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Trademark Appeal Case

結合商標と著名商標の混同

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2000−90335(T2000−90335/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4345793号商標の指定商品中「化学品」についての商標登録を取り消す。
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。

理由テキスト

1. 本件商標

本件登録第4345793号商標(以下「本件商標」という。)は、標準文字にて「ミラクルメイト」の文字を横書きしてなり、平成11年1月25日に登録出願され、第1類「化学品,土壌改良剤,その他の植物成長調整剤類,肥料」を指定商品として、平成11年12月17日に設定登録、その後、指定商品については、その指定商品中「化学品,肥料」について商標権の一部放棄がなされ、その抹消の登録が平成12年10月31日になされているものである。

2.登録異議申立ての理由

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、以下の(1)乃至(4)に示す登録商標(以下、これらを合わせて「引用商標」という。)を引用し、引用商標は申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者間に広く認識されているところ、本件商標は引用商標と商標において類似し、その指定商品も同一又は類似するものであり、そして、本件商標をその指定商品について使用した場合、これに接する取引者、需要者は申立人の業務に係るものであるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれがあるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものである。したがって、本件商標は、その登録を取り消されるべきである。

(1)登録第428396号商標は、「MIRACLE」の文字を横書きしてなり、昭和26年6月19日に登録出願され、第1類「化学品,薬剤及び医療補助品」を指定商品として、昭和28年7月21日に設定登録、指定商品については、その後、商標登録の一部取消審判により、その指定商品中「紛状、粒状、液状、泥状のプラスチックス」についての登録を取り消すべき旨の審決がなされ、その確定審決の登録が昭和63年10月27日になされているものである。

(2)登録第854100号商標は、「ミラクル」の文字を横書きしてなり、昭和39年10月6日に登録出願され、第1類「化学品、薬剤、医療補助品(但し、のり及び接着剤を除く)」を指定商品として、昭和45年4月22日に設定登録されたものである。

(3)登録第3201638号商標は、別掲に示すとおりの構成よりなり、平成5年12月29日に登録出願され、第1類「化学品,植物成長調整剤類」を指定商品として、平成8年9月30日に設定登録されたものである。

(4)登録第4034385号商標は、別掲に示すとおりの構成よりなり、平成5年12月29日に登録出願され、第1類「薬剤,歯科用材料」を指定商品として、平成9年7月25日に設定登録されたものである。

3.取消理由通知

申立人提出の証拠によれば、申立人に係る引用商標は、申立人の製造販売に係る各種工業用水処理剤、工業用防菌防黴剤並びに飲料水用殺菌剤等に使用する商標として、我が国において取引者・需要者の間に広く認識されていることが認められるところから、引用著名商標をその一部に有する本件商標は、これをその指定商品について使用するときには、該商品が恰も申立人若しくは申立人と何らかの関係を有する者の製造・販売に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれがあるものとみるのが相当である。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。

4.商標権者の意見

本件商標は、「土壌改良剤,その他の植物成長調整剤類」を指定商品として登録されているものである。

引用商標は、申立人が提出した商品カタログから見てもわかるように、申立人は各種の工業用水処理に関連する商品を取り扱う会社として知られているもので、これらの商品の取引者・需要者も水処理関連の範囲に限られるのに対して、本件商標の指定商品である「土壌改良剤,その他の植物成長調整剤類」の取引者・需要者は農業関係者が主体であるから、申立人のそれとは全く異なっている。

したがって、引用商標が申立人の取り扱う商品との間で著名であるとしても、工業用水処理剤とは産業分野を全く異にし、且つかなり限られた特殊な商品である土壌改良剤にまで、引用商標の著名性が及ぶものとは考えにくく、本件商標を土壌改良剤に使用したとしても、該土壌改良剤の出所について、混同を生ずるおそれがないのは明らかである。

また、本件商標の「ミラクルメイト」は、引用商標中の「ミラクル」の文字よりなる商標を一部に含むとしても指定商品との関係において出所の混同のおそれがないことが明白なものは除かれること上述のとおりである。

さらに、本件商標は、これを観察したときに全体として一体に表された商標として認識され、迅速性を必要とする商品取引においては、本件商標の中に著名商標である「ミラクル」が含まれていることを一々認識したり、本件商標が「ミラクル」と「メイト」とが結合した商標であることを認識しながら商品取引を行うことはあり得ず、本件商標「ミラクルメイト」は、「ミラクル」とは全く観念の異なる商標として認識されるものである。

このことは、商標の前半部に「ミラクル」の文字を含む登録商標が本件商標の指定商品の属する薬剤の分野で多数存在することからも明らかである。

よって、本件商標をその指定商品に使用したとしても、その出所について混同を生ずるおそれはないから、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであるとした取消理由は認められない。

5.当審の判断

本件商標は、「ミラクルメイト」の文字よりなるものであり、該構成中の「ミラクル」の文字部分が「miracle」に通じ「奇跡、驚異、不思議な物(事、人)」の語義を有するものとして一般に知られ親しまれた語であり、また、「メイト」の文字部分が「mate」に通じ「仲間、相手」の語義を有する語として一般に知られ親しまれている語であり、本件商標を構成する「ミラクルメイト」の文字は、一体的に纏まりよく表されてなるもので、該構成中の「メイト」の文字部分を省略し、「ミラクル」の文字部分をもって取引にあたると見るべき特段の理由は見出せないから、本件商標は、該構成文字をもって把握、認識され、該構成文字に相応して生ずる「ミラクルメイト」の称呼も淀みなく称呼し得るものであり、「特別な仲間」程度の観念を生ずるものというべきである。

これに対して、引用商標は、前記のとおり「MIRACLE」、「ミラクル」、「MIRACLE」の文字をやや図案化した構成よりなるものであるから、該構成文字に相応して「ミラクル」の称呼及び「奇跡、驚異、不思議な物(事、人)」の観念を生ずるものである。

そうとすれば、本件商標と引用商標とは、前記のとおりの構成よりなるものであり、その外観、称呼及び観念において類似するものではない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものとはいえない。

次に、申立人提出の証拠によれば、申立人は、引用商標をその指定商品中の「工業用水処理剤(界面活性剤,化学剤,洗浄剤)」等について長年使用してきた結果、引用商標は、これら工業用水処理剤の取引者・需要者の間に広く認識されているものと推認し得るものである。

してみれば、本件商標は、その構成中に「ミナクル」の文字を有してなるものであり、これをその指定商品中の「化学品」について使用した場合、当該商品と引用商標が使用されている商品との製造者、取引者、需要者は、該商品が申立人又は申立人と組織的、経済的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれがあるものというべきである。

しかしながら、「殺菌剤」について、引用商標が使用され、需要者の間に広く認識されていると認め得る充分な証拠が提出されていない。

そして、本件商標の指定商品中「土壌改良剤、その他の植物成長調整剤類」については、引用商標が使用されている商品の製造者、取引系統、販売場所、その取引者、需要者を異にするものであるから、本件商標は、その指定商品中「土壌改良剤、その他の植物成長調整剤類」について使用しても、これに接する取引者、需要者をして、該商品が申立人又は申立人と組織的、経済的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれはないものである。

したがって、本件商標は、その指定商品中「化学品」については、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであり、同法第43条の3第2項の規定により、その登録を取り消すべきものであり、その指定商品中「土壌改良剤、その他の植物成長調整剤類、肥料」については、同法第4条第1項第15号に違反して登録されたものとすることはできないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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