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Trademark Appeal Case

農法名称の品質表示

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2000−4221(T2000−4221/J1)
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「永田農法」の文字(標準文字)を横書きしてなり、第29類「食肉,食用魚介類(生きているものを除く。),肉製品,加工水産物,豆,加工野菜及び加工果実,冷凍果実,冷凍野菜,卵,加工卵,乳製品,食用油脂,カレー・シチュー又はスープのもと,なめ物,お茶漬けのり,ふりかけ,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,食用たんぱく」、第30類「コーヒー及びココア,コーヒー豆,茶,調味料,香辛料,食品香料(精油のものを除く。),米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン,穀物の加工品,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,菓子及びパン,即席菓子のもと,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,アーモンドペースト,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,氷,アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,酒かす,ホイップクリーム用安定剤」、第31類「あわ,きび,ごま,そば,とうもろこし,ひえ,麦,籾米,もろこし,うるしの実,コプラ,麦芽,ホップ,未加工のコルク,やしの葉,食用魚介類(生きているものに限る。),海藻類,獣類・魚類(食用のものを除く。)・鳥類及び昆虫類(生きているものに限る。),蚕種,種繭,種卵,飼料,釣り用餌,果実,野菜,糖料作物,種子類,木,草,芝,ドライフラワー,苗,苗木,花,牧草,盆栽,生花の花輪,飼料用たんぱく」、第32類「ビール,清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,乳清飲料,ビール製造用ホップエキス」、第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」及び第34類「たばこ,紙巻きたばこ用紙,喫煙用具(貴金属製のものを除く。),マッチ」を指定商品として、平成11年3月11日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、『永田農法』の文字を書してなるところ、該文字は、『植物のもつ生命力を生かすことで、稲本来の個性を引きだす』ことを念頭にする農法の一で、『肥料をほとんど使わず、根を充分発達させ吸収力を強めるために、農薬・除草剤を使用しない』で農作物を作るとするものであり、また、米等の穀物、ぶどう等の果物、白ねぎ等の野菜を上記永田農法により作っている実情がみられることを併せ考慮すれば、『肥料をほとんど使わず、かつ、農薬・除草剤を使用しないで作った(もの)』の意味を認識させるものであるから、これをその指定商品中、上記文字に照応する商品、例えば,豆,加工野菜及び加工果実,冷凍果実,冷凍野菜,コーヒー豆,茶,米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類,穀物の加工品,あわ,きび,ごま,そば,とうもろこし,ひえ,麦,籾米,もろこし,うるしの実,コプラ,麦芽,ホップ,果実,野菜,糖料作物,種子類,草,芝,苗,苗木,牧草,並びに穀物、果物を原材料とする日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒等について使用するときは、単に商品の品質を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、「永田農法」の文字を書してなるところ、その構成中、「農耕の方法」を意味する「農法」の文字の前にある「永田」の文字は、姓氏の一つとしての意味を有するものである。

しかも、「永田農法」についてみるに、2000年11月10日の読売新聞(西部朝刊)の30頁には、「[挑む 21世紀の九州・西中国 第3部]〈2〉逆転の発想(連載)」の見出しの下に、「〜天草出身の永田照喜治(てるきち)さん(74)(現在、静岡県浜松市在住)が考案した『永田農法』だった。水と肥料を最小限に抑えれば根が発達し、必死で養分を吸い上げようとする植物本来の能力に目を付けた農法で、不毛の地こそ適地とする“逆転の発想”だ。」の記載、さらに、「『永田農法』は、約五十年ほど前、永田さんが、岩山ばかりで水が少ない天草で、つるはしで岩を砕きながら植えたミカンが、意外に甘い実をつけたことにヒントを得た栽培法。」の記載があり、1998年3月29日の産経新聞(東京朝刊)の27頁には、「【SUNDAYスクランブル】野菜“スパルタ栽培” わずかな水、肥料...」の見出しの下に、「『永田さんの作り方は、ほかと違うから』 永田さん―。この農法の考案者、永田照喜治さん(七二)のことである。〜永田さんは、大学卒業と同時に農業を始めた。このときたまたま痩せた岩山に植えた作物が、肥えた平地のものより味がよく、これに驚いて研究を始めた。大学教授の研究や野菜の現産地ルポとの出合いもあり、栽培にはチッ素(N)、リン(P)、カリウム(K)の基本三要素で十分なこと、そのためには三要素の液体肥料が役立つこと、作物の原産地の環境を再現すれば本来のおいしい味になること、などをつきとめた。」の記載、さらに、「雁屋哲氏の漫画『美味しんぼ』(第七巻)で紹介され、一般家庭にも浸透。スーパー、百貨店、宅配などでも扱うところが出てきた。」の記載があり、1998年2月16日の高知新聞(朝刊)の6頁には、「おらんく経済 山田錦・高育54号 県内酒造業界 地場産米に熱い視線 “完全地酒”造り目指し 中小が個性化の目玉に」の見出しの下に、「同社は、水や肥料を極力与えない環境で作物本来の生長力を引き出すという『永田農法』で、すぐれた品質の山田錦の栽培に成功した。〜九年に収穫した一トン強は同農法の考案者、永田照喜治さん(静岡県在住)も驚く出来栄え。」の記載があり、1997年12月28日の高知新聞(朝刊)の22頁には、「司牡丹酒造 永田農法の完全地酒 昔ながらに酒槽しぼり 出来は上々、関係者期待 来春商品化へ」の見出しの下に、「『永田農法』による地元産の酒米を使った地酒造りに取り組んでいる〜『永田農法』は静岡県の農業研究家、永田照喜治さんが考案。水や肥料を極力与えない厳しい環境で育てるため、作物本来の生長力やうまみを引き出すとされており、『スパルタ農法』とも言われている。」の記載があり、1997年11月21日の東京新聞(朝刊)の19頁には、「『永田農法』の永田照喜治さん 農業界に新たな風 大手クレジットカード会社と提携 “本物”の野菜や果物、販売事業スタート」の見出しの下に、「『これからの日本農業を背負うのは、専業農家より兼業農家。とくに大きな役割を担うのは“市民農園”ではないか』――。大胆な説を唱えるのは永田照喜治(てるきち)さん(73)。自らもまったくの素人の立場から農業と取り組み続け、『永田農法』の名で知られる独創的な栽培法を確立した農業界の異端児だ。その永田さんの作物の見事さに着目した大手クレジットカード会社が、同農法の野菜や果物などの販売事業を本格的にスタート。」の記載があり、1997年6月15日の高知新聞(朝刊)の25頁には、「佐川町の司牡丹酒造 酒米も地元栽培 県内初『永田農法』で」の見出しの下に、「十四日には町内で田植えが行われ、植物本来の味を引き出す『永田農法』で酒米を育て、来春には“完全地酒”が市場に出る予定だ。〜同農法は、『永田農業研究所』を主宰する永田照喜治さん=静岡県在住=が考案。水や肥料を極力与えない厳しい環境で育て、植物が本来持つ力を引き出すことにより一般農法よりも茎や根が強く発達する。」の記載があり、1996年2月14日の朝日新聞(東京地方版/栃木 栃木版)には、「おいしさを哲学する フォーラムで披露 宇都宮 /栃木」の見出しの下に、「〜『永田農法』を開発し、福島県新地町を中心に実践している永田照喜治氏、〜ら六人をパネリストに迎え、〜食材に対する哲学に耳を傾けた。」の記載、さらに、「永田氏は、やせた土地でごく少ない水と肥料しか与えないという、野菜の原産地に近い生育環境のもとで、植物が本来持っている生命力を最大限に引き出す農法を確立した。四十年にわたる実践を通して、例えばトマトなら通常の五倍近い糖度にする方法を開発したという。」の記載があり、また、1994年12月14日の日経産業新聞の25頁には、「日本ダイナースクラブ、健菜倶楽部――独自農法アピール(追跡話題の商品)」の見出しの下に、「日本ダイナースクラブ(東京・渋谷、雑喉良祐社長)の野菜宅配サービス『ダイナース健菜倶楽部』が、利用者を順調に増やしている。九三年九月にサービスを開始して以来、約一年で年間契約者は千人(世帯)を突破、週一回四千五百円という高額にもかかわらず、新規契約が増え続けているという。『永田農法』と呼ばれる独特の手法で栽培した野菜のおいしさが、ヒットの最大の要因だ。」の記載、さらに、「永田農法は農業研究家の永田照喜治氏が考案し、現在、永田氏から直接指導を受け生産する契約農家が全国で約一万軒ある。その原理は、『野菜の真のうまみを引き出すため、その野菜の原産地に近い環境を人工的につくり育てる』というもの。」の記載がある。そして、請求人提出の各種資料に加え、これらの新聞記事の記載を総合的に勘案するならば、「永田農法」とは、請求人(法人)の代表者である永田照喜治氏が考案した農法で、その農法の具体的な特徴が水や肥料を極力与えない厳しい環境で作物を育て、作物本来の生長力やうまみを引き出す点にあることが認められる。

してみれば、本願商標は、その指定商品の取引者又は需要者をして、単に、水や肥料を極力与えない厳しい環境で育てられた作物である旨を理解されるにとどまるというのではなく、永田照喜治氏が考案した農法としても認識されるとみるを相当とするから、これを商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるとは認めることができない。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。

その他、本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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