結論テキスト
審判費用は被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 無効2000−35272(T2000−35272/J3) |
|---|---|
| 審判種別 | 無効 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第4055030号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成8年1月25日に登録出願され、「STELLA CADENTE」の文字を横書きしてなり、第25類「被服」を指定商品として、同9年9月12日に設定登録されたものである。
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし同第24号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第10号について
請求人は、デザイナー「ス夕ニスラシア・クライン」のデザインしたアクセサリー、被服等を取扱うフランス法人であり、「STELLA CADENTE」の商標(以下、「引用商標」という。)の下にこれらの商品を販売しており、フランスにおいて商標登録を有している(甲第1号証)。
我国においては、1990年代初頭から請求人の商品が販売されるようになり、多数の代理店を通じて大量の商品を販売している(甲第2号証ないし甲第4号証)。
また、引用商標は、「FIGARO」、「SPUR」、「EPHEMERES」、「流行通信」、「Grand Magasin」、「JJ」、「TOKYO SANTA」、「MORE」、「ViVi」、「Hanako」、「FEMME」、「装苑」、「FELlSSIMO」等の著名雑誌においても多数紹介されており(甲第5号証ないし甲第19号証)、引用商標は、本件商標の出願日前はもとよりその査定時においても、被服、アクセサリーの分野において著名性を有していたものである。
そして、本件商標と引用商標は、ともに「STELLA CADENTE」の欧文字からなり、両商標は明らかに同一のものであり、請求人が扱う商品は被服であるから、本件商標の指定商品と同一又は類似であることも明らかである。
したがつて、本件商標は、その出願日前に被服の分野において周知・著名であった引用商標と同一の商標であって、同一又は類似の商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものである。
(2)商標法第4条第1項第15号について
仮に、引用商標が本件商標の出願日前に、被服について著名でなかったとしても、引用商標は、当初アクセサリー類を中心として販売され、まず、アクセサリーの分野において著名となったものであるから、少なくとも、アクセサリー類について著名性を有していたことは上記証拠から明らかである。
そして、近年のファッションは、被服とアクセサリーその他の身飾品をトータルコーディネートする傾向にあり、アクセサリーと被服は、その需要者及び流通経路を同一とし、極めて密接な関係を有する商品である。
かかる事情の下、本件商標がその指定商品に使用されるときは、需要者は、アクセサリーについての著名な引用商標を容易に連想し、その商品が請求人の製造販売に係る商品であるかの如く出所について混同を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。
(3)商標法第4条第1項第7号及び同第19号について
請求人は、「瀧定」という代理店を我国に有しており(甲第21号証及び甲第22号証)、この代理店は、被請求人の得意先に当たる会社であって(甲第23号証)、請求人の代理店と被請求人とは、密接な関係にあることを考慮すれば、被請求人は、引用商標が請求人の使用に係る商標であることを当然に知っていたはずであり、しかも、本件商標が出願された平成8年は、請求人が被服の販売に積極的に取り組み始めた時期と一致するものである。
このような事情の下、本件商標を出願するという行為は、請求人の著名商標に化体した信用にフリーライドし、請求人の国内参入を阻止する等の不正の目的が容易に推測されるものであり、又、被請求人の上記行為に基づいて登録された本件商標は、公正な取引秩序を乱し、国際信義に反し公の秩序を害するものである(甲第24号証)。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号及び同第19号に違反して登録されたものである。
被請求人は、本件審判の請求に対して、答弁していない。
請求人の提出に係る甲各号証によれば、請求人は、デザイナー「ス夕ニスラシア・クライン」のデザインしたアクセサリー、被服等を取扱うフランス法人であり、引用商標である「STELLA CADENTE」の商標の下に、これらの商品を販売していたこと、我国においては、多数の代理店を通じて請求人の商品が販売され、その販売額は、本件商標の出願前である平成6年度においては、総額1041011フラン、平成7年度においては、総額1080115フラン(被服:330770フラン、アクセサリー他:749345フラン)となっていたこと(甲第2号証及び甲第3号証)を認めることができる。
そして、引用商標が使用されているアクセサリー、被服についての紹介記事は、「FIGARO(94年2月号)」(甲第5号証)、「SPUR(95年7月号)」(甲第6号証)、「EPHEMERES(95年12月号)」(甲第7号証)の各雑誌に掲載されており、雑誌の発行日が本件商標の出願後のものではあるが、その記事内容から出願前の事情を窺うことができるものとして、「流行通信(96年5月号)」(甲第8号証)、「JJ(97年6月号)」(甲第10号証)、「TOKYO SANTA(97年9月号)」(甲第11号証)、「ViVi(97年11月号)」(甲第13号証)等の雑誌があり、これらも含めれば、かなりの数の雑誌に紹介されていたことを認めることができる。
以上の事実に照らしてみれば、引用商標は、少なくとも、申立人の業務に係る「アクセサリー類」については、本件商標の登録出願前から、既に、我が国における取引者・需要者間において周知・著名な商標となっていたものであり、又、「被服」についても、相当程度広く知られていたものであることを認めることができる。
しかして、本件商標は、前記のとおり、「STELLA CADENTE」の欧文字よりなるものであるところ、これは、請求人の使用に係る引用商標と同一の構成からなるものであり、しかも、この語は、「流れ星」の意味を有するイタリア語ではあるが、我が国において、一般に親しまれている語ではなく、むしろ、造語商標的な独特の構成からなる商標といえるものである。そして、本件商標の指定商品である「被服」と請求人の業務に係る「アクセサリー類」とは、トータルファッションの関連から互いに密接な関係を有する商品であるばかりでなく、引用商標は、被服についても使用されていたものである。
してみれば、商標権者が本件商標をその指定商品である「被服」について使用するときは、これに接する取引者・需要者は、前記した実情よりして、請求人の使用に係る著名な商標である「STELLA CADENTE」を想起し、該商品が請求人の業務に係る商品、又は、請求人と組織的若しくは経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように誤認し、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものといわなければならない。
そして、この点を述べる請求人の主張に対して、被請求人は何ら反論するところがない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすべきである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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