Trademark Appeal Case
「ナビパッケージ」の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成10年審判第12968号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本出願に係る商標(以下、「本願商標」という。)は、後掲したとおり「ナビパッケージ」の片仮名文字を横書きしてなり、第12類「船舶並びにその部品及び附属品(「エアクッション艇」を除く。),航空機並びにその部品及び附属品,自動車並びにその部品及び附属品,陸上の乗物用の動力機械器具,陸上の乗物用の機械要素,陸上の乗物用の交流電動機又は直流電動機,乗物用盗難警報器」を指定商品として、平成9年3月25日に登録出願されたものである。
2 原査定における拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『カーナビ』の略称『ナビ』の文字と『パッケージ』の文字とで『ナビパッケージ』と書してなるが、指定商品を取り扱う業界においては、いくつかのオプションパーツをひとまとめにしたものを表すものとして『パッケージ』の文字を使用している事実があることから、これをその指定商品中、『前記オプショナルパーツをつけた商品』に使用しても、『カーナビをオプショナルパーツとしてつけたもの』であるという商品の品質、種類を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」として、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
近頃、「カーナビゲーション(システム)」または「カーナビ」と称する車載用電子航法装置、すなわち、「カーナビゲーションに代表される電子航法システム。コンピューターに記録した地図情報と衛星電波を利用した位置検出装置(GPS)を組み合わせて、車や飛行機の現在地の表示や自動操縦を行う。車載用では、CD−ROMに地図や道路情報、観光ガイドなど各種の案内情報を収録した製品が発売されている。衛星電波や地磁気を利用してディスプレイの地図上に車の現在位置を示し、目的地までの経路を案内する。・・・」(日経BP社1998年発行日経パソコン新語辞典99年版「ナビゲーションシステム」の項より)が急速に普及しつつある現今、自動車メーカーまたは自動車販売を業とする事業者は、それぞれに当該車種に係る自動車の装備品目またはいわゆるオプション用品として、該航法装置を喧伝しているのが実情である。
そして、車載用電子航法装置またはナビゲーションシステム機器類は、その機構(構造)・機能・方式またはその技術分野ないし生産事情(製造者等)よりして、電気通信機械器具の範疇に属する商品(現行第9類所属商品,因みに、標章の登録のための商品およびサービスの所属区分を定めた国際分類のアルファベット順一覧表掲載の第9類「navigasional instruments(ナビゲーション装置)」に対応しまたはそれと同種の商品と認められる。)というべき商品であって、それら特徴よりして本願指定商品とする輸送用機器類とは本質的に別個のものではあるが、専ら、船舶、航空機または自動車等の輸送用機器類に搭載され使用されるという点で両者は密接に関連する商品といえる。
ところで、これら車載用電子航法装置またはナビゲーションシステム機器類に関連する自動車関連業界の実情をみると、たとえば、(1)「自動車−エーエムジー・ジャパン・・・小型車『サターン マルチDVDナビパッケージ』・・・DVD(デジタル多用途ディスク)方式のカーナビゲーションシステムを搭載した特別限定車」(2000.9.1日付日経新聞)、(2)「ヤナセ(東京・港)は・・・オペルの特別仕様車『ベクトラセダン カーナビパッケージ』を発売する。・・・製のカーナビゲーションシステム・・・を装備した。・・・」(1997.5.29日付日経産業新聞)の如く当該ナビゲーション(システム)機器を「ナビパッケージ」と称しまたは当該仕様に係る車種を紹介している事実があり、また、そのほか、請求人またはその関連販売会社に係る車種について「ナビパッケージ装着車」と称し紹介している日刊紙または業界新聞も見出すことができる。
さらに、いわゆるパソコン通信を介して得られる自動車またはその販売会社に係るインターネット・ホームページ情報によれば、請求人またはその関連販売会社に係るものを除いても、たとえば「ホンダ」、「三菱」等の自動車メーカーほか外国車に係るナビゲーション(システム)装備搭載車種の仕様として「ナビパッケージ」、「ナビ・パッケージ」と呼称している状況が屡々見受けられる。
以上によれば、自動車または車載関連用品を取り扱う当業者ないしこの種車載用機器類の取引者・需要者間においては、「ナビパッケージ」の文字(語)をカーナビゲーション(システム)関連機器類一式またはこれにさらにオーディオ機器類等を組み合わせて一体化した機器類一式を指称するものとして取引上普通に使用しているものと認められる。
そして、前述車載用電子航法装置またはナビゲーションシステム機器類は、もともと船舶、航空機の航行用のものを応用・実用化したものであり、本願指定商品とする輸送用機器類とは利用関係にあるという点において両商品が密接に関連するものであること前記したとおりである。
そうすると、本願商標(「ナビパッケージ」)をその指定商品中の車載用電子航法装置またはナビゲーションシステム機器ないしはこれにオーディオ機器類等を組み合わせて一体化した機器を装備しまたは当該装備仕様の自動車について使用した場合、これに接する取引者・需要者は該商品の品質(機能)を表示したものと理解するに止まり、自他商品の識別標識とは認識し得ないものといわなければならない。そして、これを前記装備仕様のものでない商品について使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるといわなければならない。
してみれば、本願商標は、商標法第3条第1項第3号および同法第4条第1項第16号に該当するものといわざるを得ないから、これと同旨の理由をもって本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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