1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第30類「和菓子」を指定商品として、平成9年4月15日登録出願、その後、当審において、指定商品を「もち菓子」と補正されたものである。
2 原査定の引用商標
原査定において、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するとして、拒絶の理由に引用した登録第2708055号商標(以下、「引用商標」という。)は、「茶屋餅」の文字を横書きしてなり、第30類「もち菓子・ぎゅうひ」を指定商品として、昭和62年6月19日登録出願、平成7年6月30日に設定登録されたものである。
3 当審の判断
本願商標と引用商標の類否について判断するに、本願商標は、別掲のとおりの構成よりなるところ、文字部分と図形部分とが常に一体不可分にのみ認識され、全体として特定の称呼、観念をもって知られているとする取引の事由も認められないものである。
そして、本願商標は、その構成中、顕著に表された「茶屋の餅」の文字部分に着目し、これより、「チャヤノモチ」の称呼を生ずるものであるところ、「餅」の文字部分は、指定商品である「もち菓子」との関係では、商品の品質を表したものであって、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものである。
そうとすれば、本願商標は、簡易、迅速を尊ぶ商取引の実際においては、自他商品の識別標識としての機能を果たさない「餅」の文字部分を省略して、本願商標の要部である前半の「茶屋」の文字部分より生ずる称呼、観念をもって、取り引きに当たる場合も決して少なくないものと言わざるを得ず、そのような事情を考慮すると、「チャヤ」の称呼をも生じ、「茶店」の観念も生ずるものというべきである。
他方、引用商標は、「茶屋餅」の文字を横書きしてなるところ、「餅」の文字部分は、指定商品である「もち菓子」との関係では、商品の品質を表したものであって、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものである。
そうすると、引用商標は、簡易、迅速を尊ぶ商取引の実際においては、自他商品の識別標識としての機能を果たさない「餅」の文字部分を省略して、前半の「茶屋」の文字部分より生ずる称呼、観念をもって、取り引きに当たる場合も決して少なくないものと言わざるを得ず、そのような事情を考慮すると、「チャヤ」の称呼をも生じ、「茶店」の観念も生ずるものというべきである。
したがって、本願商標と引用商標とは、外観において差異を有するとしても、称呼及び観念において類似する商標であって、全体として相紛れやすいものであり、かつ、前記のように、請求人は、指定商品を補正しているが、未だ本願商標の指定商品には引用商標の指定商品と同一又は類似の商品を包含するものである。
以上のとおりであって、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。