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Trademark Appeal Case

引用標章の商標的使用

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2000−90992(T2000−90992/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4391845号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4391845号商標(以下「本件商標」という。)は、別記に示すとおりの構成よりなり、平成11年3月5日登録出願、第38類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、平成12年6月16日に設定登録がなされたものである。

2 登録異議申立ての理由

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、「YOU’VE GOT MAIL」、「ユー・ガット・メール」商標(以下、これらを合わせて「引用標章」)を申立人の業務に係る「電子メールサービス」でユーザーに対する他者からの電子メールの有無について「YOU’VE GOT MAIL(ユー・ガット・メール)」の文字又は音声により告知するサービスを表示するものとして、また、1998年全米、1999年(平成11)年2月11日に日本で公開された劇場映画「You’ve Got M@il(ユー・ガット・メール)」の大ヒットにより、取引者、需要者の間に広く認識され、かつ、世界的に著名になっているところ、本件商標は、引用標章と類似し、本件商標をその指定役務について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、申立人又は申立人の業務又はこれと何らかの経済的、組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く認識し、その出所について混同を生ずるおそれがあり、また、本件商標は、引用標章に化体する信用にただ乗りすることを意図して出願したもので不正の目的をもって使用するものであるから、商標法第4条第1項第10号、同第15号及び同第19号に該当する。

したがって、本件商標は、その登録を取り消されるべきである。

3 当審の判断

申立人提出の証拠を徴するに、申立人は、「インターネットによる電子メールの接続サービス」をおこなっていることは認め得るとしても、「YOU’VE GOT MAIL(ユー・ガット・メール)」標章は、会員が電子メールを受信するたびに「YOU’VE GOT MAIL(ユー・ガット・メール)」というメッセージを表示又は音声により認識することができるとされるものであり、当該表示は、電子メールサービスとの関係においては、「あなたにメールが届いています。」との意味合いを認識させるに止まるものでサービス(役務)の質、内容を表し、当該表示が商標法上の役務を表示するための商標として使用されていることとすることはできないものというべきであり、他に「YOU’VE GOT MAIL(ユー・ガット・メール)」が商標法上の役務「電子メールによる通信」を表示するものとして使用していると認め得る証左は見出せない。

また、「YOU’VE GOT MAIL(ユー・ガット・メール)」なる劇場映画が公開され、これとタイアップした形式で申立人に係る他の標章とともに「YOU’VE GOT MAIL(ユー・ガット・メール)」の文字が表示されていることが認められる、如何なる役務についての商標として使用されているか特定できないものであり、該「YOU’VE GOT MAIL(ユー・ガット・メール)」の文字は、映画の題名として使用されているものであり、著作物の内容を表し、商標としての使用と認めることはできないものであり、このことをもって、申立人に係る引用標章が取引者、需要者の間に広く認識されたものとすることはできない。

してみれば、申立人に係るとする引用標章「YOU’VE GOT MAIL(ユー・ガット・メール)」が申立人の業務に係る役務「インターネットへの接続サービス」「電子メールによる通信」を表示するものとして、取引者、需要者の間に広く認識され、かつ、著名になっていたものとは認めることはできない。

他に、引用標章が「電子メールによる通信」を表示するものとして使用され、本件商標登録出願時に需要者の間に広く認識されていると認め得る証左は見出せない。

しかして、本件商標は、別記に示すとおり、携帯電話の重ねて封筒の図形を描き、携帯電話のディスプレイ部分に「You’ve」、「Got」及び「Mail」の文字を三段に表し、該図形の下部に「ユーガットメール」の文字を横書きした構成よりなるものであり、該構成中の文字部分は、「あなたはメールを受信しています。」の観念を生ずるものであり、「電子メールによる通信」の役務との関係においては、役務の内容、質を表すものと認識させるに止まり、自他役務の識別標識としての機能の弱いものと把握、認識され、携帯電話と封筒の図形部分と合わせ自他役務の識別標識としての機能を果たすものと判断するのを相当とするから、本件商標と引用標章とは、前記のとおりの構成よりなるものであり、「ユーガットメール」の称呼を共通にするとしても、引用標章が本件商標の指定役務と同一又は類似の役務について使用され、本件商標登録出願の時に需要者の間に広く認識されていたものとは認められないから、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものではない。

また、本件商標をその指定役務について使用しても、これに接する取引者、需要者は、引用標章を想起せず、該商品が申立人又は申立人と組織的、経済的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれはないものといわざるを得ない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものではない。

さらに、本件商標は、不正の目的(不正な利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他不正の目的)をもって使用すると認め得る証左は見出せない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に違反して登録されたものではない。

よって、本件商標は、同法第43条の3第4項の規定により、結論のとおり決定する。

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