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Trademark Appeal Case

著名商標の混同のおそれ

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年審判第16150号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本件商標

本願商標は、「ROBERTAVINCI」の欧文字を書してなり、第24類「布製身の回り品、織物製テーブルナプキン、ふきん、かや、敷布、布団、布団カバー、布団側、まくらカバー、毛布、織物製いすカバー、織物製壁掛け、織物製ブラインド、カーテン、シャワーカーテン、テーブル掛け、どん帳、織物製トイレットシートカバー、布製ラベル、のぼり及び旗(紙製を除く。)」を指定商品として、平成9年5月22日に登録出願されたものである。

2 原査定の理由

原査定は、「本願商標は、その構成中に、イタリア国ベネティア市在住の『Roberta di Camerino』が『婦人・紳士物の衣料品』等に使用している著名な商標『ROBERTA』の文字を含むものであるから、これを出願人が指定商品に使用するときは需要者は上記会社もしくは上記会社と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように商品の出所について混同を生ずるおそれがある。

したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する」旨認定し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

1.「ROBERTA」商標の著名性

(1)別掲に示す事実関係を総合すると、「ROBERTA」の文字からなる商標(以下「ROBERTA」商標という。)は、これと綴り字を同じくする「Roberta」や片仮名表記の「ロベルタ」、さらに、これらの商標の所有者でイタリアに本社を置く会社の名称「Roberta di Camerino/ロベルタ・ディ・カメリーノ」(以下「ロベルタ社」という。)の使用と相俟って、我が国においては、遅くとも本願商標の出願前までには、ロベルタ社の取り扱いに係る商品(特に衣料品、靴、かばん類のファッション関連商品)を表示するものとして、その商品の取引者・需要者の間において広く認識され、その状態は現在に至っても継続しているものと認めることができる。

(2)請求人は、本件審判請求書において、一般消費者は「ロベルタ・ディ・カメリーノ」の名前を殆ど知っておらず、他のパリ等のオートクチュール・デザイナー程、実際に商品が売られている量もない。日本で「ロベルタ・ディ・カメリーノ」の商品といえば、赤と緑の派手な柄でベルト・デザイナの「R」をあしらった「タオル類」等がギフト店で売られているにすぎない旨主張し、証拠方法として「矢野経済研究所」の調査レポート資料等を提出している。

(3)また、請求人は、職権に基づく証拠調べ通知に対する意見書において、「Roberta di Camerino」が各種公告で宣伝されているのであれば、その事実については意見はない。しかし、文中記載されている「ROBERTA」のみの広告宣伝はありえないはずである。それは全く「Roberta di Camerino」であり、それには必ず「ネクタイ」をアレンジした「R」のマークが一体となったものであり、特に「ROBERTA」が単独で使用されているいるとは思えない。

よって、本願商標に「ROBERTA」の名前が入っていても、引用商標とは全く別のものであり、類似関係は考えられない。

そもそも「ROBERTA」はイタリアでありふれた名前であり、日本の「太郎」、「花子」に相当する名前にすぎない。

これらをもって「ROBERTA」と「Roberta di Camerino」と結びつけるのは適切でない旨主張している。

(4)しかしながら、先の職権に基づく証拠調べ通知書において示したように、請求人が主張する商標の使用態様のほかにも、「ROBERTA」や「Roberta」が単独でロベルタ社製品に多数使用されていることは明らかである(具体的な証拠については、平成12年10月16日付け職権に基づく「証拠調べ通知書」を参考)から、この点に関する請求人の主張も理由がない。

また、「ROBERTA」は、イタリアでありふれた名前であるとしても、我が国ではそのような状況を認め得る事実はなく、むしろ、商取引の実際にあっては我が国において、ありふれた名前であっても、その使用商品や使用程度・実績等により、自他商品の識別標識機能を充分に果たす場合があるというべきである。そうすると、「ROBERTA」商標は、それがイタリアの一般的なありふれた名前であるかどうかの認識の程度に関係なく、上記認定のとおり、我が国においてロベルタ社の取り扱いに係る商品に広く使用された結果、自他商品の識別標識としての機能を充分に備えた著名商標といえるものであるから、請求人の上記主張は理由がない。

2.出所の混同を生ずるおそれについて

(1)本願商標は、前記のとおり、「ROBERTAVINCI」の文字を書してなるものであるところ、その構成中前半部の「ROBERTA」の文字が上記1.で述べたように著名商標といえるものであり、また、「ROBERTAVINCI」全体をもって、一般に親しまれた特定の熟語や特定の人名を表すものとは認められないから、本願商標はその構成中に「ROBERTA」の文字を含んでなるものと容易に理解、把握されるものである。

そうとすると、本願商標の指定商品中には、「タオル、ハンカチ」等のファッション関連商品といえるものが多数含まれており、本願商標がこれらの商品に使用された場合には、これに接する取引者・需要者は、ロベルタ社の著名商標と共通の「ROBERTA」の文字部分に着目し、同時に、「ロベルタ」(「ROBERTA」・「Roberta」)と呼ばれる著名ブランドあるいはその姉妹ブランドを連想し、その商品がロベルタ社又は同人と組織的・経済的に何らかの関係ある者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるというべきである。そして、この出所の混同を生ずるおそれは、本願商標の出願時はもとより、現在(審決時)においても認められるものである。

(2)この点に関し、請求人は、「ROBERTA」や「Roberta」の各文字を一部に有する商標が多数登録されており、本願商標はこれと同種のものであり、その登録が拒絶されることは、特許庁の見解に統一性がなく、商標行政を混乱させるものである旨主張しいてる。

しかしながら、「ROBERTA」や「Roberta」の語を含む商標の登録が他に存在することは否定しないものの、それらの商標と本願商標とは、その構成や判断時点、証拠等を異にするものである。また、それらの商標がロベルタ社によって使用される一連の「ROBERTA」商標(「Roberta」及び「ロベルタ」を含む。以下同じ)と明確に区別されていると認めるに足る証左はなく、むしろ、上記認定のとおり、「ROBERTA」商標が署名である事実に照らせば、取引者・需要者が、「ROBERTA」の語を含む商標について、ロベルタ社の取り扱いに係る商品を表示するものであって、それが付された商標を著名な「ROBERTA」商標あるいはその姉妹ブランドであると誤解している可能性も否定できないものというべきである。

そうである以上、「ROBERTA」又は「Roberta」の語を含む商標が多数登録されていることをもって、本願商標についての上記出所の混同を生ずるおそれの阻却理由にはならないし、そのような商標の登録の拒絶は、商取引の秩序の維持や需要者の利益保護を図る商標法の目的にも適うものであるから、結局、請求人の上記主張は理由がないものといわざるを得ない。

3.結語

以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するといわざるを得ないから、その理由をもって本願を拒絶した原査定は、取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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