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Trademark Appeal Case

称呼類似と周知商標の混同

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成11年審判第35653号
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4218206号の登録を無効とする。
審判費用は被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第4218206号商標(以下、「本件商標」という。)は、「LEROUX」の文字と「ルルー」の文字を二段に横書きしてなり、平成8年8月27日に登録出願され、第30類「コーヒー豆,みそ,ウースターソース,ケチャップソ−ス,しょうゆ,食酢,酢の素,そばつゆ,ドレッシング,ホワイトソース,マヨネーズソース,焼肉のたれ,角砂糖,果糖,氷砂糖,砂糖,麦芽糖,はちみつ,ぶどう糖,粉末あめ,水あめ,ごま塩,食塩,すりごま,セロリーソルト,香辛料」を指定商品として、平成10年12月4日に設定登録されたものである。

第2 請求人の主張

1 請求の趣旨

結論掲記の審決

2 請求人の引用商標

(1)請求人の所有する引用登録第66124号商標(以下、「引用1商標」という。)は、「LULU」の欧文字を横書きしてなり、第1類「化学品、薬剤及び医療補助品一切」を指定商品として、大正3年5月1日登録出願、同3年6月22日設定登録、昭和8年10月23日、同28年10月8日、同49年10月30日、同59年6月20日及び平成6年5月30日に商標権の存続期間の更新登録がされ、現に有効に存続しているものである。

同じく登録第590192号商標(以下、「引用2商標」という。)は、「ルル」の文字を横書きしてなり、第1類「化学品、薬剤及び医療補助品」を指定商品として、昭和35年9月12日登録出願、同37年6月20日設定登録、昭和47年10月18日、同57年6月25日及び平成4年6月29日に商標権の存続期間の更新登録がされ、現に有効に存続しているものである。

(2)請求の理由の要旨

(a) 請求人は、以下の理由により、本件商標は商標法第4条第1項第10号及び同第15号に該当するにもかかわらず登録されたものであるから、その登録は同法第46条第1項の規定により無効とされるべきである。

(b) 請求人の提出に係る、昭和59年10月20日、商標調査会発行の「日本商標名鑑’84」、同63年6月20日、同上「日本商標名鑑’88」、平成3年9月21日、同上「日本商標名鑑’91」、同6年11月20日、同上「日本商標名鑑’94」及び同9年10月1日、同上「日本商標名鑑’97」、1970年及び1998年社団法人日本国際工業所有権保護協会(AIPP1・JAPAN)発行の「FAMOUS TRADEMARKS IN JAPAN 日本有名商標集」、昭和26年10月24日、薬事日報社発行の「薬事日報」第1446号、平成7年11月30日、株式会社薬業時報社発行の「一般薬日本医薬品集」、1993年6月21日、株式会社富士経済発行の「’93 一般用医薬品データブック(上巻)」及び1998年4月9日、同上「’98 一般用医薬品データブック(中巻)」及び平成7年8月8日、同8年8月8日及び同9年8月8日、薬事日報社発行の「医薬品・医療衛生用品価格表」の各記載によれば、引用1商標及び引用2商標は、請求人の業務に係る商品「総合感冒薬」を表示するためのものとして、少なくとも昭和26年以降、今日に至るまでの永年の間、継続して使用され、かつ、請求人による盛大なる宣伝、広告活動がなされているばかりでなく、上記甲第16号証及び同第17号証に示す通り、請求人の業務に係る一般大衆用医薬品の市場占有率(マーケットシェア)は、日本全国で第2位を占めており、しかも、「ルルブランド」はその柱となっている事実等と相侯って、本件商標の登録出願以前より、取引者及び需要者の間において、極めて広く認識されているものであることは、特許庁においても、顕著なる事実であると確信されるところである。

(3)引用1商標及び引用2商標の商標登録原簿謄本及び商標公報の各記載によると、引用1商標及び引用2商標を、原登録商標として、それぞれ(旧)第4類、第10類、第31類、第32類、第30類及び第29類の各商品を指定商品として、防護標章登録がなされている事実がある。更に、引用1商標を、原登録商標として、国際分類の第3類、第4類、第2類、第18類、第22類、第23類、第24類、第25類、第26類、第29類、第30類、第31類、第32類、第33類、第14類、第16類、第21類、第1類、第5類及び第9類の各商品を指定商品として、防護標章登録がなされており、引用1商標及び引用2商標は、周知著名である。

(4)引用1商標及び引用2商標の構成要素である「LULU」及び「ルル」の各文字から生ずる「ルル」の称呼と類似すること明らかな本件商標を、その指定商品について使用をするときは、請求人の業務に係る、上記著名商標を付した商品「総合感冒薬」等の一般保健市販薬が、最近、コンビニエンスストアやスーパー等で、販売されることが認められ、また、逆に、本件商標の指定商品中の、ダイエット食品等の、所謂、健康食品が、薬屋又は薬局と称する同一の販売場所において、相近接して陳列されている実情に鑑みるとき、本件商標を付した商品は、請求人の業務に係る上記商品と、同一の取扱者に係る商品であるかの如く、それらの商品の出所につき、取引者及び需要者をして、誤認、混同を生ぜしめるおそれのある商標である。

(5)請求人の上記主張理由の正当性を立証すべく、本件商標登録無効審判事件と同じ、著名商標との出所の混同の有無を争点とする、特許庁における過去の審決例を次に挙げて、請求人は、これを自己の主張理由に有利に援用する。

(a) 昭和54年審判第4491号(昭和54年2月5日審決)

(b) 昭和40年審判第7205号(昭和43年3月6日審決)

(c) 昭和41年審判第4544号(昭和45年11月30日審決)

(d) 昭和47年審判第419号(昭和45年12月4日審決)

(e) 昭和43年審判第4258号(昭和46年8月19日審決)

(f) 昭和42年審判第6248号(昭和55年10月15日審決)

(g) 昭和45年審判第5790号(昭和53年9月22日審決)

(h) 昭和47年審判第3829号(昭和53年4月27日審決)

(i) 昭和44年審判第528号(昭和45年7月7日審決)

(j) 昭和44年審判第9954号(昭和53年10月18日審決)

(6)更に、請求人が、別件、平成7年商標登録願第9899号に対してなした商標登録異議申立事件において、『本願商標は、「ルルココ」「LULUCOCO」の文字よりなるが、これが全体として格別の意味合いに通ずるものとは認められず、常に不可分一体にのみ把握、認識しなければならない格別の事情はないから、申立人が「総合感冒薬」に使用して著名な「LULU」、「ルル」を構成中に含んでいるものといわざるを得ず、「総合感冒薬」等の一般市販薬と本願商標の指定商品である「せっけん類、化粧品」等が、同一の流通・販売経路を採ることが決して少なくないことを考慮すると、本願商標は、これをその指定商品について使用するときは、該商品が、恰も申立人或いは申立人と何らかの関係ある者の業務に係る商品であるかの如く、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものと判断するのが相当である。』という理由をもって、理由があるものとの決定を受けている事実がある。

(7)特許庁ホームページに「日本国周知・著名商標検索」として掲載されており、更には、日本・AIPPIの作成に係る「日本有名商標集」にも、請求人の上記引用1商標及び引用2商標が掲載され、請求人の該引用1商標及び引用2商標は、周知・著名商標であることに、疑いの余地がない。

(8)してみれば、本件商標は、引用1商標及び引用2商標と、称呼において、彼此相紛らわしい類似の商標であるばかりでなく、引用1商標及び引用2商標は、請求人の業務に係る商品「総合感冒薬」を表示するためのものとして、本件商標の登録出願以前より、取引者及び需要者の間において、極めて広く認識されている商標であるので、これをその指定商品について使用するときには、両者の商品が、所謂、薬屋(薬局)等、若しくは、コンビニエンスストアやスーパー等の同一店舗において、隣接又は極めて近接した場所に陳列され、販売されている実情を勘案するとき、これらの商品が、請求人の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所につき、取引者及び需要者をして、誤認、混同を生じさせるおそれのある商標であるといわなければならず、本件商標は、商標法第4条第1項第15号の規定に違反して登録されたものである。

したがって、本件商標は、商標法第46条第1項第1号の規定に基づいて、その登録は、無効とされるべきものである。

3 証拠方法

請求人は、証拠として甲第1号証ないし同第42号証を提出している。

第3 被請求人の答弁

被請求人は、何ら答弁するところがない。

第4 当審の判断

1 本件商標と引用1商標及び引用2商標とを比較検討するに、

本件商標は、「LEROUX」と「ルルー」の文字を二段併記してなり、これよりは、該文字に相応して、「ルルー」の称呼を生じること明らかである。

他方、引用1商標は、「LULU」の文字を横書きしてなり、これよりは、該文字に相応して、「ルル」の称呼を生ずるものと認められる。また、引用2商標は、「ルル」の文字を横書きしてなり、これよりは、該文字に相応して、「ルル」の称呼を生ずること明らかである。

そこで、本件商標の称呼「ルルー」と引用1商標及び引用2商標の称呼「ルル」を比較するに、両者は共に2音よりなり、僅かに語尾において長音「ー」の有無の差を有するのみであって、その長音「ー」にしても、その前音である「ル」の音に吸収されて発音されやすく、称呼の聴別上印象の薄い末尾音の差異が両称呼の全体に及ぼす影響は決して大きいとは言い難く、両称呼は、その全体をそれぞれ一連に称呼するときは、語調、語感相似たものとなって、彼此聴き誤られるおそれがあるものと言わざるを得ない。

したがって、本願商標と引用1商標及び引用2商標とは、外観、観念において差異を有するとしても、称呼上で類似する商標であって、全体として、互いに相紛れるおそれのある商標である。

2 本件商標がその指定商品について使用した場合、請求人又は同人と関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるか否かについて判断するに、

本件商標に係る指定商品は、食料品分野に属するものであるのに対して、引用1商標及び引用2商標は、商品「総合感冒薬」に使用されて著名なものであるが、近年、郊外型の大型店舗やディスカウント志向の強い店舗が増加するなど経営形態が多様化してきているドラッグストアが、医薬品を中心に化粧品、衛生用品、日用雑貨、食料品など日常性の高い商品を販売する小売業態をとっているものであって、本件商標をその指定商品に使用したときは、販売者を同じくする場合も決して少なくなく、取引者、需要者をして、その商品が請求人又は同人と何らかの関係にある者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものといわなければならない。

3 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであるから、その余の無効理由について検討するまでもなく、同法第46条第1項第1号に該当し、その登録を無効とすべきものである。

以上のとおりであるから、請求人の審判請求を認容することとし、審判費用の負担については、商標法第56条第1項、特許法第169条第2項の規定で準用する民事訴訟法第61条の規定を適用して、被請求人が負担すべきものとする。

よって、結論のとおり審決する。

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