結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成11年審判第31318号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第2583739号商標(以下「本件商標」という。)は、「TAM」の文字を書してなり、平成2年11月5日に登録出願、第11類「電気機械器具(回転電気機械、配電用または制御用機械器具、民生用電気機械器具を除く)電子応用機械器具(電子管、半導体素子、電子回路を除く)電気材料」」を指定商品として、平成5年10月29日に設定登録されたものである。
請求人は、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め、その理由を次のように述べ甲第1号証ないし同第5号証(枝番も含む。)を提出している。
被請求人は、本店を出願当時の東京都新宿区西新宿4丁目15番7号より東京都杉並区高円寺北1丁目17番5号、東京都練馬区桜台1丁目1番6号と転々と変えたのち、平成7年8月31日に株主総会の決議によって解散しその清算は平成8年3月29日を以て結了している。そして、本件商標は、その間において、これが第3者に譲渡された事実も無いし、また、この商標権について専用使用権若しくは通常使用権を得ている者も存在しない。
してみると、本件商標は商標権者の上記の清算結了後、尠くとも3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても使用されていないことは明らかであり、本件商標の登録は商標法第50条第1項の規定に基づき取り消されるべきものである。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第14号証(枝番も含む。)を提出している。
(1)本件商標については、乙第1号証に示す商標登録済通知書、及び乙第2号証の譲渡証書に示すとおり、平成12年8月9日付けで、福岡県北九州市八幡西区引野1丁目5番15号のコンピュータエンジニアリング株式会社に権利移転されている。そして、乙第3号証の営業譲渡契約書(コピー)に示すように、現在の本件商標の権利者であり、現在の被請求人であるコンピュータエンジニアリング株式会社(甲)と本件審判請求時の被請求人であり、本件商標の権利者であったタム株式会社(乙)とは平成7年3月22日に契約を交わし、平成7年12月31日を以て乙の営業の全部を甲に譲渡している。
この時点で、乙第4号証に示すように、本件商標「TAM」は、タム株式会社がハウスマークとして使用していた他、電子応用機械器具の一つであるCADシステムを収納した記録媒体及びそれを収納したコンピュータ、並びにそれに使用する機器に使用していた。そして、現在の被請求人が営業の全部譲渡を受けたのちは、被請求人が、夕ム株式会社が行っていた業務をそのまま継承して営業を行い、本件商標を指定商品の一つに継続して使用していた。このことは、以下の事実から明らかである。
乙第4号証は、上記契約の前に乙が作成、使用していたTAM−BOYSeriesのカタログであるが、甲はその内容を変えることなく、乙の使用していたカタログの裏面に甲の名称及び住所が記載されたシールを貼って使用している。参考のために、このカタログの裏面の濃いコピーを乙第4号証の2として提出するが、乙の名称及び住所も重なって薄く記載されていることからも、乙の使用していたカタログであることが分かる。
上述するように、被請求人(甲)が乙より営業の全部譲渡を受け、上記カタログを使用して指定商品の一部の商品をそのまま販売しているので、商標権の移転登録が特許庁において確定していない前であっても、譲受人である被請求人は、本件商標について通常使用権を有するものである。
従って、商標法第50条第1項に規定するように、本件商標の権利者である被請求人が、審判請求登録前3年以内に本件商標を、不使用取消審判に係る指定商品の何れか一つについて使用していれば、本件審判請求は成立しないので、以下、被請求人であるコンピュータエンジニアリング株式会社が、本件商標を使用していることを証明する。
被請求人は、乙第4号証の表紙を除く7頁目に示すように、電子応用機械器具の一部について「TAM商品群」という商標を使用している。ここで、「商品群」は単に説明書きであるので、本件商標を実質的に使用していることになる。
そして、TAM商品群の1つとして、製図用ソフトであるCAD(COMPUTOR AIDED DESIGN)データから製造機械製図用のCAM(COMPUTOR AIDED MANUFACTURING)データに変換させるソフトウエア(即ち、電子計算機用プログラムを記憶させた記録媒体、以下同じ)、及びこれを収納したコンピュータシステムであるTAM−BOYを販売している。
更に、乙第4号証の表紙を除く9頁目に示すように、TAM−BOY用のCADソフトウエアを「TAM CAD」と称して販売している。ここで、商標「TAM CAD」においてCADは製図用ソフトウエアの一般名であるから商標「TAM」が実質的に使用されている。従って、商標「TAM」を本件商標の指定商品である「電子応用機械器具」に属する「電子計算機用プログラムを記憶させた記録媒体」について使用している事は明らかである。
また、乙第4号証のTAM−BOYSeriesのカタログの裏面に貼付されたコンピュータエンジニアリング株式会社のシールには、静岡県浜松市上新屋町238−19の静岡営業所の記載がある。コンピュータエンジニアリング株式会社の静岡営業所は添付の乙第5号証の覚書の写し、乙第6号証の賃貸借契約書の写し及び乙第7号証の建物賃貸借契約解約通知書の写しに示すように、平成8年3月4日から平成9年3月31日迄の凡そ1年間は静岡県浜松市上新屋町238−19に設置、その後、平成9年4月より平成10年3月末日迄は静岡市南町11番1号に移転され、平成10年3月末日で、貸借契約を解約して静岡営業所は閉鎖されたものである。
以上から、コンピュータエンジニアリング株式会社はタム株式会社から営業権を引き継いだ後及び浜松での営業期間である平成8年3月4日より平成9年4月まで、本カタログを継続して使用してTAM商品群(特にTAM−BOYシリーズ及びTAM CAD)の販売を行っていたものである。本カタログが平成9年4月まで継続して使用されていた事実については追って、証明書を提出する予定である。
TAM商品群の中のTAM−BOYSeriesは、その後もTAM−BOY/mini、TAM−BOY/NT、TAM−BOY等の名前で継続して販売されている。そして、乙第8号証のTAM−BOY/miniのカタログの第1頁に記載されているように、TAM−BOYシリーズは販売(昭和59年)以来、1000社を越える金型関連企業に導入され、現在も広く使用されている。このTAM−BOYのソフトのプログラミングする言語をTAM言語と称して、ここでも商標TAMを使用している。
この乙第8号証のカタログの裏面にも静岡県浜松市上新屋町238−19の静岡営業所の記載があるので、本カタログの使用期間も平成9年3月31日迄の間であることがわかる。更に、乙第9号証の福岡市にある印刷会社の証明書に示すように、このカタログは平成8年11月頃、株式会社ちくしのプランニングにて印刷され、コンピュータエンジニアリング株式会社に納品されているため、平成8年11月頃使用されていることがわかる。また、乙第10号証のTAM−BOY/NTのカタログに示すように、製図用のソフトであるCADから製造機械製図用のソフトであるCAMに変換させるソフトウエアであるTAM−BOY/NTにおいてCAD、CAD/CAMから出力された図面データを精度を落とすことなく、「デザイナー機能」に取込むソフトをTAMデータ、複雑な図形情報中、加工に必要な情報をひとまとめにする機能を有するソフトをTAMコンパイラ、さらにNC工作機械の穴加工、ポケット加工等の金型加工に必要な全ての加工データの作成が可能なソフトをTAMポストと称して、商標「TAM」を実質的に使用している。なお、カタログに明記されていないが、これらはCD−ROM(電子計算機用プログラムを記憶させた記録媒体の一例)に収納されて販売されている。
そして、このカタログの使用期間はカタログの裏面の会社営業所に静岡市南町11−1静銀・中京銀静岡駅南ビル3Fのコンピュータエンジニアリング株式会社の静岡営業所が記載されており、乙第6号証の賃貸借契約書及び乙第7号証の賃貸借契約解約通知書に示すように、コンピュータエンジニアリング株式会社は南町11−1静銀・中京銀静岡駅南ビルを平成9年4月1日から平成10年3月末日迄の間のみ借用していたので、このカタログは平成9年4月1日から平成10年3月末日迄の間、使用されていたことになる。
そして添付の乙第11号証の証明書に示すように、本カタログと同一のカタログが平成9年4月頃福岡市の株式会社ちくしのプランニングで印刷され、コンピュータエンジニアリング株式会社に納品されていることからこのカタログは平成9年4月1日から平成10年3月末日迄の間、少なくとも、平成9年4月頃、使用されていたことがわかる。
上記証拠に示すように、タム株式会社の整理後もコンピュータエンジニアリング株式会社が営業を引き継いで商標TAMを継続して使用しており、平成8年9月20日から平成10年3月末日迄の間も間違い無く使用しており、現在も使用している。
乙第4号証、同第8号証、同第10号証のカタログが平成8年9月20日から平成10年3月末日迄の間に客に配付されて実際に使用されていたという証明は、現在準備中であり、証明書を取り寄せ次第提出する予定である。
上記事実より、本権登録商標である商標TAMが指定商品である電子応用機械器具に属する電子計算機用プログラムを記憶させた記録媒体について平成8年9月20日から平成10年3月末日迄の間に使用されていた事は明らかである。
(2)先に提出した答弁書に添付した乙第4号証のTAM−BOYSeriesのカタログ、同第8号証のTAM−BOY/miniのカタログ、同第10号証のTAM−BOY/NTのカタログを実際に使用して商品を販売しているという事実を証明する証拠を同第12号証−1〜同第14号証−3として提出する。
乙第12号証−1は同第4号証のTAM−BOYSeriesのカタログを平成9年1月頃に大阪府茨木市の金型製作会社を訪問した際に配付したことを証明する証拠であり、同第12号証−2は同じく同第4号証のカタログを平成9年1月頃に枚方市の金型関連会社を訪問した際に配付したことを証明する証拠であり、同第12号証−3は同じく同第4号証のカタログを平成9年1月頃に富田林市の金型関連会社を訪問した際に配付したことを証明する証拠である。
また、乙第13号証−1、2、3は同第8号証のTAM−BOY/miniのカタログを同じく平成9年1月頃、大阪府の茨木市、枚方市、富田林市の金型関連会社を訪問した際に配付した事実を証明する証拠であり、同第14号証−1、2、3は同第10号証のTAM−BOY/NTのカタログを平成9年10月頃同じく大阪府の茨木市、枚方市、富田林市の金型関連会社を訪問した際に配付した事実を証明する証拠である。
上記証拠に示すとおり、本件商標である「TAM」を本件商標の指定商品である「電子応用機械器具」に属する「電子計算機用プログラムを記憶させた記録媒体及びそれを収納したコンピュータ、並びにそれに使用する機器」について使用している事を示す乙4号証、同第8号証、同第10号証のカタログを平成9年1月頃から平成9年10月頃の間に客に配付して使用しているものであり、この間は本件不使用取消審判請求日である平成11年6月24日の3年前である平成8年6月24日から審判請求日までの間になるので、本件審判請求は成り立たないものである。
(3)従って、請求人の本件商標が継続して3年間、本件指定商品について使用されていないという主張は成り立たない。
本件商標に係る商標権は、職権にて商標登録原簿を調査するに、前商標権者である「株式会社タム」から「コンピュータエンジニアリング株式会社」に本権の移転がされ、その登録が平成12年8月9日になされたことを確認できる。また、本件審判事件について平成12年9月1日付けで、以後、「コンピュータエンジニアリング株式会社」が被請求人として手続を続行する手続続行通知がなされているものである。そして、被請求人の提出に係る乙第1号証ないし同第14号証を総合勘案するに、本件商標は、通常使用権者(現在の被請求人)により、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において本件商標と社会通念上同一と認められる商標を、請求に係る指定商品中の「電子応用機械器具(電子管、半導体素子、電子回路を除く)」について使用されていたものと認めることができる。
一方、請求人は上記3の答弁に対し、何ら弁駁していない。
したがって、本件商標の登録は、商標法50条の規定により取消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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