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Trademark Appeal Case

著名キャラクター名称の無断登録

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成11年審判第35114号
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4149717号の登録を無効とする。
審判費用は被請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4149717号商標(以下、「本件商標」という。)は、「スーパーマン」の文字を横書きしてなり、平成8年6月20日登録出願、第3類「植物性天然香料,動物性天然香料,合成香料,調合香料,精油からなる食品香料,薫料,化粧品,歯磨き」を指定商品として平成10年5月29日に設定登録されたものである。

2 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第11号証を提出している。

本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第15号及び同第19号の規定に違反して登録されたものであり、その登録は無効とされるべきである。

(1)本件商標は「スーパーマン」の文字よりなるところ、「スーパーマン」は請求人の制作に係る映画「SUPERMAN」のタイトルとして、またその主人公の名前(キャラクター)として本件商標の出願前一般に広く周知されている。

被請求人は、かかる「スーパーマン/SUPERMAN」に化体された商品化権の使用について許諾された者でもなく、またこの名称の商標登録について承諾を得た者でもない。

したがって、本件商標は、被請求人が正当な権限を有さずして、他人が商品化権を有する著名なキャラクターの名称を出願したものであるから、その行為は国際信義に悖るものというべく、商標法第4条第1項第7号又は第19号に該当する。

上記のとおり、本件商標は、請求人が商品化権を有する著名な名称「スーパーマン/SUPERMAN」と同一であるから、これがその指定商品に使用されるときは、それら商品が請求人と何らかの関係を有する者によって使用されているかの如く商品の出所について混同を生ずるおそれがある。

よって、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当する。

(2)請求人の制作に係る映画及びその主人公の名称「スーパーマン/SUPERMAN」の周知性について述べる。

映画「SUPERMAN/スーパーマン」は、1941年米国で初公開されて以来、空飛ぶ超能力を持つ超人として全米を沸き立たせたものであるが、我が国にも戦後紹介されて空前のヒットとなった映画であることは何人にも記憶に新しいところである。

その「SUPERMAN/スーパーマン」は、テレビ、ビデオの普及に伴い爆発的人気を呼び、日本にもいち早く導入されたが、その人気の模様を当時の新聞は次のように報道している。

昭和54年2月8日付読売新聞

「スーパーマンが、40年ぶりに帰ってきた。日本でも6月には、華々しく銀幕に登場するが、ニューヨーク、バリからは記録的な観客動員が伝えられている。この、時代錯誤にも似た“超人”復活の秘密は何か。力強さよりも、単純で、大衆の胸を打つ“叙情性”が魅力という声も」とスーパーマンを紹介している。

昭和54年2月18日付読売新聞

「アメリカにうず巻いているスーパーマン・ブームが、日本にも上陸した。ブームの発端となった映画の封切りは、本国に半年遅れて6月末からだが、スーパーマンを題材にしたテレビ・コマーシャルは、すでに今月初めからお茶の間に流れ始めた。各社入り乱れての競作になっているレコードやマンガ本の売れ行きも急激に伸びている。このほか、ガム、文具からホテル、火災保険の会社のPRにまでぞくぞく登場、夏にかけて、日本中をスーパーマンが飛び回りそうだ。」

昭和54年1月19日付大阪新聞

「ともかくアメリカでの人気はすごいですよ。主人公は原爆や水爆にあっても不死身、数キロ先の針の落ちる音も聴こえるスーパーヒヤリング、目から熱線を発射と文字通り超人的な能力を持った英雄として描かれています。惑星生まれで、地球上では新聞記者の姿で現れる。そんなところが、SF的興味ともつながっている。」

昭和54年7月14日付産経新聞

「スーパーマン」の商標が、小はエンピツ、ガムから大はタイヤ、自動車まで、この商標を使用したキャラクター商品が1000種にのぼっている旨を報道している。

昭和54年7月28日付夕刊フジ

この夏の洋画のトップ・スターは「スーパーマン」。なにしろ「スーパーマン」のキャラクター商品だけ拾ってみても、衣料品、化粧品、文房具、履物、工芸品、食品・・・etc。保険の分野にまでスーパーマンが登場するといった具合。

昭和54年2月28日付アダルト

テレビでは新番組にどっと特殊撮影のものが紹介され、また、レコード会社では20万枚を売る意気込みであること、更に、商品面ではTシャツ等300種類を越える商品にライセンスされていることが報じられている。

(甲第3号証〜甲第8号証)

映画「SUPERMAN/スーパーマン」は、現在まで3作が封切られている。1992年には悪との戦いの後力尽きて死亡したが、1993年9月には全米の世論に応えて新生の「スーパーマン」として復活するという奇想天外のストーリーで人気が復活し、現在第4作が予定されている。

上述のとおり、「SUPERMAN/スーパーマン」の名は映画及び映画の主人公「SUPERMAN/スーパーマン」として本願商標出願前既に日本国中に周知されるに至っている。当然のことながらライセンス商品も多岐に亘りその種類は1000アイテムを超えている。

ライセンス商品の主なものは文具類(ノート、レターセット、ペン等)、被服(Tシャツ、トレーナー、靴下、水着等)、身飾品(時計、指輪、キーホルダー等)、日用品(傘、貯金箱、グラス、ティッシュペーパー、カーマット等)、化粧品(石けん等)、人形・おもちゃ、寝具、自動車など多岐に亘っている。

請求人は「SUPERMAN/スーパーマン」の名とその絵を保護する目的で、「SUPERMAN」、「スーパーマン」の文字商標、主人公「スーパーマン」を表した図形商標、「SUPERMAN」の文字と主人公「スーパーマン」を表した図形とを組み合わせた商標など、多くの登録商標を所有している。

上記は請求人の活動の一例を示すものであるが、少なくともこれらの活動を通じ「スーパーマン/SUPERMAN」は本件商標の出願前、一般に周知されていることは立証される。

過去の審査においても、「スーパーマン」商標、「GAMEINN/スーパーマン」商標が、請求人の「スーパーマン/SUPERMAN」の名称が一般に周知されていることが認定され、商標法第4条第1項第7号又は同第15号に該当するものとして、その出願が拒絶された(甲第10号証及び甲第11号証)。

3 被請求人は、本件審判請求に対して、何ら答弁するところがない。

4 当審の判断

本件商標は前記のとおり「スーパーマン」の文字よりなるものであるところ、請求人の提出に係る証拠によれば、米国で製作され人気を得ていた映画「スーパーマン」は、わが国でも昭和54年に公開され人気を博したことから、わが国における該映画の公開と相前後して映画「スーパーマン」の著作権に関する使用許諾が多岐の商品について行われ、対象となった商品は文房具類、被服、身飾り品など多数の商品に亘っていた。これらの状況は読売新聞、産経新聞などの日刊新聞等で再々報道された。映画「スーパーマン」は、その後シリーズ化され数回製作され公開されたことが認められる。

これらの事実からすれば、「スーパーマン」は映画のタイトル又はその主人公を表すものとして一般に広く認識されていたものと認めることができ、その事実は本件商標の登録査定時においても継続していたものと推認することができる。

そして、請求人は、我が国において「スーパーマン」「SUPERMAN」及びそのキャラクターなどの登録商標を所有しており、その事実からすると、請求人は、映画「スーパーマン」の著作権に関するわが国における管理事業に携わっている者と推認できる。

商標権者は、本件審判請求について争っていない。

以上からすると、商標権者は、映画「スーパーマン」の著作権に関して正当な権原を有していないのにもかかわらず、本件商標「スーパーマン」を請求人の承諾を得ずに無断で採択し登録を得たものといわざるを得ないから、このような行為に基づいて登録された本件商標は、公正な取引秩序を阻害するおそれがあるばかりでなく、国際信義に反し公の秩序を乱すおそれがあるものと認められる。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号の規定に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項第1号の規定により、その登録を無効とすべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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