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Trademark Appeal Case

商標使用の有無

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成11年審判第30603号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第1995401号商標(以下「本件商標」という)は、「サイオリ」及び「SAIORI」の文字を上下二段に併記してなり、昭和60年11月26日に登録出願、第17類「被服、布製身回品、寝具類」を指定商品として、昭和62年10月27日に設定登録され、その後、平成9年11月25日に商標権存続期間の更新登録がなされているものである。

2 請求人の主張

請求人は、本件商標の「全指定商品」について登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求めると申し立て、その理由を、要旨次のように述べ、その証拠として、甲第1号証及び同第2号証を提出している。

本件商標は、全指定商品「被服、布製身回品、寝具類」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実がない。

また、本件商標の登録原簿(甲第2号証)には、使用権設定の記載はない。

よって、本件商標は商標法第50条第1項の規定により取消されるべきものである。

3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁を要旨次のとおり述べ、証拠方法として、登録商標の使用説明書を提出している(なお、登録商標の使用説明書中「商品及び縫い付けタッグの写真」は乙第1号証、「商品カタログ(1996年秋冬物用)の写真」は乙第2号証、証明書は乙第3号証として符号を付した)。

(1)本件商標は、甲第2号証に記載されているとおり、商標登録第2263189号の商標との連合商標として登録されていたものであるところ、本件審判請求の登録前3年以内である平成9年2月まで、上記商標登録第2263189号の商標(以下「本件連合商標」という)は、本件連合商標の通常使用権者である小原株式会社(東京都中央区日本橋大伝馬町1−8所在 以下「小原(株)」という)によって使用されていた。すなわち、被請求人は、昭和61年から小原(株)と取引関係にあり、被請求人が製造した各種繊維製品を小原(株)に納入し、小原(株)がそれを自己の名において市販する形態での取引を継続していた。被請求人が製造納品して小原(株)が市販した製品には、上段に大きく「彩織」と表記し、下段に小さく「SAIORI」と表記した商標を使用したものがあり、上記商標の使用は、もとより、被請求人の許諾に基づくものであって、1996年(平成8年)秋冬物用商品の小原(株)のカタログ31頁に示されているタオルは、同社役員の証明書記載のとおり、平成9年2月頃まで販売され、カタログも、同時期まで頒布されていた。

しかも、被請求人から小原(株)に納入されて小原(株)が「彩織/SAIORI」ブランドの下で市販していた製品には、乙第3号証の別紙IIに示すような「彩織/SAIORI RAINIER」なる表示を付した布製タッグが縫い付けられていた。

繊維製品業界においては、製品取引とは関係のない第3者に登録商標の使用を許諾する場合には、文書による使用許諾契約を取り交わすことはあるが、商標権者が、自己の製品の納入先に商標の使用を許諾するような場合には、文書による使用許諾契約を取り交わすことは行われないのが通常である。上記商標についても、小原(株)によるその使用は、同社と被請求人との取引開始の当初(昭和61年)から両者間において合意され継続的に使用されていたものである。

(2)小原(株)による上記の如き表示の使用態様が、いずれも、本件連合商標の使用に該当することは明らかである。

すなわち、本件連合商標は上段にローマ字で一連に「SAIORI」と横書きし、下段に漢字をもって「彩織」と横書き表記し、上段部分と下段部分は略々同一の大きさで構成されているものであるところ、小原(株)のカタログにおける表示は、上段に「彩織」と大書し、下段に、小さな文字で「SAIORI」と表記した構成からなるものであって、「彩織」部分と「SAIORI」部分との上下関係及び大小関係が本件連合商標と相違しているが、この程度の相違は、商標の使用の観点からは、実質的に同一商標の使用とみなされる範囲内の相違であると解される。

また、小原(株)の市販商品に縫い付けられた布製タッグにおける表示も、上段に「彩織」と大書し、下段部分は、いずれも小さな文字をもって、「SAIORI」と表記した左側部分と、「RAINIER」と表記した右側部分とからなるものであるが、「RAINIER」は小原(株)の所謂オリジナル商品の総称表示のマークであるから、布製タッグにおけるこの表示も、全体として、本件連合商標の使用と云いうるものである。

(3)以上のとおり、本件連合商標は、被請求人から使用許諾を受けた通常使用権者である小原(株)により、少なくとも本件商標の指定商品に属するタオルについて、平成9年2月までその標章を付した商品を販売し、かつその標章を付した広告文書(カタログ)を頒布することによって使用されていたものである。

したがって、本件商標は、平成8年法律第68号附則第10第2項の規定により本件審判についてはなおその効力を有する、改正前の商標法第50条第2項の規定により、商標法第50条第1項に規定する、継続して3年以上日本国内において使用されていない登録商標には該当しないものであるから、本件審判の請求は成り立たないものと確信される。

4 当審の判断

被請求人の提出に係る、乙第1号証ないし同第3号証を総合勘案すれば、本件審判の予告登録(平成11年6月16日)前3年以内であって、平成9年3月31日までの間に日本国内において、通常使用権者の小原(株)が、本件商標と相互に連合となっていた登録第2263189号商標と社会通念上同一のものといえる商標「SAIORI」「彩織」をその指定商品「タオル」について使用していたことを認め得るものである。

また、請求人は上記3の被請求人の答弁に対し何ら弁駁するところがない。

したがって、本件商標の登録は、商標法等の一部を改正する法律附則(平成8年法律第68号)第10条の規定により効力を有する改正前の商標法第50条の規定をもっては、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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