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Trademark Appeal Case

EMCの品質表示性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成11年異議第91345号
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4283171号商標の指定商品中「電気磁気測定器,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」についての商標登録を取り消す。
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4283171号商標(以下「本件商標」という。)は、平成9年11月18日に登録出願され、標準文字により「EMC」の文字を横書きしてなり、第9類「配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気通信機械器具,レコード,メトロノーム,電子応用機械器具及びその部品,磁心,抵抗線,電極,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ」を指定商品として、平成11年6月11日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由

本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、その登録は取り消されるべきである。

3 本件商標に対する取消理由の要点

登録異議申立人株式会社富士通ゼネラル(以下「申立人」という。)の提出に係る甲各号証及び申立ての全趣旨によれば、「EMC」の文字よりなる本件商標に接する取引者・需要者は、これより「他に妨害を与えるような電磁信号を放出することもなく、同時に電磁環境から妨害を受けず本来の機能を発揮できるという両面を有する電子機器又はシステム」であることを容易に理解し、認識するにすぎないものとみるのが相当である。

してみれば、本件商標は、これをその指定商品について使用するときは、その商品が「上記機能を有する電気磁気測定器,電気通信機械器具」等であることを認識するにとどまり、単にその商品の品質、機能を表示するというべきであり、また、その指定商品中上記商品以外の「電気磁気測定器,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。

したがって、本件商標は、その指定商品中「電気磁気測定器,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」について、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものである。

4 商標権者の意見

上記3の取消理由に対して、商標権者は、要旨つぎのように意見を述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第10号証を提出した。

商標権者が「イー・エム・シー・コーポレーション」であることを考慮すると、本件商標「EMC」は営業票として使用されるものであると判断すべきである。しかも、本件商標はある程度周知であると考えられる。このような事実を考慮すると、本件商標に接する取引者・需要者は、本件商標は商標権者自身を表すものとして認識すると考えるべきであり、換言すれば、本件商標は出所表示機能等の商標の諸機能を発揮するものと考えるのが自然であり、本件商標は、単なる品質表示には該当しないと判断すべきである。

5 当審の判断

本件商標は、上記に示すとおり「EMC」の文字を書してなるものであるところ、「EMC」の語について、申立人の提出に係る甲第2号証の「電子通信ハンドブック」(昭和54年3月30日 株式会社オーム社発行)によれば、「EMC」(electromagnetic compatibility)の語は、IEC(国際電気標準会議)の定義によると、「希望信号に含まれる情報を損なうことなく、信号および障害が共存しうること」であると記載され、同じく、甲第3号証の「電気・電子機器のEMC(電磁的両立性)に関する日本工業規格(JIS)の整備方針を決定<日本工業標準調査会>」(平成8年4月26日 工業技術院標準部)の用語解説には、「EMC」(electromagnetic compatibility)の語について、「ある機器又はシステムが、その電磁環境内のいかなるものに対しても許容以上の電磁妨害を与えることなく、かつ、その環境内において満足に機能する能力。」と記載されている事実を認めることができる。

また、甲第4号証の「現代用語の基礎知識 1997」(1997年1月1日 自由国民社発行)、甲第5号証の「情報・知識imidas 1999」(1999年1月1日 株式会社集英社発行)及び甲第6号証の「知恵蔵 1999」(1999年1月1日 朝日新聞社発行)によれば、「EMC」の語が上記と同様な意味合いをもって説明されている事実を認めることができる。

そうとすると、申立人の提出に係る甲各号証によれば、指定商品を取り扱う業界においては、「EMC」の語は、「他に妨害を与えるような電磁信号を放出することもなく、同時に電磁環境から妨害を受けず本来の機能を発揮できるという両面を有するもの」等の意味を有するものとして、使用され、認識されているものと判断するのが相当である。

してみれば、「EMC」の文字よりなる本件商標をその指定商品中、「他に妨害を与えるような電磁信号を放出することもなく、同時に電磁環境から妨害を受けず本来の機能を発揮できるという両面を有する電気磁気測定器、電気通信機械器具、電子応用機械器具及びその部品」等に使用しても、これに接する取引者、需要者は、上記事情から、「他に妨害を与えるような電磁信号を放出することもなく、同時に電磁環境から妨害を受けず本来の機能を発揮できるという両面を有する電気磁気測定器、電気通信機械器具、電子応用機械器具及びその部品」等を表したものと理解するにすぎず、自他商品の識別標識としての機能を有するものとは認識しないものである。

そうとすれば、本件商標は、その指定商品中、「他に妨害を与えるような電磁信号を放出することもなく、同時に電磁環境から妨害を受けず本来の機能を発揮できるという両面を有する電気磁気測定器、電気通信機械器具、電子応用機械器具及びその部品」等については、その商品の品質、機能を表示するにとどまるものであり、また、その指定商品中、上記商品以外の「電気磁気測定器,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。

なお、商標権者は、意見書において、本件商標は出所表示機能等の商標の諸機能を発揮するものと考えるのが自然であり、本件商標は、単なる品質表示には該当しない旨述べているが、本件については上記認定のとおり判断しうるものであるから、この点に関する主張は採用できない。

したがって、本件商標の指定商品中「電気磁気測定器、電気通信機械器具、電子応用機械器具及びその部品」についての登録は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反してされたものといわざるを得ないから、商標法第43条の3第2項の規定により、取り消すべきものであり、また、本件登録異議申立てに係るその余の指定商品については、取り消すべき理由がないものと認め、同第4項の規定により登録を維持する。

よって、結論のとおり決定する。

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