Trademark Appeal Case
著名商標の混同可能性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成10年異議第92022号 |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4167848号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲に表示したとおりの構成よりなり、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,靴類(靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具を除く),靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具,げた,草履類,運動用特殊衣服,運動用特殊靴(乗馬靴を除く),乗馬靴」を指定商品として平成7年11月2日に登録出願、平成10年7月17日に登録されたものである。
2 取消理由の要旨
当審において、平成11年5月10日付で商標権者に通知した、本件商標の商標登録を取り消すべき理由の要旨は、次のとおりである。
本件商標は、登録異議申立人(以下「申立人」という。)であるザ・バートン・コーポレーションが「スノーボード、スノーボード用手袋、被服、バッグ」等の商品に永年使用し、本件商標出願前より我が国においても取引者、需要者間において広く知られているものと認め得る「BURTON」の文字を容易に想起し得る「BUTON」の文字を商標中に有するばかりでなく、その構成中の図形部分も申立人が商品「スノーボード、スノボード用靴、帽子」等の商品に永年使用し、周知著名であると認め得る図形と酷似しているものである。
してみれば、本件商標をその指定商品について使用するときは、該商品があたかも申立人若しくは申立人と何らかの関係を有する者の製造販売に係る商品であるかのように、その出所について誤認混同をおこすおそれがあるものとみるのが相当である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。
3 商標権者の意見要旨
(1)「BURTON」商標については、本件の申立人から別の商標で商標権者等が異議申立てを受けているが、結論が出ており、「BURTON」が米国のスノーボード会社の関連であるという主張はあり得ないということになっていると思われる。
(2)「BURTON」商標は、商標権者が1982年(昭和57年)から日本国内で展開していたブランドである。ニューヨークの有名なブティック「BURTON Ltd.」社の代表者BURTON HORN氏と昭和57年1月25日に商標権者はライセンス契約を締結し、現在まで継続して他の商標分類を含めた多数の商品展開を行っている。
(2)「BURTON」商標は、あたかも申立人が世界的に有名にした名前であるかのような見解であるが、もともとBURTONはアメリカ人やアングロサクソン系ヨーロッパ人の一般的な名前であり、さしたる特徴もない名前である。
(3)商標権者は、1982年頃から「BURTON」商品を展開し、それに引き続き「BURTON CLUB」「BURTON HOUSE」を展開したことにひき換え、申立人の商品の市場での登場期間は大変短いもので、申立人の主張の根拠は希薄であると思われる。
(4)日本で「BURTON」といえば申立人であると考えるのはまったくの誤りであり、商標権者の国内ライセンス展開以外に、日本及び世界で有名なものがある。
4 当審の判断
(1)申立人が使用の「BURTON」の文字よりなる商標の著名性
申立人が提出した甲第2号証(「Forbes(フォーブス)」1996年2月1日号の日本版)、甲第3号証(1995年(平成7年)10月1日主婦生活社発行「SNOWBOARD」)、甲第4号証(「Forbes」1995年3月27日号の英語版)、甲第5号証、甲第6号証、甲第9号証(キャピタル・アドバイザー竹内康則氏作成に係るスノーボードメーカー出荷状況リスト写し)、甲第12号証(日本貿易振興会海外経済情報センター発行「輸入商品(消費財動向)」1991年、1992年、1994年)(一部抜粋)写し」、甲第14号証(「1988年12月10日、1991年12月7日付けの日経流通新聞、1994年8月25日付けの日経産業新聞、1995年3月16日、1995年9月11日付けの日本経済新聞、1991年1月1日、1995年2月20日、1995年3月1日付けのスポーツ産業新報」)、甲第15証(「請求人の日本における商品カタログ発行リスト写し」)、甲第17号証(「日本スノーボード産業振興会」等の著名性立証に関する証明書)及び甲第22号証(「1994年商品カタログ写し」)を総合すると、スノーボードは、米国においては、1980年に入って急激に人気が高まったこと、申立人は、その取り扱う商品であるスノーボード関連商品 (スノーボード、スノーボード用靴、スノーボード用手袋、被服、バッグ、ゴーグル、サングラス等)に、「BURTON」の文字からなる商標(以下「申立人引用商標」という。)をハウスマークとして使用してきており、平成7年11月当時において請求人の米国におけるスノーボードの市場の占有率は約3割であり、我が国においても申立人引用商標を使用したスノーボードの販売台数は、1994年から1995年において38,000台に達していること、1995年4月には、スキーの低迷をよそに、ウインタースポーツのあたらしい主役に躍進し、94/95年シーズンの国内ボード出荷台数は業界関係者によると、17万台程度となり、米国の後を追ってスノーボードの人気は急激に高まっていたこと(日本経済新聞社1995年4月7日付け夕刊5頁)、請求人のハウスマーク「BURTON/バートン」の付されたスノーボード、その他スノーボード関連商品の多くは、最も人気の高いものとされていることが認められる。これらによれば、申立人引用商標は、申立人の製造販売に係るスノーボード関連商品を表示する商標として、本件商標の登録出願前より、我が国において、若者を中心とする需要者の間に周知著名となっていたと認められる。そして、前記認定を左右するに足りる証拠はないから、申立人引用商標の周知著名性についての被請求人の主張は、いずれも採用することができない。
また、甲第22号証の商品カタログ中に掲載されているスノーボードの裏面にレタリングした「BURTON」の文字が表されているところ、この「BURTON」の文字の頭に表される図形(楕円形の四か所を半円状に欠いたような図形内に「B」の文字を表したもの。以下「申立人図形商標」という。)も、申立人の製造販売に係る商品「スノーボード」に使用されて、申立人引用商標と同様、本件商標の登録出願前より、我が国の若者を中心とする需要者の間に、周知となっていたと認められる。
(2)出所の混同を生ずるおそれについて
本件商標は、別掲のとおり、楕円形の五か所を半円状に欠いたような図形内に「B」の文字を表し(以下「本件商標図形部分」という。)、かつ、その外郭に多少図案化した「BUTONCLUB」の文字を表した構成であるところ、その「BUTONCLUB」の文字中の「CLUB」の文字は、広く同好の士の集団を意味するごくありふれた日常用語にすぎない。そして、この「CLUB」以外の「BUTON」の文字は、申立人引用商標と比較すると、構成文字の中間に「R」の文字があるかないかの差異はあるが他の綴り字は一致しており、また本件商標中の「BUTON」の文字部分は、「バトン」と称呼され得るものであって、申立人引用商標から生ずる「バートン」の称呼と近似しているといえる。
これに加えて、申立人図形商標と本件商標図形部分を比較すると、その特異な構成態様において、偶然に一致したとは思えないほど酷似しているものと認められる。
そして、申立人引用商標及び申立人図形商標が、前記認定のとおり、スノーボードなどスノーボード関連商品に使用されて周知著名な商標であり、一方、本件商標は、「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,靴類(靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具を除く),靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具,げた,草履類,運動用特殊衣服,運動用特殊靴(乗馬靴を除く),乗馬靴」を指定商品とするものであって、ファッションに関係がある商品が含まれる点で共通している。
そうすると、本件商標をその指定商品について使用した場合、需要者は、これより申立人が使用して周知著名な申立人引用商標及び申立人図形商標を想起し、本件商標を付した商品が、申立人又は申立人と組織的・経済的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかのように誤認し、その出所について混同を生ずるおそれが、本件商標の登録出願の時に既にあったものと判断するのが相当である。
そして、申立人引用商標及び申立人図形商標については、本件商標の登録出願後、登録査定時までに、その周知著名性について事情の変更があったものと認めるに足りる証拠はないから、登録査定時においても、商品の出所の混同のおそれは、なお継続していたものというべきである。
(3)商標権者は、「BURTON」商標は、商標権者やその他の者によって、申立人が使用を始めるより前から使用され、周知又は著名になっていたのであるから、申立人が、「BURTON」商標を独占する根拠がない旨主張する。
しかし、本件商標は、「BUTONCLUB」の文字以外に、申立人図形商標と酷似した本件商標図形部分を有しているため、これをその指定商品について使用した場合、請求人の周知著名な申立人引用商標及び申立人図形商標を想起し、その商品の出所について混同を生じさせるおそれが否定できないものである。
また、申立人以外で「BURTON」の文字からなる商標を使用している者がいるとしても、その事実は、本件商標をその指定商品に使用した場合に商品の出所の混同を生じないとすべき直接の根拠とはならないから、前記認定は左右されない。
(4)以上のとおりであるから、通知した取消理由は妥当なものであって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであり、同法第43条の3第2項の規定に基づき、その商標登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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