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結論

勝訴(請求認容)

第4条第1項第16号・第3条第1項第6号「略語と一般語の結合の識別力」の商標審決・判断理由(審判番号:平成10年審判第17452号|拒絶査定取消・登録)

審判番号
平成10年審判第17452号
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標(図形等・本文参照)
争点(論点)
略語と一般語の結合の識別力
適用条文
第4条第1項第16号・第3条第1項第6号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
拒絶査定取消・登録(勝訴(請求認容))

この審決(審判平成10年審判第17452号・不服)は、本件商標について、商標法第4条第1項第16号・第3条第1項第6号への該当性が争われた事例です。主な争点は「略語と一般語の結合の識別力」です。特許庁は「原査定を取り消す」と判断しました(拒絶査定取消・登録)。商品の品質や用途を直接表す語は識別力が否定されやすいため、出願前に造語化や図形との組合せを検討することが有効です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

第1 本願商標

本願商標は、「PC工房」の文字を横書きしてなり、第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機その他その用途に応じて的確な操作をするための高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明」を指定役務として平成8年10月24日に登録出願されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由の要点

本願商標は、パーソナルコンピュータを表す略語の「PC」の文字に、物を製造、加工等をする場所の意味合いで用いられている「工房」の文字とを「PC工房」るものであるから、これを本願指定役務中「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」に使用するときは、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができないものである。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは役務の質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。

第3 請求人の主張の要点

1 請求の趣旨

原査定を取り消す、本願商標は、登録すべきものとする旨の審決

2 請求の理由

(1)「PC」と略称されるものは、パーソナルコンピュータを表す略語に限らず「Printed Circuit(印刷回路)」「Prepaid Card(プリペイカード)」も同様に「PC」と略称されている事実がある。原査定は、「PC」についてパーソナルコンピュータを表す略語であるとして固定的に解していること自体に誤りがある。

(2)「工房」とは、「美術家や芸術家などの仕事場、アトリエ」である(岩波書店発行「広辞苑」)。原査定認定のような一般の鉄工所や製材所、各種機器の修理工場(店)、各種機器の保守・点検のための作業所などを指して「工房」と称されることはなく、単に「物を製造、加工等をする場所の意味合いで用いられている」ことを指して使用されてはいない。

この結果、「電子計算機のプログラムの修理・作成又は保守」の業務は、専門的知識や経験を要しても、そのための場所は、「美術家や芸術家などの仕事場」たる本来の意味における「工房」が指称する範囲に含まれることはあり得ない。

したがって、本願商標「PC工房」は、「工房」には本来的にパーソナルコンピュータとの結びつきがないため、特徴あるユニークな造語商標として認識され、出所表示機能を果たし得なかったり、役務の質につき誤認を生じたりするおそれはない。

(3)以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号、同法第4条第1項第16号に該当しない。

第4 当審の判断

本願商標は、「PC工房」の文字を横書きしてなるところ、その構成中の「PC」の文字部分が、原査定が述べる如くパーソナルコンピュータを表す略語であるとしても、「工房」の文字部分は、「美術家や工芸家などの仕事場、アトリエ」(「広辞苑」岩波書店出版)を意味する語であり、本願商標全体として、原査定が説示するような意味合いを認識することはできない。また、「PC工房」の文字が、本願指定役務を提供する取引業界において取引者、需要者の間にパーソナルコンピュータを製造、加工等をする場所を意味する語として認識され、使用されている事実も見い出せない。

そうすると、本願商標は、原査定が認定する意味合いを暗示するものではあっても、自他役務の識別機能を果たし得ない程に記述的に表示されたものではなく、請求人が創作した造語とみるのが相当である。

したがって、本願商標について商標法第3条第1項第6号に該当するとし、その上で、これを前提として同法第4条第1項第16号に該当するとした原査定は、取消しを免れない。

その他、本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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