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Trademark Appeal Case

地名と品質表示の識別

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成11年審判第3362号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲に示すとおりの構成よりなり、平成9年6月27日に登録出願され、第19類「陶磁製建築専用材料,れんが及び耐火物,合成建築専用材料,セメント及びその製品,石材,建築用ガラス,鉱物製基礎材料」を指定商品とするものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、『京聚楽』の漢字を縦書きしてなるところ、構成中『聚楽』の語は、壁土等の建築専用材料に『じゅらく風仕上げ』として用いられている『じゅらく』の語を直ちに理解させ、その構成頭部に『京都風』のものを看取させる『京』の語を結合させてなるものであるから、これよりは全体で『京都じゅらく風の専用材料』を認識させるにすぎず、これを本願指定商品中、前記材料を使用してなる商品に使用してもその商品の品質を表示したにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同4条第1項第16号に該当する。」旨、認定判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)本願商標は、その構成別掲のとおり「京聚楽」の文字を隷書体をもって縦書きしてなるものと容易に看取させるところ、「聚楽」の文字(語)について、例えば、建築に関する辞典をみると、「じゅらく[聚楽]」を見出し語とする項に「本来、京都付近に産する土を用いた日本建築の土壁の仕上げのこと。現在では粒径の比較的小さい骨材を用いた薄付け仕上げ塗り材できめ細かい砂壁状の仕上げをしたときの表面状態を表現している。」との記載のほか、「じゅらくつち[聚楽土](荒壁から上塗りまで使われてきた壁土の一。元来は京都市内聚楽付近から産する栗色系色土・・・)」ないし「じゅらくかべじょうとそう[聚楽壁状塗装](日本古来の左官仕上げである聚楽壁や京壁に類似した仕上げ・・・塗装材料には一般に薄付け仕上塗り材が用いられる。)」を見出し語とする掲載が認められる(建築大辞典 第2版〈普及版〉1999年9月30日 第5刷 株式会社彰国社発行)。

(2)そうすると、本願商標にかかる構成中の「聚楽」の文字は、前記事情よりして、左官仕上げの聚楽壁や京壁に類似した仕上げ、ないしは該壁専用の建築材を認識させるものとみるのが相当である。そして、「聚楽」の文字に冠した「京」の文字は、「京都」を容易に想起させるものであり、本来の産地ないしは京都風建築の風情を強調した如きに認識・理解させるものであって、これを冠してなるとしても、なお全体として当該仕上げないしはその専用材料を表示するに止まるものとみるのが相当である。

(3)してみれば、隷書体をもって「京聚楽」の文字を表記してなる本願商標をその指定商品中の「しっくい等の壁材」或いは「骨材の原材料に用いる鉱物性基礎材料」に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、前記事情よりして、左官仕上げの聚楽壁や京壁に類似した仕上げないし当該専用の建築材の用途(品質)を表現したものと理解するに止まり、それをもって当該商品の出所識別の標識とは認識し得ないものといわなければならない。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものといわざるを得ない。また、これを前記の商品以外の指定商品について使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当するものというべきであって、これと同趣旨をもって本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消す理由はない。

(4)審判請求人(出願人)は、平成11年6月28日付の審判請求理由補充書における請求の理由において「本願商標に関し、商標法第3条第2項の使用による特別顕著性の発生を認定してもらうべく、証拠資料の取得に努めているので、いましばらくの猶予を求める。」旨、申し立てている。

そして、相当期間経過しても当該資料の提出がされていないので、この点の事情についての釈明を求めるため、当審において平成13年1月25日付で審尋書を発したところである。

しかしながら、審判請求人は、何ら応答するところがなく、また、当該証拠資料を示す書面等を何ら提出するところもないものであるから、前記条項の適用を受けることができるものといえず、また今後の不確定要因を理由にこれ以上本件の審理を遅滞させるべき理由はないものと認め、前記認定判断のとおり審決した。

よって、結論のとおり審決する。

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