Trademark Appeal Case
称呼類似の判断
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成11年審判第16927号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1.本件商標
本願商標は、「SEPRACOR」の欧文字を書してなり、1997年10月20日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づいて、パリ条約第4条の規定により優先権を主張し、第5類「ぜんそくを含む呼吸不全の治療及び/又は軽減のための薬剤、アレルギーの治療及び/又は軽減のための薬剤、尿失禁の治療及び/又は軽減のための薬剤、その他の薬剤」を指定商品とし、平成8年12月12日に登録出願されたものである。
2.原査定の理由
原査定において、本願の拒絶の理由に引用された登録第1728864号商標(以下、「引用商標」という。)は「セフラコール」の片仮名文字を書してなり、第1類「化学品、薬剤、医療補助品」を指定商品として、昭和57年1月20日に登録出願、昭和59年11月27日に設定登録され、その後、平成6年10月28日に商標権の存続期間の更新登録がなされているものである。
3.当審の判断
そこで、本願商標と引用商標との類否について判断するに、本願商標は、「SEPRACOR」の文字を書してなるものであるが、これは特定の読み及び特定の意味合いを有する成語とはいえないところ、本願商標の指定商品が「薬剤」であってみれば、この種商品を取り扱う業界にあっては、英語のみならず、ドイツ語も多く使用されているから、本願商標に接する看者はドイツ語風の読みをもって称呼する場合も決して少なくないもと判断するのが相当である。
そして、請求人(出願人)は、「SEPRACOR」の文字は、薬剤については請求人の著名な略称であるから、これより「セプレイカー」の称呼を生じ、「セプレイカー社」の商品であるとの観念を生ずる旨主張している。 しかして、「2000年版外国会社年鑑(日本経済新聞社)」によれば、請求人は、「Sepracor Inc.」と表示され、「111 Locke Drive、Marlborough、MA 01752」に本社を有し、「T.J.Barberich」を社長とし、「セプラコー」と表記される米国の医薬品取り扱い企業である旨紹介されているところ、例えば、1988年12月14日付け日刊工業新聞には、「田辺製薬(社長足立慶次郎氏)は十三日、米国の衣料品の研究開発型ベンチャービジネス「セプラコール社」(マサチューセッツ州マールボロー、社長ティモシー・j・バーベリッチ氏)とバイオリアクター技術を応用する光学活性医薬品の製造技術の共同研究契約を締結したと発表した。」旨の記事がみられ、同じく、1990年8月21日付け日本経済新聞には、「長瀬産業は米国のベンチャー企業、セプラコール社(本社マサチューセッツ州)から、キラル化合物に関する独占販売代理権を取得するとともに共同開発契約を結んだ」旨の記事がみられ、同じく、1995年2月14日付け流通サービス新聞には、「長瀬産業はセプラコール社の装置を自ら導入、キラル化合物を製造・販売する。」旨の記事がみられる。
そうしてみると、請求人を表す「Sepracor Inc.」は、請求人の意志とは関わりなく、「セプラコール社」と理解され、把握されているものと判断し得るものであるから、請求人の取り扱い商品に「SEPRACOR」の文字よりなる本願商標を付して使用するときには、その商品の関係からして、単に、「セプラコール」と読まれる場合も少なくないといわざるを得ない。
そうとすれば、「SEPRACOR」の文字を書してなる本願商標は、その構成文字に相応して、「セプラコール」と称呼され、特定の観念を生じない造語よりなるものである。
これに対し、引用商標は、「セフラコール」の文字を書してなるから、その構成文字に相応して、「セフラコール」の称呼を生ずるものであり、特定の観念を有しない造語よりなるものである。
そこで、本願商標より生ずる称呼「セプラコール」と引用商標より生ずる称呼「セフラコール」とを比較するに、両者は共に6音構成よりなり、6音中5音を共通にし、異なるところは、第2音において、「プ」と「フ」にあるが、この差異する音とても、いずれも母音「ウ」を同じくする半濁音と清音との近似した音にすぎず、それぞれを一連に称呼するときには、ともに特定の観念を伴わないこととも相俟って、その語調、語感が近似したものとなり彼此相紛らわしいものである。
したがって、本願商標と引用商標とは、外観において差異を有し、観念において比較することができないとしても、両者は称呼上類似する商標であり、全体として、互いに相紛れるおそれがあり、かつ、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品を含んでいるものであるから、結局、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し登録することはできない。
なお、請求人は、引用商標について譲渡交渉中である旨述べているが、特許庁備え付けの商標登録原簿をみるに、相当の期間を経過するも未だ譲渡の事実をみることはできないので、上記のように判断した。
よって、結論のとおり審決する。
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