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Trademark Appeal Case

不使用取消審判の論点

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成11年審判第31675号
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第818301号商標の商標登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標 本件登録第818301号商標(以下、「本件商標」という。)は、昭和42年9月22日登録出願、商標の構成を「BEVERLYHILLS」の欧文字とし、指定商品を「第17類,被服(運動用特殊被服を除く)布製身回品(他の類に属するものを除く)寝具類(寝台を除く)」として、同44年5月26日に設定の登録がされ、該商標権は、同54年11月29日、平成1年9月22日及び同11年1月5日の両3度に亘って存続期間の更新登録がされているものである。

2 請求人の主張 請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由の要旨及び被請求人の答弁に対する弁駁を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。

(1)本件商標は継続して3年以上、日本国内において、商標権者、専用使用権者または通常使用権者のいずれもがその指定商品について使用をしていないものであるから、その登録は、商標法第50条第1項により、取り消されるべきである。

(2)弁駁の理由

被請求人の答弁に対して次のように弁駁する。

(ア)乙第1号証について

被請求人は乙第1号証の写真について、「東京都港区港南1の8の22株式会社ジュンの長谷川洋一によって撮影されたワイシャツの写真」と説明するが、撮影年月日が不明である。従って、かかる撮影年月日が不明な写真をもってして、本件審判が予告登録された平成12年1月20日前3年以内の本件商標の使用を示す証拠とは言えない。

(イ)乙第2号証について

被請求人は、乙第2号証について、「本件商標を付したワイシャツが通常使用権者である株式会社フォークランドによって販売されている事実を示す領収書」と説明する。

ここで、 通常使用権者と主張する「株式会社フォークランド」と被請求人とは、同一人「佐々木忠」氏を代表者とし、被請求人のホームページにおいても、「ファッション製品全般の製造、販売」を行う会社として「株式会社フォークランド」が紹介されていることからも明らかなように、被請求人の関連会社である(甲第1号証及び甲第2号証)。

そして、かかる被請求人の関連会社「株式会社フォークランド」の発行に係る領収書には「ビバリーヒルズスーツ1着、シャツ2着」との記載があるが、実際に販売された商品がどのようなものであるか一切示されておらず、販売された商品と該領収書の関係が不明である。

また、入金先の欄に記載されている「上田一郎」なる人物がいかなる人物か特定されていない。従って、請求人においては、「上田一郎」なる人物が「株式会社フォークランド」から商品を購入したという事実を確認することができないから、該取引が真実に成立したものかどうかは不明である。

さらに、被請求人があえて「ファッション製品全般の製造、販売」を行う「株式会社フォークランド」を関連会社として設立していることからもわかるように、被請求人はファッションビジネスを行っているのであるから、そもそも本件商標が付された商品は大量生産され、市場において取引・流通されているはずである。しかしながら、それにもかかわらず、商品の販売の事実を証明するため取引書類が「上田一郎」なる個人に対する領収書しかないのはファッションビジネスを行っている会社としては、極めて不自然と言わざるを得ない。

以上のように、かかる請求人の関連会社である「株式会社フオークランド」の発行した領収書については不明な点が多く、実際本当に発行されたものであるかどうか極めて疑わしく、使用を証明する取引書類としては不十分と言わざるを得ない。従って、請求人は乙第2号証の証拠としての成立性を争うこととし、同時にこれらの不明な点について被請求人に釈明を求める。

(ウ)乙第3号証について

被請求人は、乙第3号証について株式会社フオークランド(通常使用権者)の登記簿謄本と説明するが、単なる「登記簿謄本」をもってして、何ら使用を示す証拠とはならない。

(3)以上のように、被請求人が提出した各証拠によっても、本件商標が本件審判の予告登録された平成12年1月20日前3年以内に使用されているとの事実は認めることはできない。

3 被請求人の答弁 被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求める、と答弁し、その理由及び理由補充を次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第7号証(乙第4号証ないし乙第7号証は追加提出)を提出した。

(1)本件商標は本件審判請求の登録前3年以内、商品ワイシャツの識別標識として、被請求人の通常使用権者である株式会社フォークランドにより使用されている。すなわち、本件商標は本件審判請求の登録前3年以内、商品ワイシャツに表示され、この商品は被請求人及び通常使用権者によって継続的に販売されている。これを立証する証拠として、乙第1号証ないし乙第7号証を提出する。

(ア)乙第1号証は商品ワイシャツに本件商標が商標権者及び通常使用権者によって表示されている事実を示す写真である。

(イ)乙第2号証及び乙第3号証は、本件商標を付したワイシャツが通常使用権者である株式会社フォークランドによって販売されている事実を示す領収書と同社登記簿謄本である。

(2)被請求人は乙第4号証ないし乙第7号証を追加提出する

(a)乙第4号証はワイシャツの襟ネームとして本件商標が使用されている事実およびそのワイシャツが店内に展示されている事実を示すものである。

(b)乙第5号証は、本件商標がキャンバスバッグの吊札に使用されている事実を示すものである。

(c)乙第6号証は、このキャンバスバッグが店内において販売のために展示されている事実を立証するものである。

(d)乙第7号証は、通常使用権者の株式会社フォークランド、FALKLANDに係る店舗の全形を示す写真である。

(3)以上のように本件商標は、審判請求の登録前3年以内、商品との具体的関係において使用されているとすべきである。

4 当審の判断

商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、その請求に係る商品について当該商標を所定の期間内(審判請求の予告登録日前3年以内)に使用していることを証明し、または使用していないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その登録の取消を免れない。そこで、被請求人提出の乙各号証について、以下、検討する。

(1)乙第1号証は、いわゆる紳士物のシャツの写真2葉であって、同シャツの奥襟部分及び前ボタン位置に、織りネーム及び下げ札がそれぞれ付されており、これらに「Beverly Hills」の商標の表示が認められる。

しかしながら、そもそもこの写真が誰により何の目的で何時何処で撮影されたものかという事情が全く不明のものであって、単に当該シャツに本件商標に相応する商標を表示した状態を示しているに止まり、該商品が誰によりどの時期に何処において陳列され取り扱われたものかという具体的状況を客観的に明らかにするものとは認め難い。

被請求人は、乙第4号証により、ワイシャツの襟ネームとして本件商標が使用されている事実およびそのワイシャツが店内に展示されている事実を示すものである旨主張するが、それらワイシャツをどの時期にどの位の数量のものを誰に対して販売し取引したものかという具体的な取引状況は依然不明といわざるを得ない。したがって、これら書証をもってしては、本件商標の所定の期間内(審判請求の予告登録日前3年以内)の使用は客観的に証明されない。

(2)乙第2号証は、平成11年10月29日付の株式会社フォークランド名義に係る領収証(控)の写しであって、同領収証によれば、当該取引に係る商品が「ビバリーヒルズスーツ1着,シャツ2着」である旨手書き文字により記載されていることが認められる。

しかしながら、たとえ、領収証記載の商品の取引が当該時日頃に行われたものとしても、そもそも領収証記載の商品(「ビバリーヒルズスーツ1着,シャツ2着」)が具体的にどのような商品を指すものか、たとえば、その品質・型式等はどういうもので、その製造者は誰で、当該使用に係る商標は具体的にどうなっているのか等の事情が全く不明であって、当該取引に係る商品を特定できないばかりか、その商品が具体的にどのような流通状態に置かれているのかという点すらも不明というほかはなく、また、その提出に係る他の書証との関連性も窺うこともできないから、結局、当該取引に係る商品を特定し得ないものである以上、この一片の領収証によっては、本件商標のその指定商品についての使用は客観的に証明されない。

被請求人は、この領収証(乙第2号証)により本件商標を付したワイシャツがその通常使用権者である株式会社フォークランドにより販売された事実が示されている旨主張しているが、領収証記載の商品が本件商標を付したワイシャツであるとする点、あるいは、前記写真(乙第1号証)に示されたシャツがこの領収証(乙第2号証)記載のシャツであるとする点については、甚だ疑問とせざるを得ないこと前記認定のとおりであって、該事実は客観的に明らかでなく、採用の限りでない。

(3)乙第5号証及び乙第6号証は、被請求人のいう「キャンバスバッグ」に関するものであって、本件商標の指定商品または本件審判の取消請求に係る商品とは無関係なものであるから、本件審判において考慮に入れる余地はない。その他、被請求人の主張を認めるに足りる証拠はない。

(4)結語

以上のとおり、被請求人は、本件審判請求の予告登録日前3年以内に本件商標をその指定商品について使用したことを証明し得なかったものであるから、本件商標の登録は、商標法第50条第1項により、取消すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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