Trademark Appeal Case
キャッチフレーズの識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2000−291(T2000−291/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「習う楽しさ教える喜び」の文字を標準文字で書してなり、平成10年9月8日に登録出願され、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授」を指定役務とするものである。
2 原査定の理由
原査定は、「この商標登録出願に係る商標は、本願指定役務との関係からして『教える側と学ぶ側の共有したことを表現したもの』程の意味合いのキャッチフレーズと認識させるに止まる『習う楽しさ教える喜び』の文字を書してなるものであるから、これをその指定役務に使用するときは、これに接する取引者、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定判断して、本願を拒絶したものである。
3 請求人の主張の主旨
本願商標の「習う楽しさ教える喜び」という文字が、具体的にだれが何をどのように、どのような場所で、誰に、何を教えるのか、あるいは習う者が何をどのように、どのような場所で何を習うのかについて、つまり業務の内容について具体的に明らかにしたものではなく、同じような表現でも、教授する内容や場所、対象等によっては、「習う喜び教える楽しさ」、「習う誠実教える誠意」、「習う喜び教える苦しさ」というように、さまざまな表現形態の生まれることから、自己の業務に係る役務を表現するものとして、自他役務の識別機能は充分に有しているものと思われる。よって、本願商標は指定役務との関係において一般社会通念上、これに接する取引者、需要者が、何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標とみるべきでない。
また本願商標は、本願指定役務を提供する業界において、本願商標の「習う楽しさ教える喜び」という文字が、普通に用いられているという証拠は存在しない。したがって、本件商標は、出願人の役務を表示するものと認識される。
4 当審の判断
本願商標は、前記したとおり「習う楽しさ教える喜び」の文字よりなるところ、ものごとを習ったり教えたりする場合に、「習う側が楽しく習える、教える側が喜びをもって教える」という姿が、一つの理想と一般に考えられていることは明らかである。
そうとすると、本願商標は、理想の教育の姿を端的に表したキャッチフレーズとして直ちに理解されるものと認められる。
そして、このことは、例えば、朝日新聞2000年2月11日付本紙東京地方版(埼玉版)の「教育再生へ県新規事業 高校生が小学校で交流など/埼玉」と題する記事中に「県は、『小学生は年上のお兄さんやお姉さんと接することで授業の楽しさを知り、高校生は小学生に接することで教える喜びを知ってほしい』と期待を寄せている。」、朝日新聞1994年9月16日付東京夕刊15頁の「カンボジアの識字率向上に『寺子屋運動』日本青年14人、ボランティアの日々」と題する記事中に「松浦香恵さん(24)(聖ドミニコ小教諭)『本や教科書もない場所で、子供たちは一生懸命に字を覚えて勉強していた。学ぶこと、教えることの喜びを改めて感じることができました。教員としての自信が新しく生まれたような気がします』」、また、インターネットのホームページURL:http://www.geocities.co.jp/Hollywood/4490、(URL:http://www.heiwabashi.co.jp/waka.html、)「平和橋自動車教習所、『創業40周年記念和歌』を募集中;下の句は『習う楽しさ、教える喜び』で、上の句を募集しています。」とあることからも裏付けられる。
そして、本願商標は、その指定役務に関するキャッチフレーズと理解されるに止まり、自他役務を識別できる標識部分を有しないものであるから、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標というのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するとして拒絶した原査定は、妥当なものであって取り消す限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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