Trademark Appeal Case
結合商標の要部認定と類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成9年審判第4763号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第31類「調味料、香辛料、食用油脂、乳製品」を指定商品とし、登録第1430143号商標、同第1456973号商標および同日付け商標登録出願(3)を連合商標として、平成1年12月6日に登録出願されたものである。
2 原査定の理由
原査定において、本願の拒絶の理由に引用された登録第2718499号商標(以下、「引用商標」という。)は「今半」の文字を書してなり、第31類「すきやき割下」を指定商品として、平成1年2月1日に登録出願、平成8年12月25日に設定登録されたものである。
3 当審の判断
本願商標は、別掲のとおり「人形町」と「今半」の各文字より構成されるところ、「人形町」の文字は、顕著に大きく書された「今半」の文字に比して極めて小さく表示されたものであって、そして、「今半」の文字の左上方部に配されているものである。
ところで、「人形町」の文字は、「東京都中央区北部の商業地区」を指称する地名を表してなるものと容易に認識されるところ、地名は一般に自己の生産若しくは販売に係る商品の生産地、販売地ないしは店舗の所在地を表すものとして随時採択使用されているものであるから、それ自体をもって商品の識別標識としての機能を果たし得るとはいえないものである
そして、本願商標の構成が前記のようなものであってみれば、本願商標に接する取引者、需要者は、その構成中に顕著に大きく書され、かつ、それ自体独立しても自他商品の識別標識としての機能を果たし得る「今半」の文字部分に着目し、これより生ずる称呼、観念をもって取引に資する場合も少なくないと判断するのが相当である。
そうとすれば、本願商標は、その構成文字に相応して「ニンギョウチョウイマハン」と一連に称呼されるとしても、その構成中の「今半」の文字より「イマハン」の称呼をも生じ、観念上、特定の意味合いを認識し得ないものである。
一方、引用商標は、「今半」の文字を書してなるから、その構成文字に相応し「イマハン」の称呼を生ずるものであって、観念上、特定の意味合いを認識し得ないものである。
そこで、本願商標と引用商標との類否についてみるに、本願商標中の「今半」の文字は、引用商標の「今半」の文字とその書体を異にするとしても、その字形からして容易に「今半」を書したものと看取させ、両商標は「今半」の文字において、外観上近似したものである。
称呼、観念についてみるに、両者は、「イマハン」の称呼を共通にするものであって、観念については比較し得ないものである。
してみると、本願商標と引用商標とは、観念上比較し得ないとしても、外観上「今半」の文字部分において近似したものであり、「イマハン」の称呼を共通にする全体として相紛れるおそれのある類似する商標であり、かつ、本願商標の指定商品は引用商標の指定商品を包含しているものである。
請求人は、参考資料1ないし16(枝番を含む。)を提出し、請求人と引用商標の商標権者とはその創業者を同じくするものである。請求人は合資会社今半から人形町支店を分離した折、有限会社今半として設立したものであり、人形町店を基盤として、すきやき料理の店舗名として「人形町今半」を採用している。そして、商品「すきやき割下」の商標として「人形町今半」を使用している。一方、合資会社今半は、浅草店を基盤とし自ら店舗名を「浅草今半」と表示し、すきやき料理を提供し、商品「すき焼割下」の商標として「浅草今半」を使用している。しかして、「人形町今半」と「浅草今半」の商品がそれぞれのコーナーで販売されるが、何等問題は生じていない。業界内においては、浅草を営業基盤とする引用商標の商標権者に対して請求人は「人形町今半」と区別して認識されているものであって、本願商標の「人形町」の文字部分は単なる生産地ないし販売地の表示ではなく、「今半」と一体化することによって、識別標識として機能している旨主張する。
しかしながら、本願商標の指定商品「調味料、香辛料、食用油脂、乳製品」は、食生活を豊かにするために欠かせないものであるから、これら商品の需要者は主婦のみならず一般の大衆とみられるものである。
そして、上記商品についての需要者が、全員、商標に精通し、商標に高い関心を示すとは限らず、中には商標に疎く、その関心も薄い者も少なくないとみられるから、かかる需要者にあっては請求人の主張するのような実情を充分に承知し得ない場合もありえるというのが相当である。
請求人は、登録例を挙げ、本願商標は登録されるべきものである旨主張しているが、これら登録例は商品区分が異なり事例を異にするから請求人の主張は採用できない。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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