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Trademark Appeal Case

称呼・観念類似と周知商標

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年審判第10904号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「写楽」の文字を横書きしてなり、第33類「清酒」を指定商品として、平成5年10月28日に登録出願されたものである。

2 原査定の理由

原査定は、登録異議申立てがあった結果、『登録異議申立人(以下、「申立人」という。)提出の甲各号証によれば、申立人が商品「清酒」に使用する「寫樂」の文字よりなる商標(別掲のとおりの構成よりなる。以下、「引用商標」という。)は、申立人である東山酒造合資会社が商品「清酒」に使用した結果、申立人の業務に係る商品であること表示するものとして、少なくとも本願商標の登録出願前より、取引者、需要者間において広く知られて周知著名となり現在に至っているものといい得るものである。

しかして、本願商標と引用商標を比較すると、両商標の構成はそれぞれ前記したとおりであるから、各構成文字に相応していずれも「シャラク」の称呼を生ずるものである。

そうとすれば、本願商標と引用商標は「シャラク」の称呼を共通にする称呼上類似した商標といわざるを得ない。

してみれば、本願商標は、本願商標の登録出願前より、申立人の業務に係る商品であること表示するものとして取引者、需要者の間に広く知られている引用商標と称呼上類似する商標であり、かつ、本願商標の指定商品と引用商標の使用商品とは同一の商品である。

したがって、本願商標は、他人の業務に係る商品を表示するものとして広く認識されている商標と類似する商標であって、同一の商品に使用するものであるから、本願商標が商標法第4条第1項第10号に該当する。』旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、「写楽」の文字を横書きしてなり、これよりは、該文字に相応して、「シャラク」の称呼、浮世絵師「東州斎写楽」の観念が生ずるものと認められる。

他方、引用商標は、別掲のとおりの構成よりなるところ、その構成中、顕著に表された「寫樂」の文字より、該文字に相応して、「シャラク」の称呼、浮世絵師「東州斎写楽」の観念が生ずるものと認められる。

そうすると、本願商標と引用商標とは、旧字と新字の違いはあるが、「シャラク」の称呼、浮世絵師「東州斎写楽」の観念を共通にする類似の商標と認められ、かつ、両商標が使用される商品は同一のものである。

ところで、原審において登録異議申立人(以下、「申立人」という。)が提出した甲第1号証(申立人の会社案内)、同第2号証の1(実際に使用している引用商標)、同第2号証の2(引用商標を実際に使用している商品「清酒」の写真)、甲第7号証ないし同第9号証、甲第11号証及び同第12号証(「会津若松酒造組合」、「会津若松商工会議所」、「福島県酒造組合連合会」、「東京小売り酒販組合」及び「東京都卸売酒販組合」の証明)によれば、引用商標が申立人の製造に係る商品「清酒」に使用されてきたことが認められる。

また、甲第13号証及び同第14号証(株式会社主婦と生活社編者「日本酒全蔵元全銘柄」株式会社主婦と生活社、昭和57年11月10日初版発行、p.158、及び稲垣真美監修「日本うまいSAKE いま人気の吟醸酒265選」徳間書店、平成3年11月1日発行、p.27)によれば、該雑誌に「寫樂」の文字よりなる商品「清酒」について紹介がなされている。

さらに、甲第3号証(申立人の製造に係る商品「清酒」に引用商標を貼付した清酒の販売量)によれば、昭和51年度には、3,600リットル(2,000本)であったが、本願商標の出願年である平成5年度には、36,000リットル(20,000本)とその製造量も10倍になっていることが認められる。

上記事実を総合判断すると、引用商標は、申立人が永年に亘って商品「清酒」に使用してきた結果、本願商標の出願時である平成5年には、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、需要者の間に広く認識されていたものと認められる。

請求人は、異議申立人の提出にかかる証拠によっては、当該商標の使用の期間はもとより、その量についても何ら明らかにされておらず、さらにこの程度の証拠によっては当該商標が他人の登録を阻止する程に「他人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標」と認められるべきではない旨主張するが、上記のとおり判断されるものであるから、請求人の主張は、採用することができない。

以上のとおりであって、本願商標は、商標法第4条第1項第10号に該当するものであるから、本願商標が上記法条に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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