Trademark Appeal Case
ヘルスケアの識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成10年審判第4475号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1.本願商標
本願商標は、「Health Care」の文字と「ヘルスケア」の文字とを上下二段に横書きしてなり、第25類「被服」を指定商品として、平成8年4月8日に登録出願されたものである。
2.原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、「Health Care」の欧文字とその読みの「ヘルスケア」の片仮名文字とを二段に横書きしてなるところ、構成前半の「Health」・「ヘルス」は「健康,健全」等の意を有し、構成後半の「Care」・「ケア」は「介護,世話,配慮」等の意を有し、これらは一般でも親しまれた語として用いられていることもあり、商品との関係では本願商標全体から「健康に配慮した商品」の意味合いを容易に認識させる。また昨今において、健康ブームや種々のアレルギーに配慮した商品が「健康グッズ売り場」や「オーガニック商品コーナー」等で多数見受けられることも考慮すれば、本願商標をその指定商品に使用しても、需要者は何人かの業務に係る商品であるかを認識することができないものと認める。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3.当審の判断
本願商標は、「Health Care」の欧文字と「ヘルスケア」の片仮名文字とを二段に表してなるところ、該文字は「小学館ランダムハウス英和大辞典」(株式会社小学館発行)の「health care」の項によれば「健康管理、健康管理のための処置[方法]、医療、健康管理に関する」の意味の英語及びその読みを表したものと認められる。
そして、本願指定商品「被服」に関連した衣料、繊維関係についてインターネットにより情報を公開しているサイトをみると、例えば、日本化学繊維協会が公開しているホームページにおいて「KASEN TOPICS No11」(http://www.fcc.co.jp/JCFA/topics11.html)の「ヘルスケア素材」に関する事項中には、「2000年4月、高齢者が介護を必要とする状態になっても、自宅や地域で生活を続けることができるように、 社会的に支援する介護保険制度が発足しました。現在、日本では、65才以上の人口が17%で2,000万人を超えており、この数字は14才以下の人口より多く、 今後ますます高齢化を迎えます。高齢者はもとより、私達をとりまく環境は好ましくない外的刺激やストレス、また不測の事態に陥る可能性は 高い状況にあり、病人の増加が懸念されます。さまざまな外的・内的環境要因に基づくストレスによる適応不全を、予防あるいは介護するヘルスケア素材として、 繊維製品の開発が進められています。」という説明の下、本願出願人をはじめとする該協会所属の業界各社が、「ヘルスケア素材商品」というテーマにそって、制菌・抗菌防臭・消臭・保温・ストレッチ・形態安定・吸水吸汗・速乾等を特徴とし、対象商品として要介護者・被介護者・健常高齢者等の為の各種衣料品を紹介している。
また、株式会社ジー・サーチの提供に係る「G―Searchの新聞情報データベース」をみるに、「クラボウ、抗菌効果施したヘルスケア衣料を発売(1997.5.14日刊工業新聞)」、「東レ、ヘルスケア商品を本格展開。車いすウェアなどを商品化(1998.11.27日刊工業新聞)」、『カネボウ合繊 新商品・用途開拓進む、...(1999.8.7繊研新聞)』の見出しのもと、「ヘルスケアでは、同社の持つ吸水、消臭、抗菌などの素材を組み合わせた中高年向けのニューインナーを開発した。」等さまざまな記事が「ヘルスケア」の文字を利用して健康に配慮した商品として紹介しているものが認められる。
以上のことよりすれば、本願の指定商品を扱う業界各社においては、「ヘルスケア」の文字を、抗菌防臭・消臭・保温・ストレッチ等の機能を備えた健康を守ることを目的とした繊維素材、衣料品を、他の商品との差別化を図るために統一的に使用されているものとみるのが相当である。
そうとすれば、本願商標は「抗菌防臭・消臭・保温・ストレッチ等の機能を備えた健康を守ることを目的とした商品」であることを表すために普通に使用されている「ヘルスケア」の文字と、これに通ずる「Health Care」の文字を普通に用いられる方法で、二段に横書きしてなるものであるから、これを、その指定商品中「抗菌防臭・消臭・保温・ストレッチ等の機能を備えた健康を守るための被服」に使用しても、前記目的に適合した商品という程度を理解、認識させるに止まるものであって、これに接する取引者、需要者は、本願商標をもって商品の出所の識別標識とは認識、理解し得ないものといわなければならず、かつ、これを制菌・抗菌防臭・消臭等の機能を有せず外見のファッション性のみを目的とした商品等に使用する場合には、商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるといわなければならない。
したがって、本願商標は商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、これを登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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