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Trademark Appeal Case

商標不使用取消の立証

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成11年審判第31295号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第2282489号商標(以下、「本件商標」という。)は、「シスレー」、「SISLEY」の文字を二段に書してなり、昭和63年12月14日に登録出願され、第31類「調味料、香辛料、食用油脂、乳製品」を指定商品として、平成2年11月30日に設定登録され、その後、同12年11月21日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。

第2 請求人の主張

請求人は、本件商標の指定商品「調味料、香辛料、食用油脂、乳製品」について登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求めると申し立て、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出した。

1.請求の理由

本件商標は、その指定商品「調味料、香辛料、食用油脂、乳製品」につき継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかによって使用された事実が存しないものであるから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。

2.答弁に対する弁駁

(1)乙第2号証及び乙第3号証は、飲食物の提供を行う店の外観及びそのメニューの写真である。しかしながら、乙第2号証及び乙第3号証には、その撮影年月日を確認することができるものが一切ない。

また、乙第4号証は同店のメニューであるが、これはいつの時点のメニューであるか、特定できない。

(2)乙第6号証は、その表紙から明らかであるように、「20万人が選んだ飲食店のランキング」を紹介する雑誌であり、その中で、被請求人の経営する店が、パイと紅茶を楽しめる店として紹介されているものであって、雑誌編集者による同店の紹介記事にすぎず、被請求人が自ら行った広告ではない。したがって、これらの記事の中に「SISLEY」及び「シスレー」の文字が表されていても、これは商標法第2条第3項第7号に規定される「商品に関する広告に標章を付して頒布する行為」には該当せず、商標法第2条第3項に規定する他の使用行為にも何ら該当するものはない。

(3)乙第7号証の第1頁下の写真を観察すると、写真の中の容器に、「品質保持期限 00.1.11」と記載されているのが分かる。この「00」は、西暦2000年を意味するものと理解でき、この写真が、本件審判請求の登録日より後の2000年1月11日以降に撮影されたことがうかがえる。

(4)乙第8号証には、プラスチック容器に入れられた「生クリーム」が写っているが、この写真の撮影年月日を確認することができるものは何もない。

(5)乙第9号証及び乙第10号証として提出される「証明願」は、双方とも 「貴殿は、添付(1)の写真に表示されているように・・・持ち帰られたことに間違いないことをご証明願います。」という型の文章の下部に日付、住所及び名前を記入する形式であり、それはいわば一種の署名であるに過ぎないので、客観性、信憑性を著しく欠くものである。

(6)乙第11号証及び乙第12号証からは、証拠として提出されている紙製包装用袋及びプラスチック製包装用袋が、「カップ入りの生クリーム」の持ち帰り用袋として用いられていたかどうかは確認できない。

(7)被請求人は、種々のホームページにおいて「直営店シスレー」が紹介されている旨述べ、平成11年審判第31301号にて提出された証拠資料に言及しているが、同証拠資料は、パイや紅茶を楽しめる飲食店として同店を記述しているに過ぎず、何ら本件商標の使用を証明するものではない。

第3 被請求人の主張

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第12号証を提出している。

1.本件商標は、その商標権者の直営店であるファースト フード ショップの「SISLEY」(シスレー)(東京都渋谷区神宮前6−3−7 所在)」(以下「直営店シスレー」という。)が、本件審判の請求前の3年以内は勿論のこと、昭和63年12月23日の同店のオープンから継続して現在においても、指定商品に包含されている持帰り(テイクアウト)用の商品「生クリーム」について使用している。

2.そこで、本件商標の指定商品についての具体的な使用状態を示すと、

乙第2号証は、「直営店シスレー」の正面及びその一部を拡大した写真である。

乙第3号証は、店内においての飲食または持帰り(テイクアウト)用のために店内に掲げてある各種飲食物のメニューの写真であり、持帰りができる旨明記してある。

乙第4号証は、店内においての飲食または持帰り(テイクアウト)用のための各種飲食物のメニューである。

乙第5号証は、更新された現在の「直営店シスレー」の「営業許可書」である。

乙第6号証は、「直営店シスレー」を紹介している「ぴあランキン’グルメまめ版’98年版青山・表参道・赤坂」(1998年4月25日 ぴあ株式会社発行)の書籍である。

乙第7号証は、直営店シスレーがオープン時より継続して各種の飲食物と同様に商品「生クリーム」も別売りとして販売してきているところであり、この「生クリーム」が本件審判の請求に係る指定商品に包含されていることが明らかであることから、持帰り(テイクアウト)用としての商品「カップ入りの生クリーム」の写真である。

乙第8号証は、直営店シスレーの店内において各種の商品と一緒に商品「カップ入りの生クリーム」の見本を陳列してある状態の写真である。

乙第9号証は、株式会社アモウディレクションが1988年12月23日から現在に至るまで度々直営店シスレーにおいて持帰り用の商品「カップ入りの生クリーム」を購入したことのある旨の証明書である。

乙第10号証は、株式会社エム.ディが1988年12月23日から現在に至るまで度々直営店シスレーにおいて持帰り用の商品「カップ入りの生クリーム」を購入したことのある旨の証明書である。

乙第11号証は、商品「カップ入りの生クリーム」等の持帰り用の商品の紙製包装用袋である。

乙第12号証は、商品「カップ入りの生クリーム」等の持帰り用の商品のプラスチックス製包装用袋である。

さらに、使用に係る「SISLEY」及び「シスレー」の商標は、社会通念上同一と認められることから、本件商標がその指定商品に使用しているといえることが明らかである。

第4 当審の判断

1.被請求人が提出した乙第2号証ないし第12号証によれば、次の事実が認められる。

(1)「SISLEY」を、その商品の販売の利用に供するメニューに付してなり、そのメニューの中に、本件取消審判の請求に係る指定商品に含まれる「生クリーム」の文字が記載されていて、これを取り扱っていること、また、店内に掲げてある同様のメニューの写真には持ち帰りが出来る旨の表示が認められる(乙第3号証及び乙第4号証)。

(2)本件商標権者(片岡物産株式会社)は、平成10年12月18日に、東京都渋谷区保険所長より、営業の種類を「飲食店営業」とし、営業所の名称(屋号又は商号を含む)を「SISLEY(シスレー)」とし、営業許可の効力期間を「平成11年1月1日から平成17年12月31日まで」とする営業許可書を受けていること及び雑誌「ぴあランキングルメまめ版 青山・表参道・赤坂」(1998年4月25日ぴあ株式会社発行)には、その「エリア・マップ」欄で「SISLEY(パイ・紅茶)」が掲載され、また、「第5号『ファーストフード』思い入れ」欄で提供メニュー(各種パイやドリンク)の紹介とともに「SISLEY」及び「シスレー」が掲載されていることから、少なくとも雑誌発行日の前後に被請求人は、直営店シスレーを営業していたことを十分推認させるものである(乙第5号証及び乙第6号証)。

(3)持ち帰り用の「生クリーム」の容器に、本件商標と社会通念上同一の商標というべき「SISLEY」及び「シスレー」の文字が付されていることが認められる(乙第7号証及び乙第8号証)。

(4)株式会社アモウディレクション及び株式会社エム.ディが1988年12月23日から現在に至るまで度々直営店シスレーにおいて、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を付した「生クリーム」を入れた容器の写真を貼付し、これを持帰り用の商品として購入したことのある旨の証明書があること(乙第9号証及び乙第10号証)。

2.以上の事実を総合勘案すると、本件商標の商標権者(被請求人)は、直営店シスレーにおいて本件取消審判の請求に係る指定商品中の「生クリーム」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を、その請求の登録日(平成11年11月17日)前3年以内に使用していたものと認めるのが相当である。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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