結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成11年審判第30180号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第2325691号商標(以下、「本件商標」という。)は、後掲の(1)に示すとおりの構成よりなり、昭和63年11月8日に登録出願、第21類「バック、その他本類に属する商品」を指定商品として、平成3年7月31日に設定の登録がなされたものである。
また、平成8年法律第68号(以下、「改正法」という。)による改正前の商標法において本件商標と相互に連合する登録第2527329号商標(以下、「本件連合商標」という。)は、後掲の(2)に示すとおりの構成よりなり、平成2年9月3日に登録出願、第21類「バック、その他本類に属する商品」を指定商品として、平成5年4月28日に設定の登録がなされたものである。
請求人は、「本件商標の指定商品中『バック及びその類似商品』の登録はこれを取り消す、審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求めると申立て、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第6号証を提出した。
(1)請求の理由
本件商標は、その商標登録原簿の記載より明らかなとおり専用使用権又は通常使用権の設定の登録はなされていない。また、請求人は、本件商標が請求に係る指定商品について使用された事実については不知である。
したがって、被請求人において請求に係る指定商品に、本件商標の使用事実の証明がなされないと、本件商標は、商標法第50条第1項に規定する「継続して3年以上日本国内において商標権者等が指定商品についての登録商標の使用をしていない」の要件に該当し、その登録は、取消を免れ得ない。
(2)被請求人の答弁に対する弁駁
(ア)本件商標の使用について
本件商標は「ManhattanPortage」の欧文字を横書きし、これの上部に米国ニューヨーク市の摩天楼と称せられるビル群を恰も霧の中から浮かび上がって見えたかの如くに描いてなるものである。
また、被請求人が本件商標の連合商標として掲げる本件連合商標は、上記の図形部分、即ち、浮かび上がった摩天楼図形のみからなるものである。
被請求人は、許諾により株式会社レジャープロダクツ(以下、「使用者」という。)が通常使用権者として使用していると主張する。しかし、被請求人が提出の全証拠を精査するも、使用者が商品バック等の製造販売をしていることが窺えるに止まるものである。
しかし、百歩譲って答弁の全体を検討しても適法な本件商標の使用とは到底考えられない。
被請求人の提出した乙第2号証のカタログは、使用者が営業所所在地で作成したものと主張するが、使用者が係る住所に営業所を有していたことは何等立証されていない。
しかして、乙第2号証第2頁及び第3頁に記されているのは、「MANHATTANNPORTAGE」の文字のみであって図形部分は前記文字の上部に描かれていないから、本件商標の使用とはいえない。
即ち、「図形」と「文字」からなる登録商標において、その一方のみの使用では、当該登録商標の使用とは認められないことは、「ダイヤメツトリング事件」(昭和55年(行ケ)第337号/昭和55年9月30日判決)にも示されているところであり、これに反する使用の証拠写真等は認められない。
また、乙第2号証の図形部分は水平線の上に摩天楼と称せられるビル群を描くものであって、本件商標の如く浮かび上がった摩天楼図形とは明らかに相違し、本件商標と使用標章とは同一性を有しないものである。
次に、同第4頁左下に「マンハッタンパッセージ社は1972年の設立以来、旅と仕事をコンセプトにシティ感覚のソフトバックを生産しています。今ニューヨーカーに高い人気を得ているのがこの赤ラベルシリーズです。」と明記されている。即ち、使用者はマンハッタンパッセージ社との取引関係に則り上記赤ラベルで示される標章を使用していることを推認させる。
そうであるならば、当然に使用者とマンハッタンパッセージ社との間で使用権等の契約が取り交わされているはずであるから、請求人は当該契約書の提出を要求する。
乙第3号証については、本件商標が図形と文字を上下に組み合わせた構成態様からなる以上は、「MANHATTANPORTAGE」の文字と図形とを横一列に交互に配しての使用は本件商標の使用に該当しない。
また、使用標章に表された図形は、下部に吊り橋のデザインを新たに付加してなり、上部のビル群も本件商標等とはその配置を異にするものであって、短絡的に「同視される図形」とは到底考えられない。
したがって、単に本件商標に類似する標章の使用は、本件商標の使用には該当しないものである。
乙第4号証に示された標章の使用態様も吊り橋のデザインが新たに付加されている等、上記乙第3号証と同様に図形部分が本件商標との同一性を有していないから、本件商標の使用とはいえない。
乙第5号証ないし乙第9号証については、いずれも乙第3号証と同一の商標が付されたもので、本件商標の使用でないこと上述のとおりである。
乙第10号証ないし乙第16号証中に本件商標は付されていないばかりか、乙第2号証ないし乙第9号証までにおいても本件商標の適法な使用がなされていないことから、かかる号証をもってその取引が如何に行われていようとも本件商標の使用を立証するものにはならない。
(イ)連合商標の使用について
連合商標の特例は、連合商標と同一性のある標章が使用されている場合に限り適用されるものであって、連合商標と同一性がない標章を使用しているにもかかわらず、連合商標の特例を受けることはできない。
しかして、乙第2号証に示された標章は、水平線の上に摩天楼と称せられるビル群を描くものであって、本件連合商標の如く浮かび上がった摩天楼図形とは明らかに相違するものであるから、両者は到底同視される図形とはいえない。
したがって、乙第2号証をもっては適法な連合商標の使用とはいえない。
乙第18号証ないし乙第20号証は、上記乙第2号証の標章と構図は同じであるが、かえって水平線を太く強調した標章が示されたのみで、本件連合商標の使用でないこと上述のとおりである。
乙第21号証ないし乙第25号証を含み本件連合商標と同視され得る図形標章の使用は皆無であるから、使用者において取引が如何に行われていようとも連合商標の使用を立証することにはならない。
以上、「被請求人たる権利者と使用者とは、商標の使用について法律的な関係が明確でない点」及び「使用標章は、本件商標と同一性がなく、同様に本件連合商標も同一性がない点」の2点の事実から見て商標法第50条第1項の取消の要件を覆す答弁及び各乙号証ではないこと明白である。
被請求人は、結論同旨の審決を求める、と答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第30号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)答弁の理由
本件商標は、請求人が取消しを請求した指定商品中の「バック及びかばん類」について使用しているので、登録を取り消されるべき理由はない。
本件商標は、被請求人である「網野越朗」が商標権者であるが、被請求人は、東京都小平市小川東町五丁目13番17号に所在する使用者(株式会社レジャープロダクツ)の代表取締役であり、本件商標に係る商品は、使用者が製造販売をしているところから、本件商標は、許諾された通常使用権者による使用である。
また、本件連合商標を継続して使用しているので、この事実によっても本件商標の使用を証明し得る。
(ア)本件商標の使用について
乙第2号証は、使用者の取り扱いに係る商品についてのカタログである。このカタログは、平成5年に作成したものであり、現在も商品カタログとして使用している。このことは、カタログ裏面の会社住所が、本店移転前の営業所所在地になっているので、本店移転日の平成8年8月20日以前の作成に係ることは明らかである。
乙第2号証カタログ第2頁ないし第3頁に、本件商標を使用した商品である「バック類」が掲載されている。
使用者が取り扱う本件商標に係る商品は、商品の写真と共に掲載されているように、下記の商品名からなる4点が主要商品となっている。
イ.「フリーハンズトラベラー」商品番号#3040
ロ.「マンハッタン トート」商品番号#3010
ハ.「サイズアップ キャリーオン」商品番号#3020
ニ.「タフトラベラー」商品番号#3030
乙第3号証は、上記「口.」の商品の写真であって、バックの開ロ部のやや下方に、開ロ部の周りにぐるりと「MANHATTANNPORTAGE」の文字とビル群の図形を交互に配している。図形が本件商標の図形部分とは細部においてやや異なっているが、本件商標とは外観において同視される図形からなっている。
乙第4号証は、上記「ハ.」の商品の写真であって、前ポケットの隅部と革製のタグに、本件商標を付している。但し、図形部分が本件商標とは細部においてやや異なっているが、本件商標とは外観において同視される図形からなっている。
乙第5号証は、JAL GROUPの日航商事株式会社のカタログ「1996 THE BEST selection」であり、第13頁に「マンハッタン・トートバック」が掲載されている。そして、商品番号64088は、このカタログ上の商品番号であり、乙第2号証及び乙第3号証から明らかなように、使用者の商品番号#3010の「マンハンタン トート」と同一商品である。
乙第6号証は、乙第5号証と同様、日航商事株式会社の通信販売用のカタログであり、平成9年度版になる「1997 THEBEST selection」である。そして、第7頁に「マンハッタン・トートバック」が掲載されているが、商品番号73058は、このカタログ上の商品番号であり、乙第2号証及び乙第3号証から明らかなように、使用者の商品番号#3010の「マンハッタン トート」と同一商品である。
乙第7号証は、クレジットカードとして著名な「DC カード」を取り扱っている株式会社ディーシーカードが発行する通信販売用カタログ「DCMail」の1996年(平成8年)3月版であって、このカタログでも「マンハッタントート・レデイスバック」が取り扱われており、この商品も乙第2号証及び乙第3号証から明らかなように、商品番号#3010の「マンハッタン トート」と同一商品である。
乙第8号証は、株式会社ディーシーカードが発行する情報誌「THE CARD」の1996年(平成8年)12月号であり、この雑誌中の通信販売用の商品掲載頁にも「マンハッタントートレデイスバック」が掲載されており、使用者が取り扱う商品番号#3010の「マンハッタン トート」と同一商品であること明らかである。
乙第9号証も株式会社デイシーカードが発行する情報誌「THE CARD」の1997年(平成9年)6月号であり、ここでも「マンハッタントートレデイスバック」が掲載されており、DCカードでは継続してレジャープロダクツの商品「マンハッタン トート」が取り扱われている。
乙第10号証ないし乙第14号証は、注文書、納品書等の取引書類の写真とその写しを証拠とするものであって、乙第10号証は、1996年(平成8年)8月23日に株式会社東急ハンズ 横浜店に納品・販売した書類で、乙10号証の2は、佐川急便の送り状(控)であり、乙第10号証の3は、乙第2号証カタログ掲載の商品番号#3040の「フリーハンズトラベラー」30個他の納品書である。
乙第11号証は、乙第5号証カタログ発行の日航商事株式会社との取引書類であり、1996年(平成8年)11月27日付発行の「御注文書」により、乙第5号証カタログ掲載の商品番号64088の「マンハッタントートバック」50個の注文を受け、佐川急便を利用して納品先である「日航ロジステイクス倉庫」に納品した。
なお、日航商事株式会社との取引においては、同社の「御注文書」の発行に先立ち、電話による注文が入るので、それに従い商品を送った後に「御注文書」が送られてくることになっている。したがって、佐川急便の送り状が日航商事株式会社の「御注文書」より数日早くなっているのは、そのような理由によるものである。
乙第12号証及び乙第13号証も日航商事株式会社との取引書類であり、乙第5号証若しくは乙第6号証カタログ掲載の商品「マンハッタントートバッグ」について、1997年(平成9年)3月18日及び同年10月31日に注文を受け、佐川急便を利用して「日航ロジステイクス倉庫」に納品したものである。
乙第14号証は、株式会社センゾーとの取引書類であり、1997年(平成9年)2月17日に、乙第2号証カタログ掲載の商品番号#3020の「サイズアップキャリーオン」について24個の注文を受けたので、同年2月21日に佐川急便を利用して納品・販売したものである。
乙第15号証の1ないし8は、1996年(平成8年)5月1日からの販売先別の「商品別・売上明細表」であり、乙第10号証ないし乙第14号証の取引書類と対応するものを抜粋して提出する。それぞれに乙第2号証掲載の商品番号と商品名が記載されている。
乙第16号証の1ないし7は、1996年(平成8年)8月1日からの「商品別・在庫一覧表」を抜粋して提出するものである。これにも乙第2号証掲載の商品番号と商品名が記載されている。
上記乙第2号証ないし乙第16号証によって、乙第2号証カタログ掲載の各商品及び乙第3号証及び乙第4号証の各商品を、通常使用権者である株式会社レジャープロダクツが、本件取消審判請求の登録日である平成11年3月3日前3年以内に継続して販売している事実を証明し得る。
また、これらの商品には、本件商標の文字部分については、書体のみに変更を加えた同一の文字を使用し、図形部分については、外観において同視される図形からなる標章を使用していることも明らかである。
(イ)連合商標の使用について
被請求人は、本件商標の図形部分の図形と同一の標章からなる本件連合商標を所有しており、改正法前において連合商標として登録されていたので、改正法附則第10条第2項の規定により、本件連合商標が、改正法施行前である平成9年3月31日までに使用していたことを併せて説明し、改正法前商標法第50条第2項の規定による連合商標の使用の事実を証明する。
乙第2号証カタログの表紙と第4頁左下に四角の赤地に本件連合商標と同一の図形からなる標章とその下段に「ManhattanPassage」の文字を使用した商標が表示されている。
そして、本件連合商標を使用した各種バック類は、第4頁ないし第7頁に掲載されている。また、本件連合商標を使用した商品についても本件商標に係るものと同様、使用者の製造販売に係るものであり、本件連合商標も通常使用権者である使用者が使用しているものである。
乙第18号証は、乙第2号証カタログ掲載の商品番号#2785の「サイズアップトラベルギア 3ウェイバック」の商品写真であって、商品のタグ及び商品の正面中央に直接、本件連合商標を使用している。
乙第19号証は、乙第2号証カタログ掲載の商品番号#2750の「オリジナルクーリア 3WAY バック」の商品写真であって、商品のタグ及び商品正面左下に本件連合商標を使用している。
乙第20号証は、乙第2号証カタログ掲載の商品番号#2720の「シティー 3ウェイバック」の商品写真であって、商品のタグと商品のフラップ部分に本件連合商標を使用している。
乙第21号証は、1996年(平成8年)10月14日に、株式会社東北丸正に商品番号#2720「シティー 3ウェイバック」を納品した佐川急便の送り状(控)と納品書(控)である。
乙第22号証は、1996年(平成8年)10月18日に株式会社ロンド アイドルKに、乙第18号証ないし乙第20号証の商品その他を納品・販売した。
乙第23号証は、1996年(平成8年)10月18日に至誠堂アオキAIR AGEに納品・販売した書類であり、乙第19号証の「オリジナルクーリア 3WAYバック」が含まれている。
乙第24号証は、1997年(平成9年)3月4日に、ジヨン・オム株式会社に納品・販売した書類であり、乙第19号証及び乙第20号証の商品が含まれている。
乙第25号証は、「商品別・売上明細表」であり、乙第25号証の1は、乙第22号証に、乙第25号証の2は、乙第23号証に、乙第25号証の3は、乙第24号証に及び乙第25号証の4は、乙第21号証に、各々の取引書類に対応するものである。
以上の乙第17号証ないし乙第25号証によって、本件連合商標が平成9年3月31日前に継続して使用されていたことが証明し得たものである。
(3)したがって、各乙号証によって、本件商標は、通常使用権者である株式会社レジャープロダクツが本件請求の登録前3年以内に、同社の取り扱いに係る各種バック類に継続して使用していることを証明し得たものと確信する。
よって、本件商標の指定商品中、請求人が取消しを求めた商品「バック及びその類似商品」について、商標法第50条の規定により取り消される理由はない。
(1)本件連合商標の使用について
商標法第50条による商標登録の取り消し審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、その請求に係る指定商品について当該商標を使用していることを証明し、または使用していないことについて正当な理由があることを明確にしない限り、その登録の取り消しを免れないところ、本件審判において、被請求人は、本件商標の図形部分の図形と同一の標章からなる本件連合商標を所有しており、改正法前において連合商標として登録されていたので、改正法附則第10条第2項の規定(連合商標の使用に関する特則の廃止に伴う経過措置)により、本件連合商標が、改正法施行前である平成9年3月31日までに使用していたことを併せて説明し、改正法前商標法第50条第2項の規定による連合商標の使用の事実を証明する旨、答弁している。
そこで、被請求人提出の乙各号証を徴するに、「Travel&Leisure」と題する商品カタログ(乙第2号証)の表紙に赤地の布製ラベルに刺繍された如き「乱立するビル群を表した図形」とその下部の分界二重線内に「ManhattanPassage」の文字及びその下部に「NEW YORK-NEW YORUK,U.S.A.」の各欧文字を横書きした構成よりなる後掲に示す標章(以下、「使用標章(1)」という。)を表示し、また、これを該カタログの6頁及び7頁においてショルダーバック、ダブルバック等に縫い付け使用していることが認められる。
そして、乙第18号証の写真に係る商品「サイズアップトラベルギア 3ウェイバック」(商品番号#2785)には、赤く塗り潰した矩形内に白抜きした如く「乱立するビル群を表した図形」とその下部の分界二重線内に「ManhattanPassage」の文字を横書きした構成よりなる後掲に示す標章(以下、「使用標章(2)」という、また、「使用標章(1)」及び「使用標章(2)」を総称して単に、「使用標章」という。)を商品のタグに使用し及びこれと同一構成になる標章をバックの帯革部に刻印して使用していることが認められる。
また、乙第19号証の写真に係る商品「オリジナルクーリア 3ウェイバック」(商品番号#2750)には、使用標章(2)を商品のタグに使用し、また、使用標章(1)をバックの下部に縫い付け使用していることが認められる。
さらに、乙第20号証の写真に係る「シティー 3ウェイバック」(商品番号#2720)に使用標章(2)を商品のタグに使用し、使用標章(1)をバックのフラップ部分に縫い付け使用していることが認められる。
そして、上記に係る当該各商品は、それぞれ、1996年8月13日に株式会社東北丸正(山形市城西町2‐10‐15)、1996年10月14日に株式会社ロンド アイドルK(帯広市西2条10‐3)、1996年10月18日に至誠堂アオキAIR AGE(春日井市宮町長斉14)、1997年3月4日にジョン・オム株式会社(台東区上野6−4‐14)に納品したことが認められる(乙第21号証の1ないし乙第24号証の2)。
(2)使用標章の同一性について
商取引の実際においては図形よりなる登録商標と文字よりなる登録商標とを適宜配列又は配置して使用する場合が少なからず存するところ、使用者がバックに使用する使用標章は、「乱立するビルの図形」部分において本件連合商標と社会通念上同一の構成よりなるものと認められ、かつ、該図形標章の下部に分界二重線内に「ManhattanPassage」の文字を付加したり、さらに、「NEW YORK−NEW YORK,U.S.A.」の文字を付加して使用することが本件連合商標の有する独自の識別性を損なう構成よりなるものといえないものである。
してみれば、上記した使用標章は、その図形部分において本件連合商標の構成において基本となすものを変更するものでなく、その識別性を明確に維持している同一の範疇に属する標章といわなければならない。
(3)請求人の主張について
乙第1号証によれば、被請求人(商標権者)「網野越朗」は、使用者「株式会社レジャープロダクツ」の代表取締役であり、商標権者と使用者とは、使用者が移転するまでは同一の住所に所在していたことが認められ、営業上密接な関係を有するものといえるものであるから、本件商標及び本件連合商標について商標権者は、使用者(株式会社レジャープロダクツ)に通常使用権を許諾していたものと推認し得るところであって、使用者の住所に関し、商品カタログの裏表紙に記載された住所と相違するとしても、被請求人提出の使用標章などを表示した「バック類」に関する取引の事実を証する証拠を総合勘案すれば、そのことをもって使用者(株式会社レジャープロダクツ)が別法人であって本件商標及び本件連合商標についての通常使用権者でないとすることはできない。
また、請求人の挙げる判決例は、本件とは事案を異にし、上記判断に影響を及ぼすものでない。
さらに、本件審判の請求は、商標法第50条に基づく不使用による商標登録の取消審判事件であるから、本件商標及び本件連合商標がその指定商品について使用されているかについての主張・立証以外の請求人の請求理由・事情に関する主張は採用することができない。
(4)結語
そうすると、通常使用権者と認め得る使用者(株式会社レジャープロダクツ)により、本件連合商標をその取消請求に係る指定商品中の「バック類」について、日本国内において本件連合商標の使用の特別規定が認められる本件審判請求の登録前3年以内であって平成9年3月31日までに使用していたものというのが相当であるから、被請求人は、連合商標の使用の特則によって使用の事実を証明なし得たものといわざるを得ない。
したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その指定商品中の「バック及びその類似商品」についての登録を取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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