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Trademark Appeal Case

著名商標の混同のおそれ

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成6年審判第6815号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「POLO LEAGUE」の欧文字と「ポロリーグ」の片仮名文字を上下二段に横書きしてなり、第23類「時計、その他本類に属する商品」を指定商品として、平成1年4月20日に商標登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

登録異議の申立のあった結果、原査定は、「登録異議申立人の提出に係る各号証によれば、「POLO」の文字よりなる商標が、本願商標出願以前に登録異議申立人の取り扱いに係るものとして取引者・需要者間に広く認識されていたものと認められ、例え、本願商標が「POLO LEAGUE、ポロリーグ」の文字よりなり、「ポロ競技の連盟」等の意味合いを認識させるものとしても、「POLO」の文字よりなる商標が著名となっていることから、「POLO」の文字をその構成中に含む本願商標は、その構成態様において「POLO」の文字が視覚的に分離されるものと判断される。また、その商品においても取引者・需要者層を同じくするものと認められるから、本願商標が使用されるときには、「POLO」の文字よりなる商標との出所の混同を生じるおそれがあるものといわなければならず、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨認定して、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)「POLO」商標の著名性について

(株)講談社昭和53年7月20日発行の「男の一流品大図鑑」及びサンケイマーケティング昭和58年9月28日発行「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」によれば、以下の事実が認められる。

ラルフ・ローレン(Ralph Lauren)は、1967年ネクタイメーカーのボー・ボランメル社にデザイナーとして入社、幅広ネクタイをデザインし、圧倒的に若者に支持され、世界に広まった。翌1968年独立、社名を「ポロ・ファッションズ」(現在の「ザ ポロ/ローレン カンパニー リミテッド パートナーシップ」の前身,以下、「ポロ社」という。)とし、ネクタイ、スーツ、シャツ、セーター、靴、カバンなどのデザインをはじめ、トータルな展開を図ってきた。1971年には婦人服デザインにも進出、服飾業界の名誉ある賞、「コテイ賞」を1970年と1973年の2回受賞するとともに、数々の賞を受賞。アメリカを代表するデザイナーとしての地位を確立した。

我が国において、ラルフ・ローレンの名前は、服飾業界等において広く知られるようになり、そのデザインに係る商品には「POLO」の文字とともに「by RALPH LAUREN」の文字及び馬に乗ったポロ競技のプレーヤーの図形の各商標(以下、一括して「ポロ商標」という。)が用いられ、これらの商標は「ポロ」と略称されている。

そして、(株)洋品界昭和55年4月発行「海外ファッション・ブランド総覧1980年版」「ポロ」の項及びボイス情報(株)昭和59年9月発行「ライセンス・ビジネスの多角的戦略’85」の「ポロ・バイ・ラルフ・ローレン」の項の記述及び昭和63年10月29日付日経流通新聞の記事によれば、我が国においては、西武百貨店が昭和51年にポロ社から使用許諾を受け、同52年からラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、紳士靴、サングラス等、同53年から婦人服の輸入、製造、販売を開始したことが認められる。

また、ラルフ・ローレンに係る紳士服、紳士用品については、(株)スタイル社1971年7月発行「dansen男子専科」、前出男の一流品大図鑑」、(株)講談社昭和54年5月発行「世界の一流品大図鑑’79年版」、(株)チャネラー昭和54年9月発行別冊チャネラ−「ファッション・ブランド年鑑’80年版」、「男の一流品大図鑑’81年版」(昭和55年11月発行)、「世界の一流品大図鑑’80年版」(昭和55年6月発行)、婦人画報社昭和55年12月発行「MEN’SCLUB 1980,12」、「世界の一流品大図鑑’81年版」(昭和56年6月発行)、前出「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」、(株)講談社昭和60年5月発行「流行ブランド図鑑」において、眼鏡については、「世界の一流品大図鑑’80年版」、「ファッション・ブランド年鑑’80年版」、「男の一流品大図鑑’81年版」、「世界の一流品大図鑑’81年版」において「POLO」、「Polo」、「ポロ」、「ポロ(アメリカ)」、「ポロ/ラルフローレン(アメリカ)」等の商標の下に紹介されていることが認められる。

なお、ラルフ・ローレンの「POLO」、「ポロ」、「Polo」の商標について、上記認定とほぼ同様に認定した東京高等裁判所の判決(平成2年(行ケ)183号、平成3年7月11日判決言渡)がある。

以上、認定の事実を総合し、かつ、上記判決の趣旨も併せ考慮するに、「ポロ商標」は、我が国においては、遅くても昭和55年までにはラルフ・ローレンのデザインに係る商品を表示するものとして、被服類、靴、かばん類、眼鏡等のいわゆるファッション関連の商品分野の取引者、需要者の間において広く認識されていたものと認められ、その状態は現在もなお継続しているというのが相当である。そして、他にこの認定を覆すに足りる証拠はない。

(2)本願商標は、前記のとおり「POLO LEAGUE」と「ポロリーグ」の各文字を上下二段に横書きしてなるものであるところ、「POLO」(ポロ)は「ポロ」(競技)、「LEAGUE」(リーグ)は「連盟」のそれぞれの意味を有する既成語であるから、これらの語の結合よりなる構成文字全体をもって「ポロ競技連盟」の意味合いにおいて団体名を表したものと理解される場合があるとしても、我が国において「ポロ競技」が盛んに行われて一般に親しまれているものとはいえないばかりでなく、「POLO LEAGUE」「ポロリーグ」の文字が、特定の団体を表示するものとして具体的に知られているとも認められないところである。

そうすると、本願商標は、その構成中に「POLO」「ポロ」の各文字を有するものと容易に認識させるものであり、前記のように、我が国において、遅くても本願商標の登録出願前である昭和55年までに、ラルフ・ローレンのデザインに係る商品を表示するものとしてポロ商標の著名性が被服類、靴、かばん類、眼鏡等のいわゆるファッション関連の商品分野の取引者、需要者の間において広く認識されていたものと認められる以上、かかる取引者、需要者が本願商標に接した場合にはポロ商標との構成上の相違があったとしても「POLO」「ポロ」の各文字部分に着目して商品の出所について考察するとみるのが相当である。

してみると、「POLO」「ポロ」の各文字を含む本願商標をファッション関連の商品である指定商品「眼鏡等」に使用した場合には、米国の著名なデザイナーであるラルフ・ローレンに係る商品を表示するものとして広く知られるポロ商標を連想、想起し、同人又は同人の事業と組織的・経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく、商品の出所について混同を生ずるおそれが少なからずあるといわなければならない。

4 結語

以上のとおり、本願商標は商標法第4条第1項第15号に該当するものといわざるを得ないから、その理由をもって本願を拒絶した原査定は、取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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