Trademark Appeal Case
称呼類似性判断における一体不可分
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2001−90002(T2001−90002/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
登録第4421511商標(以下「本件商標」という。)は、「STINGNET」の文字と「スティングネット」の文字を二段に横書きしてなり、平成11年7月7日登録出願、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として平成12年9月29日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
(1)登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、「STING」の文字を横書きしてなり、昭和63年7月28日登録出願、第23類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として平成3年7月31日に設定登録された登録第2322727号の2商標及び「STING」の文字を横書きしてなり、平成8年8月12日登録出願、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として平成9年12月26日に設定登録になった登録第4098709商標(これらをまとめて「引用商標」という。)を引用し、引用商標と本件商標は、「スティング」の称呼において類似し、その指定商品は引用商標の指定商品と抵触する。
(2)引用商標は、眼鏡について長年にわたって使用された結果、世界各国で著名となっているから、本件商標は、その指定商品に使用された場合、出所の混同を生ずるおそれがある。
(3)本件商標は、不正の目的をもって使用するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第11号、同第15号及び同第19号の規定に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)本件商標と引用商標の類否
本件商標は、前記のとおり「STINGNET」及び「スティングネット」の両文字よりなるものであって、各文字は、同じ書体で等間隔に一体に表されて、全体から生ずる称呼も淀みなく一連に称呼し得るものである。そして、「NET」の文字が「通信網」を意味する「NETWORK」の略称であるとしても、かかる意味において直ちに商品の識別標識としての機能を果たし得ないものということはできないから、「STINGNET」及び「スティングネット」の文字はそれぞれ構成全体をもって一体不可分のものと認識し把握されるものと判断するのが相当である。したがって、本件商標は、全体の構成文字に相応して「スティングネット」の称呼のみを生ずるものといわなければならない。
これに対し、引用商標は「スティング」の称呼を生ずるものといえるから、本件商標は、引用商標と外観、観念においてはもとより、「スティングネット」と「スティング」の称呼においても類似の商標ということはできない。
(2)申立人の提出に係る証拠のよれば、申立人は米国、英国、イタリア、ブラジルなど多数の国において「STING」商標を所有していることが認められる(甲第4号証ないし同第6号証)。また、平成8年から同12年にかけて、インボイスに「SUNGLASSES MOD.4479 STING」などと記載されたサングラス等がわが国に輸入されたことが認められ(甲第7号証及び同第8号証)、該事実からすると、それらの商品は販売されたものと推認することができる。しかしながら、これらによっては、引用商標の付された眼鏡について、どのような媒体により、どのような形態で、どの程度の期間広告、宣伝されたのか、甲第8号証の販売実績がわが国における眼鏡の販売総数に対してどの程度のシェアを占めるのか、その販売は全国的規模でされたものか、など、広告、宣伝の実績、わが国における販売の実態が把握し得ないものであり、かつ、同業組合、同業者の証明書、公的機関の証明書など、周知度を客観的に示す証左の提出もない。
そうすると、本件商標の登録出願の時に、申立人の使用する引用商標が眼鏡について著名性を獲得していたものとは判断することができないから、本件商標をその指定商品について使用した場合、これから直ちに引用商標を連想、想起させるもとは判断し得ず、結局、本件商標は、申立人又は申立人と関係を有する者の業務に係るものであるかのように、商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
(3)本件商標は、不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的など不正の目的をもって使用する商標でないことも明らかである。
(4)以上のとおりであり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第11号、同第15号及び同第19号の規定に違反して登録されたものではない。
したがって、本件商標は、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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