結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成11年審判第35745号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4229444号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成7年9月21日に登録出願され、「Novit」の文字と「ノビット」の文字とを二段に左横書きしてなり、第5類「薬剤,包帯」を指定商品として、同11年1月14日に設定登録されたものである。
請求人の引用する登録第1010592号商標(以下、「引用A商標」という。)は、昭和42年1月30日に登録出願、「ノビック」の文字を左横書きしてなり、第1類「化学品(他の類に属するものを除く)薬剤、医療補助品」を指定商品として、同48年4月26日に設定登録、その後、指定商品については、商標登録の取消の審判により、その指定商品中「化学品」について取り消すべき旨の審決がされ、その確定審決の登録が平成11年11月10日にされているものである。同じく、登録第1010593号商標(以下、「引用B商標」という。)は、昭和42年1月30日に登録出願、「NOVIC」の文字を左横書きしてなり、第1類「化学品(他の類に属するものを除く)薬剤、医療補助品」を指定商品として、同48年4月26日に設定登録、その後、指定商品については、商標登録の取消の審判により、その指定商品中「化学品」について取り消すべき旨の審決がされ、その確定審決の登録が平成11年12月15日にされているものである。
請求人は、「本件商標の登録は、無効とする。審判費用は、被請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし同第10号証を提出した。
本件商標は、その構成文字に相応して「ノビット」の称呼を生ずるものであり、引用各商標も、その構成文字に相応して、いずれも「ノビック」の称呼を生ずるものである。
しかして、本件商標より生ずる「ノビット」の称呼と両引用商標より生ずる「ノビック」の称呼とは、共に促音を含む4音構成よりなるうち、称呼における識別上、最も重要な要素となる語頭部分を全く同一としており、僅かに語尾における「ト」音と「ク」音において差異を有しているものの、元々、語尾における音は、明瞭に称呼され、明確に聴取され難い弱い音となるばかりでなく、その差異音である「ト」音と「ク」音とても、共に無声子音「t」と「k」と弱音の奥母音「o」と「u」との結合した音節であり、しかも、その前音が促音である関係上、第2音の「ビ」の音にアクセントがかかり強く発音され、その結果、語尾音は、益々微弱音となるものであるから、これらを全体として、一連に称呼するときは、両者の語調、語感は、互いに相近似したものとなり、これらに接する聴者をして、彼此の称呼を聞き誤らせるおそれの充分にある、互いに相紛らわしい称呼であるといわなければならない。
上記主張理由の正当性を立証すべく、過去の審決例(甲第6号証ないし同第10号証)を提出する。
したがって、本件商標は、引用各商標と称呼において類似する商標であり、かつ、その指定商品においても、互いに抵触していること明らかなところであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし同第5号証を提出した。
本件商標と引用各商標は、称呼において、語尾の「ト」と「ク」の音に差異を有するものであるところ、前者の「ト」は舌尖を上前歯のもとに密着させて発せられ、後者の「ク」は後舌面を軟口蓋に接して発生させるとともに破裂音であるばかりか、帯有する母音も「o」と「u」の差異があり、互いに音の種類や調音域を異にする異質の音であるから、全体の称呼に与える影響も大きいものであり、しかも、当該差異音は、前音「ビッ」が促音を伴うものであることから、一拍おいて一気に発音され、その差異がより一層明確に発音・聴取されるというべきものである。
さらに、本件商標と引用各商標は、全体の音数が4音という極めて短いものであるから、当該差異音が全体の称呼に与える影響は一層大きいものである。
してみれば、本件商標と引用各商標とは、それぞれを一連に称呼するも、明瞭に聴別され、相紛れるおそれはないというべきものであり、両商標は、外観、観念においても相紛れるおそれのない非類似の商標である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではない。
本件商標は、「Novit」の欧文字と「ノビット」の片仮名文字を上下二段に書してなるものであるから、その構成文字に相応して「ノビット」の称呼を生ずるものである。
他方、引用A商標は、「ノビック」の片仮名文字を横書きしてなり、引用B商標は、「NOVIC」の欧文字を横書きしてなるものであるから、それぞれの構成文字に相応して、いずれも「ノビック」の称呼を生ずるものと認められる。
そこで、本件商標より生ずる「ノビット」の称呼と引用各商標より生ずる「ノビック」の称呼とを比較するに、両者は、共に4音構成よりなり、語尾において「ト」と「ク」の音に差異を有するものである。
しかして、該差異音である「ト」と「ク」の音は、前者が舌尖を上前歯のもとに密着させて破裂させる子音「t」と半開き母音「o」の結合した音であるのに対して、後者が後舌面を軟口蓋に接し破裂させて発する子音「k」と口の開きの小さな狭母音「u」の結合した音であって、互いに調音の位置や調音域を異にする異質の音であり、いずれも、明瞭に聴取し得る破裂音である。
してみれば、この差異は、語尾における差異とはいえ、短い音構成からなる両称呼に与える影響は決して小さいものとはいえず、両称呼は、これをそれぞれ一連に称呼するも、十分区別し得るものと判断するのが相当である。
この点について、請求人は、「ビ」の音にアクセントがかかり強く発音されることから、語尾音は一層微弱音になる旨主張しているが、造語からなる両商標にあっては、どの音にアクセントがかかるかは、必ずしも定かではないが、「ビ」の音にアクセントがかかるとしても、該語尾音の「ト」と「ク」の音は明瞭に聴取され、それぞれを一連に称呼するも、十分区別し得るものである。
次に、両商標の観念及び外観についてみるに、本件商標と引用各商標は、いずれも特定の意味を有しない造語よりなるものであるから、観念においては比較することができないものであり、外観上も区別し得る差異を有するものである。
そうとすれば、本件商標と引用各商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれにおいても類似しない非類似の商標といわなければならない。
なお、請求人は、審決例を挙げて主張するところあるが、それらの商標は、いずれも、本件事案とは商標の構成を異にし、その構成音数も異にするものであるから、本件商標と引用各商標における上記した判断を左右することにはならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものでないから、商標法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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