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Trademark Appeal Case

著名商標の要部類似

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年異議第90581号
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4079895号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4079895号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成8年4月25日に登録出願され、「Cocomo」の文字を横書きしてなり、第3類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成9年11月7日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立の理由

具体的理由

(1)登録異議申立人(以下、「申立人」という。)は、著名なデザイナーである「Gabrielle COCO CHANEL」により創設され、香水等の化粧品の他、高級婦人服、ハンドバッグ、ベルト、靴、時計、アクセサリー等の宝飾品などのデザイン・企画並びにこれらの商品の製造販売を業とするトータルファッションメーカーである。その商品は「シャネルの5番」「シャネルスーツ」「シャネルバッグ」「シャネルシューズ」と称されるほどに極めて高い知名度を有しており、いずれも洗練された高品質の商品であり、申立人の長年の継続的な努力によって、世界の超一流品としての極めて高い信用が日本においても形成されているものである。「COCO」(ココ)は、前述した申立人の創設者の愛称(甲第4号証乃至甲第6号証)であり、「エレガントでシンプル」を旨とするスタイルを基本的なスタイルとしているものである(甲第7号証)。

申立人は、以上のような申立人の創設者の愛称を表した商標「COCO」を、申立人の商品「香水」等に使用している(甲第8号証)。

申立人の香水「COCO」は、1984年(昭和59年)7月23日にフランスにおいて発表、同年9月にヨーロッパで発売され、日本においては、その翌年たる1985年(昭和60年)9月20日に発売されたものである。申立人の香水「COCO」は、日本での発売と前後して極めて多数の新聞・雑誌によって報道され、各種雑誌に広告されたものである(甲第9号証乃至甲第36号証)。

而して申立人の香水「COCO」の日本における発売開始年度である1985年(昭和60年)9月から12月末日までの約3ヶ月間だけでも、2億5千万円余の販売実績を達成し、その後も継続的に雑誌やテレビによる広告・宣伝を行ない、世界の一流品を掲載する各種刊行物によって紹介されるに至った(甲第37号証乃至甲第48号証)。また、申立人は日本において、発売開始後も10年以上にわたって、香水「COCO」に化体した信用を落とさないよう、その品質の保持のため、1992年度には9億円以上、その後も毎年約4億円近くのもの広告費をかけ、継続的に雑誌やテレビによる広告・宣伝を行い、その信用の蓄積のための努力を継続している(甲第49号証乃至甲第51号証)。その結果、申立人が香水等に使用する商標「COCO」は、発売開始後8年経過した1993年度においても8億円余、1994年度にも7億4千万円余の販売実績を達成しているものである。

したがって、少なくとも本件商標の出願当時1999(平成11)年にはもちろん、査定時においても、申立人が香水等に使用する商標「COCO」は、極めて広く知られるに至っている商標と云うべきである。特許庁においても、別件商願平1一50916号登録異議申立事件、商願平4一244766号登録異議申立事件、商願平4一244768号登録異議申立事件、商願平4一244769号登録異議申立事件、商願平4一244711号登録異議申立事件、商願平4一244772号登録異議申立事件、登録第2220295号商標無効審判事件において、例えば以下のようにして各引用商標の著名性を認めているところからも、「COCO」の著名性については顕著な事実であると思料する(甲第52号証乃至甲第58号証)。

「引用商標」(「COCO」「ココ」)は、本件商標出願の日には、すでに申立人の業務に係る商品「香水」に使用している商標として、取引者及び需要者の間に広く認識されていたことは、申立人が提示した証拠によって認めることができる。

本件商標は、前半において「COCO」の文字を有しているから、出願人が本件商標を引用商標の使用に係る上記商品と需要者を同一にし、その用途面からも同時に使用することも間々ある間柄の指定商品に使用するときは、恰もその商品が申立人及び申立人と何らかの関係にある者の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同させるおそれが多分にあるといわざるを得ない。

以上のことから、前記「COCO」(「ココ」)は、本件商標出願前から、本件指定商品を含むファッション業界において、申立人の創設者であり、著名なデザイナーである「COCO CHANEL」の愛称として広く知られており、また申立人が商品「香水」等に使用して著名な商標であることが明らかである。

また、リサーチ会社「INFOPLAN」による香水の著名度に関する最近の調査においても、トップ3にはすべて申立人の香水がランクされており、前記「COCO」(「ココ」)は香水を使用する人の78%、香水を使用しない人でも60%、トータルで68%の人が知っており、現在においても広く知られていることが明らかであり、申立人の信用の維持のための継続した努力の結果が現れているといえるものである(甲第59号証)。

(2)然るところ、本件商標「Cocomo」からなる商標であり申立人が商品「香水」等に使用して著名な「COCO」(ココ)及びその称呼を含むものであるから、申立人の引用商標に係る「化粧品」を含む本件指定商品に使用されたときには、これに接する取引者・需要者は、恰も申立人の業務に係る商品、又はそのシリーズ商品であるかの如く認識し、その商品の出所について混同を生じるおそれがある。

また、前述のように、申立人は莫大な宣伝広告費を費やして香水「COCO」を広告・宣伝し、その需要を喚起することに努力を注ぎ続けているものである。商標は、このようにして積み重ねられた営業や広告等の実績自体を、商標自体に目に見えない信用としてその価値を化体させ、自らの上に保持するものであるから、本件商標のような商標がその指定商品に使用されることで起こる申立人に係る商品との商品の出所の混同は、申立人が保持する財産的価値を害することにもつながり、商標所有者である申立人にとって重大な損害となるものである。さらに、近年、商品及び人の国際交流の活性化に伴って、日本国内又は外国で周知著名な商標の保護の重要性が一層増してきており、このような社会的要請の高まりによる、最近の国際的な著名商標の保護の潮流、そして日本における近年の不正競争防止法の改正、商標法の改正をも考慮すべきである。

(3)したがって、本件商標がその指定商品に使用された場合、その商品の需要者が申立人の業務に係る商品とその出所について混同するおそれがあるから、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものであり、取り消されるべきである。

3 当審の判断

そこでまず、本件商標と申立人が「香水」に使用する商標として取引者・需要者間に著名であるというレタリング化した「COCO」の欧文字及び「ココ」の片仮名文字を二段に書してなる登録第520006号商標及び「COCO」の文字を書してなる登録第2704127号商標(以下、これらを合わせて「引用商標」という。)との類否を判断するに、本件商標は「Cocomo」の欧文字を書してなるところ、該文字は全体がまとまりよく一体的に表されており、殊更、構成中の「Coco」の文字部分だけを抽出して着目しなければならない特段の事由が存するものとも認められないものである。

そうとすれば、本件商標は、書された文字全体に相応して「ココモ」の称呼のみを生じさせ、一連の造語を表してなる商標とみるのが相当である。

他方、申立人が商品「香水」に使用して著名であるという引用商標は、「COCO/ココ」、及び「COCO」の文字を書してなるものであるから、これよりはいずれも「ココ」の称呼と「ココヤシ・ココナッツ」の観念を生じさせるものというのが相当である。

そして、本件商標より生ずる「ココモ」の称呼と引用商標より生ずる「ココ」の称呼とは、第3音目において「モ」の音の有無の差異を有するが、両称呼の如く短い音構成よりなる称呼にあってはその一音一音が明確に聴取されるものであるから、これを一連に称呼しても称呼上相紛れるおそれはないものといわなければならない。

さらに、本件商標と引用商標とは、文字数の差異により外観上明らかに相違するものであり、また、観念については、上記のとおり本件商標が造語よりなるものと認められるものであるから、引用商標より如何なる観念を生じさせたとしても、この点での両者は比較すべくもないところである。

したがって、本件商標と引用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれの点においても非類似の商標と認められる。

してみれば、本件商標と引用商標とは、上記のとおり商標が著しく相違するものであるから、引用商標が、本件商標の登録出願時に、申立人の業務に係る商品「香水」を表示する商標として、取引者・需要者の間において広く認識されていたものであっても、本件商標をその指定商品に使用した場合、取引者、需要者が、申立人の著名な「COCO」の商標を連想・想起し、その商品が申立人又は申立人と組織的、経済的に何等かの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その商品の出所について混同するおそれはないものと判断するのが相当である。

よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものではないから、同法第43条3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。

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