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Trademark Appeal Case

称呼の類似性と要部認定

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号無効2000−35074(T2000−35074/J3)
審判種別無効
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4075245号の登録を無効とする。
審判費用は被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件商標登録第4075245号に係る商標(以下「本件商標」という)は、「MALIBU PRIME」の欧文字を横書きしてなり、平成7年8月30日登録出願、第32類「清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,乳清飲料」を指定商品として、同9年10月24日に設定登録されたものである。

第2 請求人の主張の要点

1 請求の趣旨

結論掲記の審決

2 請求の理由

(1)無効事由

本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当し、同法第46条第1項第1号により、無効とすべきものである。

(2)商標法第4条第1項第15号について

ア 請求人は、その所有に係る以下の商標を引用する。

(ア)商標登録第1686149号商標(以下「引用A商標」という。)

商標 「MALIBU」の欧文字を横書き

指定商品 第28類「リキュール、その他の洋酒、ぶどう酒、その他の果実酒、その他本類に属する商品」

登録出願日 昭和56年7月24日

設定登録日 同59年5月29日

更新登録日 平成6年4月28日

(イ)商標登録第2135253号商標(以下「引用B商標」という。)

商標 「MALIBU」の欧文字と図形商標

指定商品 第28類「酒類(薬用酒)」

登録出願日 昭和61年5月1日

設定登録日 平成1年4月28日

イ 上記引用A及びB商標は、ココナッツ風味のリキュールに使用され、本件商標の出願時である平成7年8月30日には、日本その他世界各国において請求人の商標として著名となり、現在に至っている(甲第4号証ないし甲第20号証)。

ウ 請求人であるイギリス国トゥエルブ・アイランズ・シッピング社(以下「トゥエルブ社」という。)は、1981年頃から引用商標をを付したココナッツ風味のリキュールをニッカウヰスキー株式会社、日本ビューブライン株式会社及びジャーディン・ワインズ・アンド・スピリット株式会社などを日本における代理店として輸入、販売し、企業努力を継続した。その結果、現在では、パルバドス産のホワイト・ラムに果肉を配合した「ココナッツ風味のリキュールの先駆者」として我が国で権威のある輸入酒のガイドブックである「世界の名酒事典」の1989年版、1993年版、1999年版及び2000年版や「英和商品名辞典」に紹介されるまでに至った(甲第4号証及び甲第5号証)。

エ 1998年4月には、高級アイスクリームとして我が国でも人気の高いハーゲンダッツ社が、引用A及びB商標の高い著名性や品質の良好さに着目して、ハーゲンダッツ・アイスクリーム・ミニカップ「マリブ」なる商品に引用B商標をあしらったラベルを付して発売、テレビを中心に大々的な宣伝活動を行った(甲第6号証)。

オ 以上のとおり、請求人の引用A及びB商標は、ココナッツ風味のリキュールに使用され、本件商標の出願時である平成7年8月30日には、日本その他世界各国において請求人の商標として著名となり、現在に至っている。

一方、本件商標は、その構成中に「MALIBU」の文字を含むため、本件商標をその指定商品に使用した場合、取引者、需要者は、引用商標を想起し、請求人の業務に係る商品と出所について混同を生ずるおそれがある。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。

(3)商標法第4条第1項第11号について

ア 請求人は、その所有に係る以下の商標を引用する。

商標登録第2051038号商標(以下「引用C商標」という。)

商標 「MALIBU」の欧文字と図形の結合商標

指定商品 第29類「茶、コーヒー、ココア、清涼飲料、果実飲料、氷」

登録出願日 昭和60年8月9日

設定登録日 同63年5月26日

更新登録日 平成10年1月27日

イ 本件商標「MALIBU PRIME」は「マリブプライム」のほか「マリブ」の称呼も生ずる。その理由は、次のとおりである。

(ア)本件商標中「PRIME」は、「最良の、最上質の」等を意味する自他商品の識別力のない形容詞であり(甲第21号証及び同第22号証)、現在にあっては当該商品の品質が良好であることを表す商品の品質誇称表示として普通に使用されている。

(イ)本件商標を全体として特定の意味に観念しなければならない格別の理由はない。

(ウ)本件商標を全体として称呼するときは、全体で7音で、やや冗長な音構成である。

ウ 引用C商標は、著名商標である。一般に著名登録商標を一部に含む商標において「登録商標の著名度が高い場合には、その著名度の高い部分に世人の注意が集中し、当該著名登録商標の称呼、観念が生じる」ものである(昭和39年(ワ)第12182号判決)。引用C商標からは、「マリブ」の称呼が生ずる。

エ よって、本件商標は、引用C商標とその称呼を共通にする類似する商標である。

オ 本件商標の指定商品は、「清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,乳清飲料」である。引用C商標の指定商品は、「茶、コーヒー、ココア、清涼飲料、果実飲料、氷」である。本件商標と引用C商標の指定商品が抵触することは明白である。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。

3 証拠方法

請求人は、審判請求書に記載のとおり甲第1号証ないし甲第28号証を提出した。

第3 被請求人の答弁

被請求人は、答弁していない。

第4 当審の判断

1 無効事由(商標法第4条第1項第15号)について

(1)本件商標は、前記のとおり「MALIBU PRIME」の欧文字を横書きしてなるところ、その構成中の「PRIME」の文字は、甲第21号証(「日本語になった外国語辞典」)及び同第22号証(「国際化新時代の外来語・略語辞典」)によれば、我が国において「プライム」と記載され、「最良の、最上質の」を意味する英語に由来する外来語として用いられていることが認められる。そうすると、本件商標において「PRIME」の文字部分は自他商品の識別機能がないか又は極めて弱いものであるから、本件商標の要部は、「MALIBU」の文字にあるものであり、その構成文字に相応して「マリブ」の称呼を生じる。

(2)引用A商標は、前記のとおり「MALIBU」の欧文字を横書きしてなるものであり、引用B及びC商標は、後記のとおり上段に「MALIBU」の欧文字を横書きし、下段にヤシの木と思われる木を2本描いた図形からなる商標である(なお、引用B商標の商標権は、平成11年4月28日存続期間の満了により、同12年1月19日抹消登録がされている。)。そうすると、引用A、B及びC商標は、その構成文字に相応して「マリブ」の称呼を生ずるものである。

(3)本件商標と引用B及びC商標とを比較すると、両者は、前記(1)及び(2)で述べたとおり「MALIBU」の欧文字を共通にするものであり、その構成文字に相応して「マリブ」称呼を生じ、外観上も「MALIBU」の欧文字において近似した印象を与えるものであって、全体として互いに紛れるおそれのある商標である。そして、本件商標の指定商品は引用C商標の指定商品と同一又は類似する商品を含むものである。

(4)請求人の主張の全趣旨及び甲第4号証(「世界の名酒事典」1989年度版、1993年度版、1999年度版及び2000年度版)、甲第5号証(「英和商品名辞典」)、甲第6号証(ハーゲンダッツ社の「マリブ」アイスクリームの発売広告)、甲第7号証(日本洋酒輸入協会理事長竹山満氏による引用A及びB商標が著名であることを証明する書面)によれば、請求人であるトゥエルブ社は、1981年頃から引用B及びC商標をジャマイカ産ラム酒をベースに天然のココナツフレーバーを混ぜたリキュール酒に付して使用し、そして、トゥエルブ社は、ニッカウヰスキー株式会社、日本ビューブライン株式会社及びジャーディン・ワインズ・アンド・スピリット株式会社などを日本における代理店として輸入、販売していること、

1998年4月には、高級アイスクリームとして我が国でも人気の高いハーゲンダッツ社が、トゥエルブ社商標の高い著名性や品質の良好さに着目して、ハーゲンダッツ・アイスクリーム・ミニカップ「マリブ」なる商品をテレビを中心に大々的な宣伝活動を行ったこと、

引用B及びC商標は、トゥエルブ社が前記リキュール酒に付して現在に至るまで永続して使用し、平成7年8月には、取引者、需要者の間において、直ちに同社の商品であることを認識できる程に周知になっていたこと、

以上の事実が認められ、これを覆すに足りる証拠はない。

(5)上記(4)で認定した事実よりすると、引用B及びC商標は、前記リキュール酒に付して使用され、本件商標の登録出願時である平成7年8月30日には、需要者の間に広く知られた商標となっており、この事実は現在も継続しているものである。そして、上記(3)で述べたとおり本件商標と引用B及びC商標とは互いに紛れるおそれのある商標である。

そうすると、本件商標は、これをその指定商品に使用するときは、取引者、需要者をして、請求人又は同人と何らかの関係がある者の取扱に係る商品であるかのように出所について混同を生ずるおそれがあるものである。

2 結語

以上のとおりであり、本件商標は、商標法第4条第1項第15号の規定に違反して登録されたものであり、同法第46条第1項第1号に該当するから、その商標登録を無効とすべきものである。

よって、本件審判請求は、認容することとし、審判費用の負担について商標法第56条第1項、特許法第169条第2項、民事訴訟法第61条を適用して、結論のとおり審決する。

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