結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 無効2000−35616(T2000−35616/J3) |
|---|---|
| 審判種別 | 無効 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第4366685号商標(以下「本件商標」という。)は、「ENCHANTE」の文字(標準文字)を書してなり、平成11年3月8日に登録出願され、第25類「被服,履物,運動用特殊靴,運動用特殊衣服」を指定商品として、同12年3月10日に設定登録されたものである。
請求人が本件商標の登録無効の理由に引用する登録第2226288号商標(以下「引用商標」という。)は、「エンチャント」の片仮名文字及び「ENCHANT]の欧文字を2段に書してなり、昭和63年4月21日に登録出願され、第17類「被服,布製身回品,寝具類」を指定商品として、平成2年4月23日に設定登録されたものであるが、平成12年4月23日に商標権の存続期間が満了し、その登録が同13年1月24日になされているものである。
請求人は、結論同旨の審決を求めると主張するとともに、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第5号証を提出している。
(1)無効事由
本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第13号に該当し、同法第46条第1項第1号により、無効にすべきものである。
(2)無効原因
請求人所有に係る引用商標は、本件商標の先出願に係るものであって、両商標は相類似しており、その指定商品も類似するものである。
(ア)商標の類似について
本件商標を構成する「ENCHANTE」は「魔法のかかった、魅惑的」等を意味するフランス語(甲第3号証:新仏和中辞典参照)であって、「アンシャンテ」及び「エンチャンテ」とフランス語風に称呼される場合があるとしても、英語読み風の「エンチャント」の称呼をもって、取引に資される場合も決して少なくないと判断するのが相当である。
一方、引用商標は、その構成中の「エンチャント」及び「ENCHANT」は「魔法をかける、魅惑する」等を意味する英語(甲第4号証:講談社英和辞典参照)であって、その文字に相応する称呼を生じる場合があるとしても、上段の「エンチャント」の文字が下段の「ENCHANT」の欧文字の称呼を特定すべき役割を果たすものと認められるところであるからこれより「エンチャント」の称呼を生ずるものである。
そのため、本件商標は引用商標と称呼を共通にする類似の商標であることは自明である。
このことは、請求人が「エンチャント」の片仮名文字と「ENCHANT」の欧文宇とを二段に併記して平成12年1月26日付けで商標登録出願(商願2000−4658号)したところ、本件商標を引用して商標法第4条第1項第11号に該当するとの理由で拒絶理由通知書(甲第5号証)が発送されたことからも明らかである。
(イ)商品の類似について
本件商標は「第25類被服,履物,運動用特殊靴,運動用特殊衣服」を指定商品とするものであり、引用商標の指定商品は「第17類被服,布製身回品,寝具類」である。本件商標の指定商品中の商品「被服」と引用商標の指定商品中の商品「被服」とは法改正により全く同一ではないとしても、共通の商品が包含されているのであり、個々に列挙するまでもなく、両者は商品「被服」について同一又は類似するものであることは自明である。
(ウ)出願日について
本件商標の出願日は平成11年3月8日であり、引用商標の出願日は昭和63年4月21日、設定登録日は平成2年4月23日である。これより本件商標は引用商標の設定登録日の後に登録出願された商標である。
ところが、引用商標の存続期間は平成12年4月23日までであるが、本件商標が設定登録された時点(平成12年3月10日)では引用商標は、有効に存続していたし、しかも、商標権が消滅した日から1年を経過していないものである。
(エ)むすび
上記のとおり、本件商標は、引用商標と類似し、指定商品も同一又は類似するものである。しかも、本件商標は引用商標よりも後願である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同13号の規定に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項第1号の規定により登録無効にされるべきである。
被請求人は、本件審判請求の理由に対して、何等答弁するところがない。
本件商標は、上記のとおり「ENCHANTE」の欧文字よりなるものであり、該文字は「魔法のかかった、魅惑的」等を意味するフランス語と認められる。そして、これを称呼する場合、指定商品との関係において、この種の業界では取引者・需要者はしばしばフランス語読みをもって取引に当たっていることから、フランス語読みの「アンシャンテ」及び「エンチャンテ」の称呼が生ずる場合があるということができる。
しかしながら、該語自体は、日本人に馴染みのあるものといえないから、そのような場合、一般に英語風の読みの称呼をもって、取引に資されるというのが相当である。
してみれば、本件商標は、「ENCHANTE」の文字に対し英語読みである「エンチャント」の称呼をも生ずるものと認められる。
一方、引用商標は、上記のとおりであり、その構成中「ENCHANT」の欧文字は「魔法をかける、魅惑する」等を意味し、「インシャント」と発音する英語であって、その文字に相応する称呼を生じる場合があるとしても、該英語は、一般に前記意味及び発音で親しまれ、使用されている平易なものともいえないから、片仮名文字と欧文字とよりなる構成の商標において、これに接する取引者・需要者は、引用商標の場合上段の「エンチャント」の片仮名文字が下段の「ENCHANT」の欧文字の読みの称呼を特定すべき役割を果たしているものと無理なく認識させられるところであることからすれば、これより「エンチャント」の称呼をも生ずるものというのが相当である。
そうとすれば、本件商標と引用商標とは「エンチャント」の称呼を共通にする類似の商標と認められる。
また、本件商標と引用商標は、その指定商品「被服」において同一または類似するものである。
そして、本件商標の出願日は平成11年3月8日であるのに対し、引用商標の出願日は昭和63年4月21日であり、引用商標が有効に存続している間に本件商標が登録出願されたこと明らかである。
したがって、本件商標は、請求人の他の主張について検討するまでもなく、審判の請求に係る指定商品「被服」については商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものといわなければならないから、同法第46条第1項第1号の規定に基づき無効とすべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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