結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成11年審判第30367号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第2022193号の2商標(以下、「本件商標」という。)は、昭和60年4月26日登録出願、商標の構成を「STEREX」の欧文字及び「ステレックス」の片仮名文字とし、指定商品を第10類(平成3年9月25日政令第299号による改正前の商標法施行令第1条に基づく「商品の区分」,以下、「旧類別」という。)に属する商標登録原簿記載のとおりのものとして、昭和63年2月22日に設定の登録がされた登録第2022193号商標を原商標権とするものである。そして、その後、原商標権について、権利の一部譲渡による分割移転の登録(平成6年10月11日)があった結果、その指定商品を「医療機械器具、これらの部品および附属品」とする本商標権の登録がされたものであって、本商標権は平成10年9月6日に存続期間の更新登録がされているものである。
請求人は、結論同旨の審決を求める、と申し立て、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第3号証(枝番を含む)を提出した。
(1)取消事由
本件商標は本件審判請求日現在において既に登録後3年以上経過しており、しかもこの間、被請求人は本件商標をその指定商品「医療機械器具、これらの部品及び附属品」について、継続して過去3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても使用した事実は存在しない。よって、商標法第50条1項の規定によりその登録は取り消されるべきである。
(2)弁駁の理由
被請求人は、答弁書において、本件商標を「脱毛機械器具、脱毛用針」に使用してきており、「脱毛機械器具、脱毛用針」は本件審判請求にかかる指定商品「医療機械器具、これらの部品及び附属品」中の「手術用機械器具」の範疇に属する商品であるとし、その理由として乙第4号証を挙げ、当該「脱毛機械器具」の試験が高周波電子手術機器用ヨーロッパ規格EN60601‐2‐2に基づいて行われたことを根拠としている。
しかし、当該試験が高周波電子手術機器用ヨーロッパ規格EN60601‐2‐2に基づいて行われたということが直ちに、当該「脱毛機械器具」が「手術用機械器具」ひいては「医療機械器具」の範疇に属するものであるということにつながるものではない。確かに「脱毛」は病院等の医療機関でも行われているが、「脱毛」はエステティックサロン等においても行われており、医療機関における行為に限られていないのが現状である。
社団法人発明協会発行の「商品及び役務区分解説」によれば、「医療用機械器具」の範疇に属するものとして、「医院又は病院で専ら使用される機械器具がこの概念に属する。」と記載されている(甲第2号証)。
そうすると、医療機関以外においても使用されている「脱毛機械器具、脱毛用針」に関しては「医療用機械器具」の範疇に属するとはいえない。因みに登録事例(2例)では、医師により処置されるべきとされている「レーザー脱毛」に使用すると思われる「レーザー又は高周波を利用した業務用脱毛機」ですら、第10類の「医療機械器具」の範疇としてではなく、第11類で登録されている。また、「脱毛機」については他にもいくつかの登録例があるが(第3号証)、「家庭用」と「業務用」とで第8類と第11類に分かれているだけで、第10類の「医療機械器具」の範疇で登録されている例は一切見当たらない。したがって、「脱毛機械器具、脱毛用針」は、本件審判請求にかかる指定商品「医療機械器具、これらの部品及び附属品」の範疇に属するとはいえない。
したがって、被請求人は、本件審判請求登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者、通常使用権者のいずれかが、本件商標を旧類別第10類「医療機械器具、これらの部品及び附属品」について使用していることを証明したことにはならないから、提出された証拠は採用されるべきではない。
被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第8号証を提出した。
(1)本件商標は、本件商標権者たる「ステレックス・エレクトロリシス・インターナショナル・リミテッド」社の製造に係る「医療機械器具、これらの部品及び附属品」を、「東京都新宿区神楽坂6−46」在の「株式会社インターフェース」が輸入し、本件審判の予告登録日である平成11年4月21日以前より、前記「株式会社インターフェース」により使用されているものである。
(ア)乙第3号証は、本件商標の権利者である「ステレックス・エレクトロリシス・インターナショナル・リミテッド」社の代表取締役社長である「ダグラス・ジョン・カートメル」氏の作成に係わる法定宣言書である。同社が、本件商標を付した「脱毛器、脱毛用針」を少なくとも1998年2月6日から1999年2月8日の期間を通じて日本に輸出し、これら「脱毛機械器具、脱毛用針」が前記「株式会社インターフェース」を代理店として、日本において販売されていることが宣言されている(乙第3号証に添付の英文カタログの原本は追って補充する。)。
(イ)本宣言書の第2号証として添付のインボイスに記載の商品番号と実際商品との対応は、商標権者会社の代表取締役社長の作成による法定宣言書に第1号証として添付の英文カタログ並びに乙第8号証に照らし、「Sterex SX−B Blend Epilator」が「脱毛機械器具」、「Stainless Twopiece Probes F3S」、「Gold Twopiece Probes F3G」、「Stainless Twopiece Probes K4S」等(「Probes」の代わりに「Needles」の語が使用されている箇所もあるが、両者は同一商品である。)が、前記「脱毛器」と共に使用する「脱毛用針」であること、更に、これら商品にはいずれも「STEREX」或いは「ステレックス」の商標が付されていることは明白である。
(ウ)同社の製造に係わる「脱毛器、脱毛用針」が、ヨーロッパ共同体が定めた医療機械器具に課せられた必要条件をすべて満たし、承認された「医療用機械器具」であることは、乙第3号証として提出の本件商標権者会社の代表取締役社長による法定宣言書中の記載並びに乙第4号証乃至同第5号証として提出のヨーロッパ共同体における認可及び証明書類から明らかである。
とりわけ、乙第4号証において「高周波電子手術機器」として試験され、「第98062号」として認可された「脱毛器SX−B」は、乙第3号証に第2号証として添付のインボイス中の「STEREX SX−B BLEND EPILATOR」と同一製品であって、本件商標の使用商品が旧類別第10類中の「手術用機械器具」の範疇に属する商品であることを証左するものである。
(エ)乙第6号証乃至同第8号証は、前記「株式会社インターフェース」によって製作・発行され、日本国内の需要者に頒布されている印刷物である。(尚、これらの印刷物の印刷者による納品書等の伝票類又は証明が必要であるならば、提出する用意がある。)。
(オ)以上により、本件商標が本件審判の予告登録前3年以内に日本国内において、その指定商品について使用されている事実は明らかである。
本件商標は、商標の構成を「STEREX」、「ステレックス」の各文字とし、指定商品を旧類別第10類「医療機械器具、これらの部品および附属品」とすること、前記のとおりである。
ところで、旧類別第10類は、いわゆる精密機械器具と称する各種機械器具を収めた類(区分)であって、このうち医療機械器具又はこれらの部品および附属品とされるものは、医院又は病院で専ら使用される機械器具がこれに属するものと解するのが相当であって、「医療用X線装置」のような特定用途に専用されるものは電子応用のものであっても、旧類別第11類(「電子応用機械器具」)には所属せず、「医療機械器具」に属させるものと解される。したがって、医院又は病院で専用される機械器具でなく、一般家庭用又は医療機関以外の設備機関(健康産業関連施設、美容・理容産業関連設備等)において用いられる機器類等は、特段の事情を有しない限り、旧類別第10類の「医療機械器具、これらの部品および附属品」の概念には含まれないと解するのが相当である。
そこで、本件審判において、被請求人(商標権者)が本件商標の使用であると述べる「脱毛器、脱毛用針」が旧類別第10類「医療機械器具、これらの部品および附属品」に属するものか否かの点、すなわち、本件商標がその指定商品について使用されたものかどうかの点について、以下、検討する。
(1)被請求人の提出に係る乙第3号証(被請求人会社代表者の法定宣言書)によれば、本件商標を付した被請求人会社(「ステレックス・エレクトロリシス・インターナショナル・リミテッド」)の製造・販売に係る「脱毛器、脱毛用針」(以下、「本件商品」という。)が1998年2月6日から1999年2月8日の期間に亘って我が国の代理店会社「株式会社インターフェース」(以下、「代理店会社」という。)を通じて一定程度輸入され販売されていた事実を認めることができる。
しかしながら、同じく提出された乙第6号証ないし乙第8号証(代理店会社の発行に係る「INTER FACE TODAY」なるタイトルの当該事業概況を報ずる月報形式の印刷物3葉)をみると、本件商品は、専ら我が国のいわゆるエステティック・サロンないしは理容・美容関連事業者向けのトリートメント用品(肌・髪などの手入れ用品)の一つとして取り扱われ、販売されている状況が明らかである一方、これが医院又は病院等の医療機関において取り扱われている状況は全く示されていないから、この点において、仮に、本件商品が一部の医療機関等において用いられるものとしても、少なくとも医療機関において専用される医療機械器具又はその部品および附属品とみるのは困難といわなければならない。
また、本件商品が我が国における医薬品、化粧品及び医療用具等に関する事項を規制する法令である「薬事法」所定の許認可を受けたものかどうか等の点、すなわち、本件商品の我が国国内における法的適合性及びその流通事情を示す証拠は一切見出すことができない。
被請求人は、乙第4号証及び乙第5号証(「脱毛器」及び「脱毛用針」に係るヨーロッパ共同体市場要件の適合証明書等)により、本件商品が医療機械器具又はその部品及び附属品に該当する旨述べているが、たとえ、その製造に係る「脱毛器、脱毛用針」がヨーロッパ共同体が定めた医療機械器具に課せられた適合要件を満たしその旨承認された医療用機械器具であるとしても、それをもって直ちに我が国所定の法令において定める医療用具として自動的に承認・了解されるものではなく、医療用具として供する場合は当然に我が国所定の法令又は厚生大臣指定等により規制されるものであること前示のとおりであって、我が国の国情を看過したまま、ヨーロッパ共同体市場における適合要件のみを一方的に述べる被請求人の主張は妥当でなく、採用の限りでない。
そうすると、たとえ、本件商品又は本件商標がヨーロッパ各国において相当程度のシェアと周知性を有するものとしても、それをもって我が国において医療機械器具又はその部品および附属品として取り扱われたとする点は明らかでなく、また、本件商品を医療機械器具又はその部品および附属品として取り扱わなければならないような特段の事由も見出せないから、結局、本件商品は「医療機械器具、これらの部品および附属品」に該当するということはできない。このほか、前記認定を覆すに足りる証拠はない。
以上、認定の類別解釈及び我が国における取引事情よりすれば、被請求人主張の本件商品(「脱毛器、脱毛用針」)は、医院又は病院等の医療施設専用の医療器具ということはできないから、これを前提に本件商標の使用を述べる被請求人の主張は妥当でなく、採用の限りでない。その他、被請求人の主張を認めるに足りる証拠はない。。
してみれば、被請求人は、本件商標を我が国において本件審判の請求前3年以内にその指定商品である旧類別第10類「医療機械器具又はその部品および附属品」について使用していたことを客観的に明らかにし得なかったものである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条により、取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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