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Trademark Appeal Case

商標不使用取消の立証

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2000−30884(T2000−30884/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第1540743号商標(以下、「本件商標」という。)は、「精源」の文字を縦書きしてなり、昭和54年2月7日に登録出願、第29類「茶、コーヒー、ココア、清涼飲料、果実飲料、氷」を指定商品とし、同57年9月30日に設定登録され、その後、平成4年9月28日に商標権存続期間の更新登録がなされたものであるが、その指定商品中の「茶、コーヒー、ココア」については商標登録を取り消すべき旨の審決がされ、その確定登録が平成12年5月17日になされているものである。

2 請求人の主張

請求人は、本件商標の指定商品中「清涼飲料、果実飲料」についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べた。

請求人が調査したところによると、本件審判請求前3年以内において、商標権者である被請求人はもとより、その専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても、その指定商品中「清涼飲料、果実飲料」について、本件商標を日本国内で使用していないことが判明した。

したがって、本件商標は、その指定商品中「清涼飲料、果実飲料」について、その登録は商標法第50条第1項の規定によ取り消されるべきものである。

3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求める答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第6号証(枝番を含む。)を提出した。

(1)被請求人は、従前、愛知県名古屋市天白区二丁目2701番地に所在し、清涼飲料等の製造販売を主たる業務とする日興薬品工業株式会社(以下、「日興薬品」という。)に対し、本件商標を使用した清涼飲料(以下、「本件商品」という。)の製造を委託し、被請求人が自らの販路にてこれを販売していた。

しかし、平成8年7月頃、経営の枢軸であった代表取締役専務の体調不良により業務に支障を来たし、本件商品の販売を従来どおりに継続していくことが困難となったことから、被請求人は、日興薬品が本件商品を直接顧客に販売することを希望し、日興薬品もこれに合意した。

そこで、被請求人は、乙第1号証のとおり、平成8年9月1日に日興薬品に対し、本商標権の通常使用権を許諾し、日興薬品は、上記通常使用権に基づき、継続的に清涼飲料について本件商標を使用してきた。

(2)乙第2号証の1は、日興薬品から札幌市の三箇株式会社に対する平成12年2月分(平成12年2月29日締切分)の請求明細書控コピーで、「品名」の欄に「精源」と記載されたものが本件商品を指している。「入数」は1箱の本数、「単価」は100本あたりの価格を示している。「取引区分」の欄に記載された数字は、欄外下余白に記載されているように、11は請求先への売上を、16は請求先指定の販売店へ直送した場合を示している。

乙第2号証の1により、日興薬品から三箇株式会社に対し本件商品が繰返し販売されていることが判る。例えば、平成12年2月9日に、1箱50本入りの本件商品を10箱即ち合計500本が、100本あたり2650円の価格にて、合計13250円で販売され、この取引は伝票NO.048370で処理されたことが示されている。

乙第2号証の2は、日興薬品から三箇株式会社に対する平成12年2月9日分の納品書控コピーで、上記伝票NO.48370の取引に関する本件商品10箱(500本)が納品されたことが示されている。

乙第2号証の3は、配達原票の控コピーで、これは上記伝票NO.048370の取引に係る本件商品を平成12年2月9日に札幌市の丸山運輸株式会社が日興薬品の代行として三箇株式会社宛てに本件商品10箱を発送したことが示されている。

乙第2号証の4は、荷物受領書コピーで、上記乙第2号証の3とは複写式の綴りであり、平成12年2月10日付で三箇株式会社の受領印が押されている。

これら乙第2号証の1ないし4により、日興薬品から札幌市の三箇株式会社へ平成12年2月9日に本件商品500本が販売され、引渡も履行されたことが証明される。

(3)乙第3号証の1は、日興薬品から埼玉県上尾市の株式会社三幸に対する平成12年2月分の請求明細書控コピーで、各欄の説明は乙第2号証の1と同じであるので省略する。乙第3号証の1により、日興薬品から株式会社三幸に対し本件商品が繰返し販売されていることが判る。

乙第3号証の2ないし4は、平成12年2月16日に日興薬品から株式会社三幸に対し販売され、山形県北村山郡の井上喜多郎商店に対し直送された本件商品に係るもので、乙第3号証の2は納品書控コピー、乙第3号証の3は配達原票のコピー、乙第3号証の4は荷物受領書コピーで、この取引は乙第3号証の1でも確認できる。

乙第3号証の3及び4は、埼玉県上尾市の株式会社三幸を荷送人としているが、これは日興薬品が株式会社三幸に代わって直接井上喜多郎商店へ発送したためで、近鉄物流株式会社の名古屋支店を発店、同新庄支店を着店としていることから、実際の物流は日興薬品の所在地である名古屋から山形県新庄へ為されたことが判る。

これら乙第3号証の1ないし4により、日興薬品から株式会社三幸に対し平成12年2月16日に、1箱50本入りの本件商品を100箱即ち合計5000本が、100本あたり2850円、合計142500円で販売されると共に、20箱がサービス品として提供され、これら合計120箱の引渡も履行されたことが証明される。

(4)乙第4号証は、日興薬品が本件商品の瓶に貼付するラベル等の印刷を依頼した名古屋市瑞穂区の三村写真製版印刷株式会社からの平成12年7月分の請求書(平成12年7月31日付)のコピーで、その「品名」欄の下から2番目に「日興精源黒ラベル」とあるのが本件商品の瓶に貼付するラベルを意味している。平成12年7月28日に同ラベルを1枚あたり0.5円で303000枚印刷し、これについて151500円の請求があったことが示されている。

(5)乙第5号証の1は本件商品3本を向かって右側からそれぞれ、正面、左側面、右側面を向けて撮影した写真で、正面中央部の「赤まむし」の文字の左横に縦書きされた「精源」の文字は、本件商標を使用したものと認められるべきものと確信する。また、左側面(3本中、真中の商品)下部に製造者として日興薬品の住所及び名称が表示されている。

乙第5号証の2は、本件商品右側面の拡大写真で、内容物が清涼飲料であることが確認できる。

乙第5号証の3は、10本ずつ纏められた本件商品の写真で、10本を纏めるための包装帯にも本件商標である「精源」の文字が表示されている。

乙第5号証の4は、50本入りの箱に入った本件商品の写真で、箱長手側面には縦書きで、箱短手側面には横書きで「精源」の文字がそれぞれ表示され、いずれも本件商標を使用したものと認められるべきものと確信する。また、箱側面にも製造元として日興薬品の名称が表示されている。

(6)乙第6号証は、愛知県清涼飲料協同組合の証明書である。

以上の各証拠により、本件審判請求の予告登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品のいずれかについての本件商標の使用をしていることが証明されたものと確信する。

4 当審の判断

被請求人が本件商標の使用の事実を証明するものとして提出した乙第1号証ないし同第6号証(枝番を含む。)によれば、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標権の通常使用権者「日興薬品」(乙第1号証「通常使用権許諾証書」中に「通常実施権者 日興薬品」の記載があるが、標題の表現に徴すれば「通常使用権者」の誤記と認めるのが相当である。)により、本件審判の請求に係る指定商品中の「清涼飲料」について使用されていたと認められる。

そして、請求人は上記3の被請求人の答弁に対し、何等弁駁していない。 したがって、本件商標の指定商品中請求に係る商品についての登録は、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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