Trademark Appeal Case
観光地名称の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成10年審判第5394号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「門司港レトロ」の文字を書してなり、第6類「キーホルダー」を指定商品として、平成8年4月4日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由及び当審における証拠調べ結果の通知
(1)原査定は、「本願商標は、北九州市の地区名の一つで、観光地として知られている「門司港レトロ」の文字を書してなるものであるから、これをその指定商品に使用するときは単に商品の産地、販売地を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定して、本願を拒絶したものである。
(2)当審において本願について改めて証拠調べを行った結果、本願商標をなお商標法第3条第1項第3号に該当すべきものとする新たな証拠を発見したので、商標法第56条において準用する特許法第150条の規定により、請求人に対し、期間を指定して意見を述べる機会を与えて通知した証拠調べ結果の内容は以下のとおりである。
<証拠調べ結果通知書>
1.本願商標「門司港レトロ」に関して新聞記事データベース情報及びインターネット情報によれば、以下の事実が認められるところである。
(1)「大正ロマン今ここに レトロ事業の完成間近 北九州・門司港」との見出しのもと、「海峡の街・門司に、明治や大正の風景が、よみがえりつつある。古い建築物と海峡を生かし、新しい都市型観光地に生まれ変わらせる門司港のレトロ事業は、いま、建物などハード面の建設を90%終え、最終段階に入った。北九州市が年間200万人の観光客を見込むレトロ事業の現状をみた。」との記事中に用いられていること(1992.6.26付 朝日新聞朝刊西部版 25頁)。
(2)「北九州の門司港レトロ地区に『トイレ足りない』屋外たった2か所、対応遅れる」との見出しのもと、「都市型の観光拠点として北九州市が歴史的な建造物を集めて開発した同市門司区の『門司港レトロ地区』で、公衆トイレが不足しているとの苦情が殺到していることが二十日、分かった。市は、観光客が急増し始めた昨年から不足に気づいており、対応の遅れや見通しの甘さを指摘する声が出ている。レトロ地区は一九八八年度から約三百億円をかけ開発。JR門司港駅周辺に『旧門司三井倶楽部』や『旧大阪商船』などの明治、大正期の建物を昨秋までに順次復元し、今年三月二十五日にオープンした。市はポスターなどで全国にPR。ゴールデンウイーク期間中には約二十二万人が訪れたという。」との記事中に用いられていること(1995.5.21付 読売新聞朝刊西部版 26頁)。
(3)「門司港地区を観光拠点に 関門にレトロが薫る(地域の顔づくり)」との見出しのもと、「北九州市の『門司港レトロめぐり海峡めぐり推進事業』がハード面の仕上げに入った。明治、大正、昭和にかけて大陸貿易で栄えた門司港地区を、赤レンガやルネサンス様式など、六十年以上も前の歴史的建物や関門海峡の自然美を楽しめる都市型観光拠点に変える街づくりだ。同地区は沈滞が続いているだけに「活性化につながる」と、地元の期待も膨らんでいる。」との記事中に用いられていること(1993.7.26付 日本経済新聞 朝刊 25頁)。
(4)「レトロ観光10万人目 北九州・門司港」との見出しのもと、「北九州・門司港レトロ地区の歴史的建造物として開館した『旧門司三井倶楽部』の、二階有料部分への入館者が二十六日、十万人を突破し、市と市観光協会は十万人目の長崎県北有馬町の○○さんに記念品のランプ、フグ料理券を贈った。」との記事中に用いられていること(1995.10.27付 朝日新聞西部版)。
(5)「門司港レトロのの由来...『レトロ(RETRO)』とは、英語の『RETROSPECTIVE(懐古的)』を略した言葉。かつて国際貿易港として栄えた門司港には、当時の面影を偲ばせる古い街並みが残されています。この古い街並みと新しい都市機能をうまくミックスさせた都市型観光地をめざし、『門司港レトロ』と名付けられました。」との表示が用いられていること(インターネット情報...アドレス(http://www.qbiz.ne.jp/retro/mojiko.html))。
(6)「門司港レトロきっぷ お得なJRで行く門司港レトロまちめぐり! ■発売開始:平成12年9月15日 ■有効期間:1日間 ■引換場所:観光入場券との引換は、各施設(赤煉瓦ガラス美術館、オルゴールミュージアム門司港、旧門司三井倶楽部、門司港レトロ展望室)及び、門司港ホテルフロントにおいて行います。」との表示が用いられていること(インターネット情報...アドレス(http://www.jrkyushu.co.jp/travel/mojiko/mojiko.html))。
2.以上の事実に照らせば、本願商標を構成する「門司港レトロ」の文字は、本願商標出願前において既に、北九州市が都市型の観光拠点として歴史的な建造物を集めて開発し、平成7年3月にオープンした同市門司区にある地区の名称として使用されている事実が認められ、現在においても該観光地の名称として親しまれ、知られているといえるものである。
そうとすれば、請求人の「本願商標は『門司港の復古調』又は『門司港の懐古趣味』を直感し、現在の北九州市の『門司区』を意味するものでもなければ『現在の門司の港』を意味するものでもなく、商品の産地、販売地等を表示するものはない。」旨の主張にかかわらず、「門司港レトロ」の文字は、これを本願指定商品に使用するときには、取引者、需要者は、その商品が「門司港レトロ」地区において生産、販売されたものと認識するとみるのが相当である。
したがって、本願商標は、商品の産地、販売地を表示するものであって、商標法第3条第1項第3号に該当するとの原査定の拒絶の理由は妥当であって、取り消すべきものとすることはできない。
3 当審の判断
上記2(2)の証拠調べ結果通知書に対し、請求人からは所定の期間を経過するも何らの応答もなかった。
そして、本願商標は、当審の証拠調べによって発見した証拠によれば商品の産地、販売地を表示するものとみるのが相当であるから、同旨の理由により本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消す理由はない。
よって、結論のとおり審決する。
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