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Trademark Appeal Case

図形商標の要部外観

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2000−91148(T2000−91148/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4410510号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4410510号商標(以下「本件商標」という。)は、平成11年10月15日に登録出願され、別掲に示すとおりの構成よりなり、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、平成12年8月18日に設定の登録がされたものである。

2 登録異議申立ての理由

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、以下の(1)及び(2)に示す登録商標を引用し、本件商標は、引用各商標と商標において類似し、かつ、本件商標及び引用各商標はいずれも「被服」等をその指定商品とするものである。そして、引用各商標は、申立人の業務に係る商品「ジーンズ」のバックポケットに使用されてきた結果、同人の上記商品を表すものとして、取引者、需要者の間に広く認識されるに至っているものであるから、本件商標をその指定商品について使用するときは、申立人の業務に係る商品であるかの如くその出所について混同を生ずるおそれがある。さらに、本願商標は、引用商標の獲得した著名性に只乗りするものであって、かかる他人の著名商標を付した商品を流通におくことを許容した場合には、取引社会における申立人の商標に対する消費者の信頼が害されるおそれがある。したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第7号に違反して登録されたものであるとしている。

(1)登録第1592525号商標(以下「引用商標1」という。)は、昭和46年2月24日に登録出願され、別掲に示すとおりの構成よりなり、旧第17類「被服(運動用特殊被服を除く)布製身回品(他の類に属するものを除く)寝具類(寝台を除く)」を指定商品として、昭和58年5月26日に設定の登録がされ、その後、平成5年7月8日に商標権存続期間の更新登録がされ、現に有効に存続しているものである。

(2)登録第2006244号商標(以下「引用商標2」という。)は、昭和46年2月24日に登録出願され、別掲に示すとおりの構成よりなり、旧第17類「被服(運動用特殊被服を除く)、布製身回品(他の類に属するものを除く)、寝具類(寝台を除く)」を指定商品として、昭和62年12月18日に設定の登録がされ、その後、平成9年11月18日に商標権存続期間の更新登録がされ、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断

本件商標は、別掲に示すとおり、ポケットの形状を表したものと認められる五角形の外形線に沿って二重の縫い目状に2本の点線を表し、その外形の上下を二分する横断線をジグザグ状の2本の波線で表した図形よりなるところ、その2本の点線及び波線が必ずしも平行線でなく、ことに上下中央部に表されたジグザグ状のそれぞれ山形を形成する2本の波線の部分においては、2本の線が交差した構成よりなるものである。

これに対して、引用各商標は、別掲に示すとおり、ポケットの形状を表したものと認められる五角形のほぼ外形線上及びその外形の上下を二分する横断線を二重の縫い目状に2本の点線で表した図形よりなるところ、その2本の点線が上記外形線上及び同横断線上のいずれにおいてもほぼ平行線をなし、かつ、引用商標1には五角形の左外側やや上方の位置に「LEVI’S」の文字を縦書したタグが、引用商標2には、引用商標1と同位置に赤色のタグがそれぞれ付された構成よりなるものである。

そこで、両商標の外観について比較すると、本件商標は、五角形の外形線に沿う形で表された2本の点線の間隔が一定せず、また、それぞれの線が必ずしも直線でないことからフリーハンドで描いた線である印象を受けるのに対し、引用各商標のそれは、ほぼ平行線で表されていることから、定規を用いて正確に描いた線であるとの印象を受けるものである。そして、本件商標及び引用各商標の属する指定商品の分野において当該五角形の外形がありふれた形状であるのに対し、その内側に表された2つの山形を形成する横断線の部分が、工夫を凝らして形成された要部と認められるものであるところ、本件商標のそれは波線で交差して描かれているのに対し、引用各商標のそれは点線のほぼ正確な平行線で描かれている点において両者は異なる印象を与えるものである。さらに、両者は、外形線の外側にタグの有無の差を有するものであることから、それらの差違が商標全体の印象に少なからず影響を及ぼす結果、両者をそれぞれ時と処を異にして離隔的に観察するも彼此紛れるおそれはなく、したがって、両商標は、外観上別異のものとみるのが相当である。

また、本件商標と引用各商標とは、その構成前記のとおりであって、これより特定の称呼、観念を生じるものとはいえないものであるから、その称呼及び観念において類似するということはできない。

してみれば、本件商標と引用各商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれの点よりみても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。

次に、引用各商標の著名性についてみるに、申立人提出の証拠は同人の使用に係る商品のカタログ一式(写)のみであるところ、そこには、ジーンズ及びそのポケットの図が示されているものの、引用商標の商標としての具体的な使用状況が明らかでなく、また、その流通事情も定かでないから、その証拠をもって、本件商標の出願時における引用各商標の著名性を認めるに十分なものとはいえない。

してみれば、上記したとおり、本件商標と引用各商標とは、商標において類似しない別異のものであり、引用各商標の著名性も明らかでないから、本件商標から引用各商標を連想、想起するとは到底いい難いものであって、この点を述べる申立人の主張は採用することができない。

さらに、本件商標は、前記のとおりの構成よりなるところ、その構成自体が矯激、卑猥、差別的な印象を与えるような図形からなるものでなく、また、本件商標を使用することが社会公共の利益・一般道徳観念に反するものとすべき事実は認められず、他の法律によってその使用が禁止されているものとも認められないものであり、かつ、引用商標に化体した信用にただ乗りし、商取引の秩序を乱すものとすべき事実も認められないものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第11号及び同第15号に違反して登録されたものでないから、商標法第43条の3第2項の規定により、その登録を取り消すことはできない。

よって、結論のとおり決定する。

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