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Trademark Appeal Case

称呼類似性と品質誤認

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2000−91042(T2000−91042/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4404701号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4404701号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成11年9月24日登録出願、「Doctor Inner」の文字を横書きしてなり、第25類「被服,ガーター,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、平成12年7月28日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由

本件商標は、昭和63年9月30日に登録出願され、「ドクター」の文字と「Doctor」の文字を横書きしてなり、第17類「被服、布製身回品、寝具類」を指定商品として、平成4年4月30日に設定登録された登録第2400572号商標(以下「引用商標」という。)と称呼、観念において類似の商標であり、かつ、指定商品も引用商標と同一又は類似のものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。

したがって、本件商標の登録は取り消されるべきである。

3 取消理由

本件商標は、「Dotor Inner」の文字を横書きしてなり、平成11年9月24日に登録出願され、第25類「被服,ガーター,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」指定商品として、平成12年7月28日に設定登録されたものである。

(1)昭和63年9月30日登録出願、「ドクター」の文字と「DOCTOR」文字を二段に横書きしてなり、第17類「被服、布製身回品、寝具類」を指定商品として、平成4年4月30日に設定登録されている登録第2400572号標(以下、「引用商標」いう。)と本件商標は、商標において類似し、その指定商品中の「セーター,ワイシャツ類,下着」については、同一又は類似するもであるから、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。したがって、本件商標は、その指定商品中、「被服」についての登録を取り消すべきものである。

(2)また、当審において、合議した結果、本件商標は、その構成中に「セーター,ワイシャツ類,下着」を意味するものとして被服等を取り扱うこの種業界にいて、使用されている「Inner」の文字を有するものであるところ、本件商標をその指定商品中、「セーター,ワイシャツ類,下着」以外の「被服」について使用した場合、取引者、需要者は、該商品が「セーター,ワイシャツ類,下着」であるかの如く、その商品の品質について誤認を生ずるおそれがある。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に違反して登録されたのである。

4 商標権者の意見

本件商標の「Docter Inner」からはドクターインナーの称呼のみが生じドクター単独の称呼は、生じず引用商標とは明瞭に聴別され得ることは明らかである。そして「ドクターインナー」は、称呼として特に冗長でもなく、全体をもって称呼しても淀みなく称呼しうるものである。したがって、「ドクターインナー」は一連一体でのみ称呼されるべきであり、「ドクター」と「インナー」とに分離して称呼する特段の事情も見出せない。

又、本件商標は「Docter」と「Inner」の2種の要素からなる結合商標であり、その結合状態を考慮して、その一部を分離ないしは抽出して類否判断を行うべきではなく、全体観察により判断を行うべきである。

さらに、本件商標は造語であり観念は生じないものである。

したがって、取消通知にある引用商標と「商標において類似」するの査定には何等該当しない。

さらに、「Inner」部分のみを分離し抽出してインナー商品以外に使用した場合需要者の誤認を生じるとの判断ですが、例えばコート、スーツ、靴下等に「Inner」の表示があれば需要者の多くが、この商品は下着であると判断するものだろうか?、その様な判断に至ることは一般的には有り得ないと判断でき、下着に該当する商品においては正しくはInner wearと称されるべきものである。

過去の経過から判断すれば“インナー“は、単に商品の品質、用途を表示するもののみではなく、自他商品の識別機能を有する標章と認定されている。

以上のようにインナー、アンダー、ハット、キャップ等は他の用語との結合標章として用いる場合は単に商品の用途、品質等の表示のみとの理解に止まらず自他商品の識別標識としての機能を有するもの認定されている。

さらに、結合標章の一部に商品名に類似する用語が使用されていても一連で使用される場合は、取引者、需要者の誤認を招くおそれはないと判定されている。

したがって、本件商標は、商標法43条の3第2項の規定には、該当せず登録を維持させるものである。

5 当審の判断

(1)本件商標は、「Doctor Inner」の文字よりなるものであるところ、その構成各文字は、同書、同大、等間隔に表示し、外観上まとまりよく一体に表現されていて、しかも、全体をもって称呼してもよどみなく一連に称呼し得るものである。そして、たとえ構成中の「Inner」の文字部分が「(英語で)内部の、内の」の意味のある語としても、かかる構成においては、特定の商品又は商品の品質、用途等を具体的に表示するものとして直ちに理解し得るものともいい難いところであるから、むしろ構成全体をもって一体不可分のものとして、一種の造語を認識し把握されるとみるのが自然である。

そうとすれば、本件商標は、その構成文字全体に相応して「ドクターインナー」の称呼のみを生ずるものと判断するのが相当である。

登録異議申立人提出の甲第4号証によれば、「インナー(inner)家で着る服。内着。下着。」の掲載が認められる。

また、別に同第5号証にも「インナー」の掲載が認められるが、その記事の内容には、「インナーウエア」と掲載されている。

しかして、同第3号証によれば、「インナー・ウェア[Inner wear]インナーとは<内の><内部の>という意味で、内に着るもの、下着の総称。」の掲載がある。また、文化出版局編者「服飾辞典」文化出版局、1992年2月20日第1版第13刷発行,文化出版局、文化女子大学教科書部編者「フアッション辞典」文化出版局、2000年1月7日第2版第1刷発行にも、「Inner wear」と掲載されているし、さらに、小稲義男編者代表「研究社新英和大辞典」株式会社研究社、34刷 1998年発行,小学館ランダムハウス英和大辞典第二版編集委員会編者「小学館ランダムハウス英和大辞典」株式会社小学館、1999年1月10日第2版第7刷発行には、「inner」には、「下着」の語義は掲載されていない。

そうすると、登録異議申立人提出の甲第4号証にのみ「インナー(inner)が下着の意味があると掲載されているものであっても、通常は、「inner wear」の語をもって「内着、下着」の語義を有するものであるから、「inner」のみの文字部分は、「内部の、内の」の意味のある英語を認識させるとみるのが相当である。

(2)本件商標は、上記(1)で述べたように、特定の観念を生じ得ない造語であるから、これをその指定商品に使用しても商品の品質について誤認を生ずるおそれはない。

他方、引用商標は、「DOCTOR」の文字よりなるものであるから、該文字部分に相応して、「ドクター」の称呼及び「ドクター、博士、医師」の観念を生ずるものである。

そこで、本件商標より生ずる「ドクターインナー」の称呼と引用商標より生ずる「ドクター」の称呼とを比較すると、両称呼は、音構成、音数が異なり、全く別異の称呼を生ずるものであるから、称呼上互いに相紛れるおそれのないものである。

次に、本件商標は、特定の観念を生じ得ない一種の造語であって、「ドクター」の観念の生ずる引用商標とは、観念上比較し得ないものであり、かつ、それぞれの構成よりみて外観上十分に区別し得るものである。

してみれば、本件商標と引用商標とは、その称呼、観念及び外観のいずれからしても十分に区別し得る商標である。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものでない。

よって、結論のとおり決定する。

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