結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2000−30137(T2000−30137/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第1894135号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおり「ings」の欧文字を表してなり、第17類「被服、布製身回品、寝具類」を指定商品として、昭和59年4月24日に登録出願、同61年9月29日に登録されたものである。
請求人は、本件商標の指定商品中「被服」について登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第5号証を提出した。
(1)請求の理由
本件商標は、その指定商品中「被服」について、継続して3年以上日本国内において使用された事実が存しないから、商標法50条第1項の規定により取り消されるべきものである
(2)被請求人の答弁に対する弁駁
被請求人が提出した証拠方法は、通常使用権者が本件商標を本件審判の請求前3年以内に使用している事実の証明とはなり得ない。
乙第2号証及び乙第4号証の各写真の撮影年月日は、本件商標の使用の態様を明示するために本件審判事件の書類送達の後に撮影したものであるから、乙第3号証の領収書に示されるスポーツシャツに、本件商標が使用されていたことの証明となるものではない。
乙第3号証の領収書に印刷されている「Hankyu」および「ings」の標章は、単に「阪急イングス」自体のマークを広告・宣伝するためのみの目的で使用されているものであり、本件取消商品について使用されているものでないことは明らかである。
本件商標に係る商品を取り扱う業界においては、百貨店・アパレルともに各社各様の商品品番による管理を行っており、そのため1つの商品であっても店頭においてアパレル側の商品品番が表示してあるブランドタグと百貨店の商品品番が表示してある値札が商品に貼付されているのが現状であり、つまり、1商品に2枚のタグが貼られ、一つはブランドつまり商標を構成するもの、もう一つは単なる百貨店管理用のものである。
本件の場合、被請求人の主張しているものは、まさにここで言うところの後者、つまり百貨店管理用のタグに過ぎず、これに付した標章が商標を構成するとは到底いうことができない。被請求人が提出している乙第2号証の商品に使用・表示されている商標は、あくまでも「FILA」であり、一般需要者がこれを「FILA」の商品と認識せずにいることは到底あり得ない。
被請求人は、結論同旨の審決を求める、と答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第4号証(枝番号を含む)を提出した。
(1)本件商標はその指定商品中、本件取消商品について、審判請求の日前3年間に日本国内において使用しているので、その使用事実についての一部であるが以下に提示する。
乙第1号証は、本件商標に関する「商標使用許諾契約書」の写である。この乙第1号証は平成10年10月28日付で締結した権利者である被請求人と大阪市北区角田町8番7号に所在する株式会社阪急百貨店(以下「通常使用権者」という。)との間で平成10年11月17日から平成12年11月16日までの2年間有効の本件商標の通常使用権許諾についての契約書である。
この契約書に記載されている使用許諾商品「スポーツシャツ、ポロシャツ、Tシャツ、ソックス、帽子、タオル」について、「タオル」を除いて本件審判事件における取消商品である「被服」に包含されるものであり、いずれも本件商標の指定商品中の商品であることは自明である。
なお、契約書類は本件審判事件において審判請求の日前3年以内の使用を証明すれば十分であるのでその他の書類の提出を控えるが、本件商標は、通常使用権者が経営する「阪急イングス」での使用のために権利取得の要請を受けて登録出願したものであり、設定登録と同時に使用許諾契約を締結し、その後、使用許諾の更新を重ねて今日まで継続しているのである。
乙第2号証は、本件商標の使用許諾商品のうち商品「スポーツシャツ」について撮影した写真である。
乙第2号証の1は、商品が売り場で販売されている状態から透明ビニル袋のみを外して撮影した写真である。透明ビニル袋に入れた状態ではライトによりハレーションを起こし、不鮮明となるために外したのであり、折りたたまれているが、この写真から撮影された商品がスポーツシャツであることは明らかである。乙第2号証の2は同スポーツシャツのボタンホールに取り付けられているタッグと定価表の部分を撮影した写真であり、この定価表の左上部に商標「ings」が登録された態様と同一の態様で表示・使用されているのであり、それ以外に「7223 7603 0070 0」「¥8,900」等がはっきりと読み取れる。乙第2号証の3は商品「スポーツシャツ」を購買者が持ち帰りに使用している簡易包装袋から当該商品を少し取り出した状態の写真であり、この簡易包装袋にも「ings」が登録された態様と同一の態様で表示・使用されている。
乙第3号証は、阪急イングスにおいて商品「スポーツシャツ」を購入した際、購買者に渡された領収書であり、この領収書には「ings」のマークの他に、「1999年10月1日(金)13:25No:1134」「スポーツシャツ」「7223‐7603‐00700 」「@8,9001コ ¥8,900」「小計1点 ¥8,900」「消費税等(外税)¥445」「合計 ¥9,345」が印字されている。
すなわち、この領収書は1999年(平成11年)10月1日午後1時25分に商品番号7223‐7603‐00700のスポーツシャツ1枚を阪急イングスで購入し、商品代金8,900円と消費税445円、合計9,345円を支払ったことを示しているのである。この領収書に印字されている商品番号および定価は、乙第2号証の2に撮影された商品「スポーツシャツ」の定価表に表示されているのと合致するものであり、係る商品の領収書であることが明らかである。
乙第4号証の1〜3は阪急イングスで使用している前提示の簡易包装袋以外の包装紙、包装紙袋および買物袋のそれぞれの写真である。
これら商品の包装部材に商標「ings」を表示・使用しうるということは、「ings」の使用権を有しているから可能なのであり、これら包装部材の使用態様は登録された態様と同一の態様で表示されているのである。
上記乙各号証から明らかなように、本件商標は通常使用権者が自ら経営する阪急イングスにおいて、登録の態様と同一の態様にて指定商品中の商品「被服」の定価表及び簡易包装袋、包装紙、包装紙袋および買物袋に使用されているのであり、しかも、本件審判事件の請求前3年以内に使用されていたことが明らかである。
乙第1号証は、被請求人と「株式会社阪急百貨店」との間の商標使用許諾契約書である。同契約書によれば、「株式会社阪急百貨店」は、本件商標をその指定商品中の「スポーツシャツ,ポロシャツ,Tシャツ,ソックス,帽子,タオル」について、平成10年11月17日から平成12年11月16日まで使用する通常使用権を有するものである。
また、乙第3号証の1999年10月1日付「阪急イングス」の領収書に記載されている商品名「スポーツシャツ」の商品番号及び販売価格と乙第2号証の1、2の写真に写っているスポーツシャツ(婦人物)に付けられている左側のタグに記載の商品番号及び販売価格が一致しているものであるから、1999年(平成11年)10月1日に、乙第2号証1ないし3の写真の商品「スポーツシャツ(婦人物)」と同じものが、阪急百貨店が経営する「阪急イングス」で販売されていたものとみるのが相当である。
そして、乙2号証の1、2の写真に写っているスポーツシャツ(婦人物)に付けられている左側のタグの左上端に表示されている「ings」の文字からなる商標と本件商標は、社会通念上同一といえるものである。
さらに、乙第3号証の領収書には本件商標と同一といえる「ings」の文字が独立して見える状態で表示されており、販売した商品を示す「スポーツシャツ」の文字、販売日を表す「1999年10月1日(金」)」の文字などが表示されている。そして、前記の領収書は取引書類といえるものあり、そこに表示されている前記「ings」の文字は、販売業者である「阪急イングス」が使用の商標として取引者・需要者に認識されるものと認められるから、スポーツシャツに関する取引書類に本件商標を使用したものということができる。
以上によれば、本件商標は、本件審判の請求の登録(平成12年3月15日予告登録)前3年以内の平成11年10月1日に、本件請求に係る指定商品「被服」に含まれるスポーツシャツについて、通常使用権者である「株式会社阪急百貨店」により、日本国内において使用されていたものと認められる。
ところで、請求人は、乙第2号証の1ないし3の写真によっては、本件商標の使用時期を証明できない旨主張する。
しかし、乙第3号証の1999年10月1日付「阪急イングス」の領収書に記載されている商品名「スポーツシャツ」の商品番号及び販売価格と乙第2号証の1、2の写真に写っているスポーツシャツ(婦人物)に付けられている左側のタグに記載の商品番号及び販売価格が一致していること、また、乙第2号証1ないし3の写真が本件審判請求後の平成12年6月1日に撮影されたものであるとしても、前記領収書が発行された1999年(平成11年)10月1日から写真の撮影まで、8カ月しか経過していないことからすると、前記のとおり本件商標の使用時期が認定できるものである。
したがって、本件商標登録は、請求に係る指定商品「被服」について、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。
よって結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。