーク上での決済に使用される仮想通貨」、いわゆる「電子マネー」の意味合いを看取させるものである。
現に、「サイバーマネー」の文字については、例えば、1998年8月2日付けの朝日新聞(東京朝刊、2頁)によれば、「インターネットなど『仮想空間』でも通貨が使われる。デジキャッシュとかサイバーマネーなどと呼ばれる。コンピューターネットに流通する情報の対価を、電子マネーで支払う。」と記載され、同じく、2000年5月19日付けの毎日新聞(東京夕刊、2頁)によれば、「とくに、デジタル・コンテンツの電子商取引になってきますと、サイバーマネーなどネット上で信用創造をどうやっていくのかがからんできます。銀行も考えたのですが、・・・」と記載され、同じく、1996年10月28日付けの日本経済新聞(朝刊、9頁)によれば、「・・・オランダのソフト会社、デジキャッシュが開発したeキャッシュの技術を使った電子マネーで通信販売などの代金を決済する。欧州全域に影響を持つドイツ銀行が導入するのを機に、インターネットを使った『サイバーマネー』は欧州でも急速に広がりそうだ。」とそれぞれ記載されているものである。
以上の事実によれば、「サイバーマネー」の文字は、少なくとも本願の指定役務に関する業界においては、「電子マネー」等の意味合いを有するものとして広く使用されているものというべきである。そして、「CYBER MONEY」の文字は、「電子マネー」等の意味合いを認識させる「サイバーマネー」に通じるものとみるのが相当である。
してみれば、「サイバーマネー」の文字と「CYBER MONEY」の文字からなる本願商標をその指定役務中「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守、電子計算機システム開発、電子計算機システム利用状況の調査及び分析、通信ネットワークの設計・作成又は保守」等に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「電子マネーによる決済システムに関する電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守、同電子計算機システム開発、同電子計算機システム利用状況の調査及び分析、同通信ネットワークの設計・作成又は保守」なる意味合いをもって、役務の質(内容)を表示したものと理解するにとどまり、自他役務の識別標識としての機能を有するものとは認識しないものと判断するのが相当である。
したがって、本願商標を商標法第3条第1項第3号に該当するとした原査定は、妥当なものであり、これを取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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